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32: イベント

話は悠視点に戻ります。

遥が複雑な心情でケーキを食べていたその頃、一方の悠達といえばーー。





「会長‼ コスプレ大会は必要ないです‼」

「何でだい悠? 君だって女装とかしてみたいだろう」

「そうですよ悠さん。せっかくの美形(イケメン)なのですから生かさないと」

「かっこいいって言ってくれるのは嬉しいですけどパーティーには必要無いですよね⁉ーーなあ珠里もそう思うだろ?」

「え、アリなんじゃないかな? パーティーは盛り上がってなんぼだもん。……お兄ちゃんの女装、イイかもっ」

「おい‼」


珠里、お前もか‼

ーー僕達は今、パーティーで出し物をするなら何が良いかについて論議していた。

他のケーキやプレゼントについてはすぐ話がついたのに何故かここで揉めている。


「往生際が悪いですよ悠さん。ーーどうしても嫌だと言うのなら多数決でもとりましょうか?」

「くっ、それだと僕が完全に不利じゃないですかっ」

「はい、それを理解した上で言ってますから」


ニコリと舞花さんは僕に向かって微笑む。

ーーこの時ばかりはいつも天使のように見える舞花さんの姿が悪魔に見えました。


「で、でもそれだと会長達もコスプレすることになりますよね? 恥ずかしく無いんですか?」

「ふっ、その関門はすでに突破しているのさ‼」

「はい?」


突然の訳の分からないーーしかも自信に満ち溢れたーー会長の言葉を舞花さんが補足する。


「えーとですね、実は昨年あった文化祭のコスプレ大会に出場しまして、二人で一位とニ位をとったんです」

「ーーとゆうことだ」


ーーとゆうことらしい。

まあそれなら自信を持っちゃう訳だ。

うん? そういえばーー


「ちなみに一位はどっちだったんですか?」

「そ、それはーー」

「私です」

「あ、会長負けたんですか」

「うっ‼」


会長は僕の言葉に顔を紅くして呻いた。

ーーと、思ったら全力で言い訳を始めた。


「仕方ないだろっ‼ 最後の水着審査でそ、そのーー私の胸より舞花の胸の方が大きかったんだもんっ‼」

「え、会長?」

「サーニャ、口調がおかしくなっていますよ」


そして勝手にしゃべって壊れた。

これ以上会長をいじるのもかわいそうなので、何故かさっきから一言話さない珠里の方へ顔を向ける。

するとそこにはーー


「……え、私がお兄ちゃんの前でコスプレを? 無理だって……その、胸もちっちゃいし……」

「おい、珠里ー?大丈夫か?」

「……そ、そりゃあ会長さん達はスタイルいいからさ、私のなんかロリコン限定の絶賛まな板中みたいな体型だし……」

「珠里さーん。おーい」


ブツブツと怪しい言葉を吐いている我が妹の姿があった。

いやはや恥ずかしい。

しかし、珠里をずっとこなままにしておく訳にもいかない。


「で、でも大丈夫だよね……、多分。はあ、明日から牛乳飲もうかな……?」

「おい珠里。ーーほい‼」


パンッ‼


僕は珠里の目の前で手を叩いてやる。


「はっ、お、お兄ちゃん⁉ いつからそこに⁉」

「いや少し前からだけど」

「も、もしかして聞いてた?」

「何かブツブツ言ってた奴か? いや、聞いてないけど」

「ほぅ、良かったー」


珠里がほっとした顔で胸を撫で下ろす。

ーーそんなに恥ずかしいこと言ってたのか?


「ゴホンッ」


と思えば何時の間にか復活した会長がホワイトボードの前に立っている。

そしてそのホワイトボードには『コスプレ大会 決定』と書いてあった。

ーーん、ちょとまて、何時の間に決まったんだ。


「今私が決めた」


心を読まれた⁉ 読心術?

動揺している僕のことをみながら会長は高らかに宣言した。


「コスプレ大会に決定だー‼」


はぁ、仕方ない。

我慢だ我慢。



さて、今回は遥の少ししんみりとした話から打って変わって悠視点のコメディに戻って来ました。

次も頑張ります‼


ではまた

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