22: 始動
どうぞお楽しみください
コンコン。
「こんにちはー」
僕は生徒会室の扉をノックして入室した。
生徒会室の中にはやはりとゆうか遥以外の生徒会役員が全員揃っていた。
「遅いぞ悠。もう生徒会に飽きたのか?」
「いや、友達と話をしていたら時間が過ぎてて」
「そうか。ーーで、その友達ってのは男か?女か?」
「男ですけど」
「そうか。……よかった」
「?」
会長が最後に何かボソッと呟いたような気がしたがまあ気にするようなことでもないだろう。
それに今日は会長に話があるのだ。
「会長、お願いがあるんですけど」
「ああ、珠里から聞いているよ。遥の誕生日が近いんだって?」
「あ、珠里から聞いていたんですか。じゃか話は早いです」
「何だい?」
「遥の誕生日パーティーをしたいので、力添えして頂けますか?」
言葉と一緒に頭を下げる。
そして返答は頭を下げたのと同時に返ってきた。
「いいぞ。舞花もいいよな」
「もちろん構いませんよ」
「即答ですね」
「いやー、私も遥の誕生日が近いって聞いた時からパーティーしたいなって思ってたのさ」
「あ、そうなんですか」
どうやら会長もすぐに同じ発想をしていたらしい。
舞花さんも賛同してくれている。
ーーこれなら存外早く話が進みそうだ。
これなら存外早く計画が進みそうである。
ワクワクしている僕に向かって会長頭に? マークを浮かべながら疑問を問いかける。
「そういえば遥はどうした」
「あ……」
し、しまった‼ 遥が今日休むのを伝え忘れてたっ。
僕は慌てて遥の休むの理由をごまかしながら伝える。
「き、今日は休むって言ってました」
「む、理由は知っているのか?」
「何か友達と大切な約束をしてるらしいです」
「まさか遊びに行ってるワケないよな?」
ーーギクゥ。
会長の言葉に僕の体が反応して背中に一筋の冷たい汗が流れる。
しかし、ここは遥の為にごまかしてやろう。
「ソンナコトハナイトオモイマスヨ」
「何で棒読みなんだ?」
「ハテ、ナンコトデスカ?」
「ふんっ‼」
ーーゴスッ‼
「痛っ‼」
何故か会長のげんこつが僕の頭を襲う。
ーー何でそんなことするんだ‼ ただ棒読みでごまかしただけじゃないか。
はい、確信犯です。
「まあいい。人を疑うのもよくないしな」
「そうですよーー」
ーーギロリ
ーーひっ‼何で睨むんだよ。
「で、でも好都合じゃないですか。な、珠里」
「そうだね、お兄ちゃん」
ここで僕は会話に参加せず、一人でお茶を飲んでいた珠里に話しかける。
ーーちなみに舞花さんは言葉をあまり発していないものの、ずっと会長の後ろにたって話を聞いている。
「何でだ、悠?」
「どうしてですか悠さん?」
「それはーー」
「サプライズパーティーにする予定だからだよっ」
「珠里、僕の台詞奪うなよ」
「てへへ」
珠里は舌を出して可愛くあやまってくる。
あ、可愛いって言っても小動物的な可愛さだよ。
「なるほど、それなら確かに都合がいいですね」
「確かにな」
「じょ、始めましょうか。話し合い」
こうしてパーティーの話し合いが始まった。
僕の予想だとすぐ決まりそうだけど。
さあ、次回から生徒会のメンバーがパーティーの準備に向かって動き出します。
そしてかなり長くなりそうです。
ではまた。




