21: 幸運
週間ユニークユーザーの数が二倍になった(驚)
ーー放課後。
教室で僕はカバンに教科書を詰め込みながら新しくできた友人の山田昌紀と話していた。
「いいよなー悠は、美少女に囲まれていて。しかも悠自身イケメンときやがった」
「だから僕はイケメンじゃないってーのっ、何回言えば分かるんだ」
「へいへい、分かりましたよ。ーーでもさ、やっぱ羨ましいぜお前。いつも美少女二人と屋根の下にいられんだぜ」
昌紀にとって、僕の今の環境は羨ましいらしい。
そりゃ僕自身周りには恵まれていると思うけど、羨む対象になるほどなのか?
「美少女二人たって、幼馴染と妹だぜ。もう見慣れ過ぎてるよ」
「それは飽きてるってことか?」
「少し違うと思う。あ、でも遥のことを可愛いってあまり思わなくなったかも」
「誰が可愛いくないのかな?」
「悠っ、う、後ろっ‼」
「え?」
僕が後ろを振り返ると遥が立っていた。
ーー後ろに黒いオーラを発しながら。
「悠は私のこと可愛くないんだ……」
ーーゾワリ。
な、何だっ⁉ 遥の言葉を聞いた途端鳥肌が立ったぞ⁉
身の危険わ感じた僕は遥をなぐさめにかかる。
「か、可愛いよっ」
「本当に?」
「本当だよっ、昔からずっと」
「そう?照れちゃうなー」
僕の言葉に遥が照れて顔を紅くする。
後ろにあった黒いオーラもなくなったので大丈夫だろう。
「言葉には気を付けろよお前」
昌紀が僕の耳元で呟く。
「分かった」
「うむ」
僕達の話に遥は気付いてないようで普通に話を続ける。
「悠ー、生徒会室に行かなくていいの?」
「え? ああ、そうだな」
「もう行くのか?」
「おう、また明日な」
「そっかまた明日」
遥の催促の言葉で僕は昌紀と別れ遥と二人で廊下にでた。
そういえば今日、生徒会室で遥の誕生日パーティーについて話し合おうと思ってたんだっけ。
うーん、だとしたら遥には悪いけどあまり生徒会室に居て欲しくないな。
うん? そういえばーー
「珠里の姿が無いけどどうしたんだ?」
そう、珠里の姿が無い。
いつもなら珠里も一緒に生徒会室に行くのに。
「珠里なら悠と昌紀君の話が長いから先に生徒会室に行っちゃったよ」
「そうなのか。ーーってゆうか僕そんなに長時間話してたか?」
「うん、三十分くらい話してたよ」
「確かに長いな」
僕が予想してた以上に時間が経っていたらしい。
そりゃ、珠里も先に行っちゃうわけだ。
「うん? 何で遥は生徒会室に行かずに僕のことを待っていてくれたんだ?」
「あ、そうだ。忘れてた」
「何を忘れてたんだ?」
文脈が成り立ってないが今の僕の言葉で遥は何かを思い出したようだ。
「あのね、今日委員長が買い物に誘って来たんだけど、私生徒会のこと忘れて行くって言っちゃって」
「じゃあ、今日は生徒会に来ないってことか?」
「うん、ゴメンね」
「何で謝るんだよ。会長には僕から伝えておくよ」
「ありがとう、七時までには家に帰って来るから」
「分かった、楽しんでこいよ」
僕の言葉を聞いて遥は玄関まで走って行った。
そして遥が廊下から完全に見えなくなった時。
「よっしゃぁぁあっ‼」
僕は廊下でガッツポーズをしていた。
ーーこれで、遥を気にせずにパーティーについて話し合える!
しかし悠は気付いていなかった、悠の遥がいなくなったことで上げた声が遥の耳に届き、遥に精神的にダメージを与えていたことに。
この作品は電撃大賞に応募するつもりで書いているのですが、投稿用に改稿していたら直す箇所が多くて大変です。
感想わ評価をもらえると嬉しいです。
ではまた。




