それぞれの休息
ギルドを出るとすっかり日が落ちていた。
「このままさっき言ってた宿舎に行くか。」
「そうね、やることもないし。」
「あ!ちょっとルーと先行っててくれ。用事があった。」
「始めてきた町でどんな用事かしら?まあいいわ。先にいってるね。」
そして俺は2人とは違う方向に駆け出した。
オウカandルーSIDE
「行っちゃった…。用事ってなんなんだろうね。ルー」
「そんな事私が知るわけないじゃないですか。」
「…ねえ。ルーってイクスのことどう思ってるの?」
「イクス様?あの人は私のマスターであり、兄のような人ですよ。オウカこそ、イクス様をどう思っているのですか?」
「わ、私?私はね、なんとも思ってない…はずだったのに。今日ドラゴンと戦ってるあいつを見て『かっこいい』って思っちゃったの。私はイクスが、好きよ。」
ーえぇ!?ちょっとからかっただけなのに、これは予想外ね。嘘から出た真ってやつかしら。どうしよう。
ーあ〜!!言っちゃった。本人がいないとはいえ、すごく恥ずかしいよ〜!
変な沈黙が続く中、2人は宿舎に入って行った。
イクスSIDE
その頃のイクスが言う用事というのは、
昼間の戦闘で折れてしまったオウカの剣の修理、あるいは新調だった。
さっきユリに両替してもらって半分にした報酬もあるし、Bランク特典の4割引もあるし大丈夫だよな。
店に着くと、店頭にはたくさんの派手な剣や鎧がおいてあった。今はそんなのはどうでもいい。一人の店員を見つけて声をかけた。
「すみません。武器の修理ってできますか?」
「ん?ちょっと待っとくれ。こっちの仕事が片付いたら行くよ。」
返事をもらってから5分程待つと奥からガタイのいいおじさんが姿を現した。37、8くらいだろうか。
「君か、修理したいってのは。」
「はい。この剣なんですけど…」
おじさんはその剣をしばらく眺め、やがて結論を出した。
「修理はちょっとキツイな。多分すぐに折れちまう。」
「そうですか…。なら新しいのを買っていきます。」
「別にいいが、壊れ方を見る限り量産されているのを買っても君なら戦闘3回と持たないぞ。一から作ることをオススメする。」
「じゃあお願いします。」
「金だけでも作れるんだが、何か材料ないか?そっちの方が金も浮くし、ものによっちゃ強度が半端なくなる。」
材料か…、あれはつかえるかな?
「これは、どうでしょう?」
そう言ってイクスがだしたのはグランドワイバーンの爪だった。魔臓を取る時に一緒にとっておいたものだ。
「うおっ!すんげぇレアな素材じゃねえか。腕がなるぜ!じゃあ明日には仕上げてやるから、また明日取りにきな。代金もその時でいいよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「明日ここにきて『ダン』との約束があるっていいな。」
「はい、ありがとうございます。」
どんな剣が出来るのかな?いまから楽しみだ。




