オウカの戦い
「今回は俺がサポートにまわる。」
「えぇ!?じゃあ、誰が戦うの?」
「オウカとルーだ。ルーは前衛こそやるが、本気で闘うな。」
「なんで?」
「オウカ、お前も少しは鍛えとかないと、前みたいになるぞ。」
「………」
少しカッとなってしまった。
「ごめんオウカ。でも、いつでもどこでも俺がオウカを守れるとは限らない。だからオウカには少しでも強くなって欲しいんだ。」
ボフッ
オウカの顔が真っ赤になった気がした。気のせいだろう、多分。
「わ、わかったわ。今回は私が戦うわ。けど、危なくなったら助けてね、イクス、ルー。」
「最初からそのつもりだよ。」
「わかりました。」
「じゃあ、これ渡さないとな。」
そう言って渡したのはあの、ワイバーンの剣だった。
「初依頼の時、折ってしまってごめんな。これは、代わりの件だ。オウカ用だから。」
「ありがとね。」
3人は洞窟につくと、
「確認するぞ。俺がテレポートとステルスで連れていかれた人を救出したあと、オウカとルーが突入する。ルーは、俺がテレポートで5人を救出して戻るまでに時間がかかるから、その間ルーを守ってくれ。出来るな?」
「うん、頑張る。」
「わかりました。」
「よし、じゃあ作戦開始だ。」
そう言うと、イクスは洞窟の中に転移した。
「おら!そろそろ移動するぞ。闇オークション会場になぁ!」
「「ヒィッ!!」」
イクスが洞窟内の様子を伺う。5人とも女の子のようだった。許せねえ。けどこいつらをしばくのはオウカの役目だ。今回は…
イクスはステルスを解くと、一瞬で5人を連れ去った。
「オウカ、ルー、今だ!!」
そう叫ぶと、2人が中に入って行った。
「あなたは誰…?まさか!私たち売られるの!?」
「そんな事しないよ。俺たちはアポロニアのギルドの者だ。依頼で君たちを助けに来た。」
「…そうなの?」
「怖かっただろう。もう大丈夫だ。ここの周り10メートルに防御壁とステルスを張ってあるからここから出ちゃダメだよ。」
「…はい。」
返事を聞くと、イクスはまた何処かに転移した。
その頃、オウカは3人の男相手に切り結んでいた。残りは大体るーが相手をしている。ルーは魔法を使っているようだ。
「クソッ、このアマ。」
「あなた達弱いわねえ。これならばなんとか…」
「舐めんじゃねぇ!!」
4人目の男が後ろからオウカに襲いかかる。その時、上空から光の矢が降り、男の持っていた剣を弾き落とした。
「…グッ!?」
「すまないな、今のオウカは1対3が限界なようだ。悪いがそれ以上は手を出すな。」
オウカはすぐにわかった。イクスが上空から支援してくれてるのだ。
ーありがとね、イクス。あなたがいれば私は戦える!
イクスはちょっと嬉しかった。自分は今、空を飛んでいるのだ。空間魔法『グライド』。単なる浮遊魔法だが、ランクはSSである。現在人間で使えるのは本当にごく少数である。
ルーはちょっと離れたところで戦っていた。
ーめんどくさいなあ、もう。サクッと片付けますか。
ルーは姿を変えた。元の姿に。
「「「うわぁぁぁぁ!!!化け物だぁぁぁ!!!」」」
「化け物とは失礼な。」
ルーが爪でなぎ払う。一撃でその場の全員が倒れた。ルーも十分能力はぶち抜けていた。
「これで、ラスト!」
オウカが最後の一人を切り伏せる。これで一応依頼は達成だが…
「この人たちどうするの?」
「なんか、働き口ないかな?…ああ!」
「どうしたのよ。大声出して。」
「どうしたんですか。」
「まぁ、ちょっとな…君たちうちで働かないか。」
「でも、私たち。もう奴隷登録されたって…あの人たちが…。」
「まぁ、任せなよ。まずはこいつらか。」
「とりあえず直接牢にぶち込むか。土魔法『アースバインド』からの…
「『テレポート』♪」
男たちが消えた。
「人数に上限は無いんですか。」
「じゃあ、次は…」
この際、ルーの小言は聞かない。
その場にいた全員で転移し、現れたのは…
王宮の広間だった。




