23: 会場
お楽しみです
ーー会議開始から一時間後。
会議は僕の予想を遥に下回るペースで進んでいた。
理由はサプライズパーティーをやる場所が中々決まらないところにある。
「ーーサプライズでやるんですから僕達の家でやりましょうよ」
「君達の家でやると飾り付けできるのが当日だけだろう。私は生徒会室でやった方がいいと思うぞ」
「生徒会室だと遥は僕達と余り変わらない時間に会場に着きますよね。それじゃサプライズとしてだめじゃないですか」
「じゃあどうしろとーー」
「「もういい加減にして(なさい)‼」」
「「へ?」」
ずっと黙っていた舞花さん珠里が声を荒げる。
「二人とも少し落ち着きなさい」
「会長もお兄ちゃんも落ち着いて」
「む、じゃあ舞花は生徒会室と悠達の家と、どちらがいいんだい?」
「珠里はどっちの会場がいいんだよ?」
僕と会長は口を挟んできた二人に選択を委ねる。
二人は少し悩んだ後答えを出した。
「「もちろんーー」」
「ーー悠さんの家です」
「ーー生徒会室」
「「……え?」」
二人は別々の場所を指定してきた。
この後、会場を決める会議はさらに一時間延長された。
ーーとゆうわけで一時間後。
結局パーティーは僕達の家でやることに決定した。
ーーん?どうやって会長を言いくるめたかって?
それは舞花さんが僕達の家やった場合のメリットを長時間話したことで、会長が折れた結果である。
「さて、会場も決まったことだし今日はお開きとしようか」
「そうね、もう時間も遅いですし」
窓越しに外をのぞき見ると、そとはもう暗くなり、運動部の生徒達も徐々に下校を開始していた。
時計を確認すると針は七時過ぎを指している。
「じゃあ今日の生徒会はここまでだ。明日はパーティーの内容を考えるからそのつもりでな」
「分かりました。お先に失礼します」
「ーー失礼します」
「おう」
「お疲れ様でした」
会長と舞花さんの声を背に受けながら僕と珠里は生徒会室を後にした。
ーーその帰り道。
「ねえお兄ちゃん、今年のプレゼントはどうするの?」
「そういえば珠里に言ってなかったっけ、去年のプレゼントがアレ過ぎたから今年は舞花さんに相談してみようと思ってる」
「よかった、今年はお兄ちゃんがプレゼント選ぶわけじゃないんだね」
「ま、予定ではだけど」
誕生日プレゼント、その言葉に僕と珠里、そして遥にはトラウマがある。
もう思い出したくはないが。
ーートゥルルル、トゥルルル。
突然僕の携帯が鳴り出す。
携帯のディスプレイに表示された名前はーー遥だった。
「もしもし、どうした?」
『あ、もしもし悠。いつになったら帰ってくるの?』
「今帰っているところだけど」
『あ、そうなんだ。じゃ、なるべく早足で帰ってきてね。じゃないと私が晩ご飯作らなきゃならなくなるから』
「ち、ちょっと待て。早く帰るから晩ご飯は作らずに待っていてくれ」
『えー』
「頼む‼ すぐ帰るから待ってろよ、じゃきるぞ」
『はーい』
プー、プー。
プツリと遥が電話を切る。
「珠里、会話聞いてたか?」
「うんお兄ちゃん」
「じゃあ今からどうするかわかるな?」
「もちろん」
そして僕達は自宅に向かって一目散に走り出した。
ーー全ては晩ご飯を死守するために。
どうでしたか?最近感想が来ないので楽しんでもらえてるのか不安です。
とゆうわけで感想待ってます。
ではまた(腹痛に悶えながら)




