始まりの場所で
目覚めると女の人がいた。
「力が欲しいですか?」
ー何言ってんだ?この人は誰だ?ここはどこだ?
次々に頭の中に疑問が芽生える。
次第におもいだしてきた。
また、何も守れなかった…。
そう思うとついつい涙が溢れてきた。
神様はしばらく黙ってそっとしといてくれた。
ひとしきり泣き止むと、神様はこう続けた。
「あなたは、元の世界で数々の良い行いをしました。そのおかげであなたは私の目にとまり、あなたの最後の願いを聞くことにしました。」
そうだ、俺には力がいる。
大切なものを守るだけの力が。
「力が欲しいです。自分の大切なもの、すべてを守れる力が。」
「わっかりました〜。いや〜、断られたらどうしようかと思っちゃったよ。じゃあ、これからの説明するね。」
その前にさっきのシリアスな空気はどうしてくれんだ。
神様なんだから、空気くらい読めよ。
「聞こえてるよ〜。いや、君があんまり暗い顔するもんだからさ、気分を変えようかなって♪」
「まあ、いいです。されで、これからのことって?」
「あぁ、そうそう、これから君が転生する世界は、魔法、魔族とか当たり前のRPGのような世界にだよ。あと、君の器については、身体能力がどチート、魔力が無限、全ての武器が使用可能、全ての魔法使用可能っていう化け物作っちゃいました♪テヘッ♪」
ぶっ飛びすぎてない?大丈夫かこの人…。
「まぁ、流石にやり過ぎた感は否めないので、魔力は転生後10分以外、しばらく封印します。本当に必要な時に解放されるけど。世界を壊しかねないから、そのあとは自分で封印してね。」
「何で最初の10分…」
といいかけたところで神様が卵を投げてきた。
「それは、君のパートナーになるだろうものがはいってる卵だよ。魔法なしじゃその世界流石にキツイからねぇ。転生後すぐに魔力を込めるといいよ。あと、容姿に関してはサービスで私好みにしといてあ・げ・る♪」
そろそろイラっとくるんだが。
「というわけで、素敵なセカンドライフを楽しんでね。あと、私の名はイシス。困ってそうだったら、夢の中にでも会いにいくから。」
「ありがとな。イシス。」
そういうと、彼女は微笑んだ。
もう死んでもいいってくらい、綺麗だったね。
まぁ既に死んでますけど?
そんなしょーもないことを考えてるうちに、意識が途絶えた。