38:パーティー当日その2
お楽しみください
昼休み。
今日は珍しく教室で昼食をとっていた。
ーーん? 何で生徒会室で食べてないかって?
理由は簡単、ついさっき舞花さんと会長が早退して生徒会室に行く必要がなくなったからである。
というわけで今僕は、珠里と遥、そして委員長の三人と一緒に昼食を食べていた。
しかし何故だろうか? さっきからずっとクラスの女子の視線がこちらに降り注いでいるのだが。
「なあ、さっきから僕達ずっと見られてない?」
「うん、そうだね悠君」
「冷静なんだな委員長は。女子達がこっち見てる理由分かるのか?」
「むしろなんで悠君が分からないのか不思議だよ」
「ねえ明里、お兄ちゃんにそのこと言っても無駄だよ」
「そうだね、悠は……しょうがないよ明里」
「む……」
それでは僕が鈍いみたいじゃないか。
それに委員長まで、そうなの? って聞き返してるし。
はあ、何か女子に恨まれるようなことでもしたっけな僕?
「でもこの視線の中じゃご飯食べにくいよね、ーー特に悠君が」
「ああ、委員長気にしなくていいよ」
「いやー、悠君が気にしなくても私が気にするのだよ。ってなわけで屋上に行かない?」
「別にいいけど」
「「私達も」」
特に委員長の言葉に意見があったわけでもないので僕達屋上に向かうことにした。
その途中で遥が恥ずかしそうに手をあげる。
「ちょっと抜けていい? すぐ追いつくから」
「どうかしたのか遥? 顔も紅いし」
「いやっ、何でもないから」
「何でもないってなお前な……」
そこで僕は遥が内股になってモジモジしているのに気づいた。
ああ、なるほどな。
そりゃあ恥ずかしそうにするわけだ。
「遥、行きたいなら行って来ていいぞ」
「あ、ごめんね」
そう言ってトイレに向かって走っていった。
遥が見えなくなったのを確認して委員長が僕に話しかけてくる。
「悠君、今日だよねパーティー」
「ああ」
「そのパーティーさ、私もいっていいかな?」
「え、委員長がか?」
「うん、そう」
「どうだろ、珠里」
委員長がパーティーに、かー。
僕は構わないんだけどな、色々世話になっているし。
しかしパーティーに来るとなると珠里や会長、舞花にも意見を仰がなくちゃいけない。
「私は明里が来てもいいよ」
「ホントっ? やった」
「まあ、僕もいいかな。ーーとなるとあとは会長達だな」
「大丈夫かな?」
「多分大丈夫だと思うぞ。ーーじゃあ少し待っていてくれ」
僕は珠里達から少し離れて携帯を取り出す。
電話する先はもちろん会長達だ。
ーープルルル、プルルッ、ガチャ。
「もしもし」
『もっしー、悠。どうしたの?』
「たいした用事じゃないんですけど、今日のパーティー、参加者一人増やしてもいいですか?」
『なんだそんなことか、構わないよ。一応誰か聞いておこうか』
「僕らのクラスの委員長をしている御船明里さんです」
『ああ、明里ちゃんか』
「知っているんですか?」
『一応ね。ーー明里とは家が近くてな、時々話したりする程度だけど」
「そうなんだったんですか。じゃあ切りますね、珠里達任せているんで」
『ああ、じゃあまたあとで』
ーープツッ、プー、プー。
電話が終わり、僕はもといた場所に向かって歩き出した。
ーーしかし会長が委員長のことを知ってたのは意外だったな。
「あ、悠どこにいってたの?」
場所に着くと遥が先に着いていた。
「悪い悪い、早退した会長が心配で電話してた」
「へえ、会長に電話してたんだ。ふーん」
「遥っ⁉」
何故か遥の背中から黒いオーラが漏れ出す。
心なしか声のトーンが低い。
その後僕は遥にビビりながら昼休みを過ごした。
このまえ友人にこの作品の感想を聞くと面白いけどテンプレの王道過ぎると言われて少し凹んだ春風です。
この作品もあと三話から五話で完結する予定です。
果たしてパーティーは成功するのでしょうか?
感想、評価待ってます。
ではまた。




