閑話 神獣の里
22話でイクスがダンさんから渡された刀に使われた神獣の爪に関する話です。ちょっとフラグ?回収してみました。
オウカがさらわれてから3日目、俺はギルドに来ていた。理由は簡単、宿泊費を稼ぐためだ、オウカも落ち着いていないし、家がもらえるというのももう少し先だから金がいるのだ。
「あ、イクス。オウカは大丈夫なの?この前は何も出来なくてごめんね。」
「大丈夫だよ。オウカは無事だけど、落ち着くまでもう少しかかると思う。ちゃんと宿泊費を払っと来たいから、なんか依頼ない?高難易度でいいから、高収入なやつ。」
「とっておきのがあるわよ。本来ならチーム用何だけど。まぁ、イクスなら出来るかもしれないわ。」
「どんなのだ?」
「『神獣の討伐』よ。ランクはSで、報酬は仮白金貨5枚よ。ここから大分西に行った街で神獣クラスのモンスターが暴れたとの情報があってね。街を脅かす神獣を討伐してとの依頼よ。」
「わかった。それを受けるよ。」
「その西の街には明日馬車が出てるから…」
「別にいいや。自分で行くから。」
「え?それってどういう…?」
そう言い終わる前にイクスはギルドをでた。何日もかける時間はないからな。イクスは転移した。
次に見えたのは一面に広がる海原だった。
「うわぁっと!」
イクスはとっさにグライドをつかって空中にとどまった。
「座標指定を間違えたかな…?」
転移にも弱点はあった。知らない場所に行くには座標指定が必要なのだ。
場所を間違えて、少しの間途方に暮れていると、水平線の彼方から何かが飛んで来た。よくみるとそれはドラゴンだった。向こうもこちらに気付いたようだ。
「浮遊魔法を使える人間とは珍しいな。」
「!あんた、しゃべれるのか!?」
「霊獣クラスより上になると皆話せるぞ。」
「聞きたいんだけど、この辺に街ってない?」
「ここがそうだった。」
「そう…だった?」
「ああ、元我らの仲間の竜の裏切り者がその街を消してしまったのだ。」
「俺はそのドラゴンの討伐依頼を受けてるんだ。」
「我等もその裏切り者を探しておる。見つけて里の掟によって裁かねばならんからな。」
「里?里ってのがあるのか?俺も連れて行ってくれないか?」
「まあ、いいだろう。悪いやつではなさそうだ。私の名は、ツクヨミだ。貴殿の名は?」
「俺の名はイクスだ。よろしくな、ツクヨミ。」
そして俺と、ツクヨミは里とやらに向かった。
イクスとツクヨミは里についた。そこにはたくさんの人がいた。ん、人?
「何で人間がこんなに…?」
「あれらは、すべて我が同胞だ。人型になっているにすぎん。その方がこの狭い島で生活するのが楽だからな。」
「そうなのか。」
「ツクヨミ、此奴は何者じゃ!?」
なんか老人が出てきた。いや、老竜か?
「村長、この者はかの裏切り者、ファンクを探しているそうです。力になると思い、連れて来ました。」
「そうか、ツクヨミの連れて来た者だ。ひとまず信じよう。君はファンクを探しているそうだな。なぜだ?」
「俺は人間の世界で人間の街を滅ぼした。その裏切り者を討伐する依頼を受けているんだ。」
「そうか、ならばゆっくりしていくが良い。協力はしてもらうがな。」
「では、失礼します。」
それから、ツクヨミは里を案内してくれた。ツクヨミの奥さんと子どもにも会った。既婚者だったのか。こいつ。
その日の晩、俺の歓迎会を開いてくれた。
「こいつは、イクスという人間じゃ。ファンクを倒す儂らの手伝いをしてくれるらしい。今日はこの者のために宴を開いた。皆、存分に飲んで騒げぃ!!」
うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
そんな歓声が上がり、地響きがしたような気がした。それからというもの、すんごく食って騒いだ、酒は飲まなかったけど。
そういや、俺って未成年扱いなのかな?




