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僕の周りの人が愉快すぎて困る  作者: 春風桜花
学園生活開始の編
20/43

19:もう一つの表情

アクセス解析を三日振りにみたらすごいことになってた月曜日。

昼休み、僕は生徒会室で会長を問い詰めていた。

何を問い詰めるかって?

そんなのは今朝の発言以外あり得ないだろ。


「で、会長。どうゆうことなんですか。僕が副会長だって?」

「だから言っただろ悠。私は君に興味がある。もう好きになっちゃいそうな程にね」

「それじゃ説明になってないです」


今回だけは会長の言葉に流される訳にはいかない。

あと、何で遥と珠里は会長の言葉を聞いて僕を睨んで来るんだよ。


「それに舞花さんは副会長じゃないのですか?」

「え、私そんなこと言ったか?」

「悠さん。私は副会長じゃなくて書記ですよ」

「え?」


ーーな、何だって‼

か、完全に舞花さんの立ち位置から副会長だと思っていたのに。


「つまり、この部に副会長はいないのさ。理解したなら副会長になることを認めろ」

「それは嫌です」

「む、何でだい?」

「だって副会長じゃ権限が中途半端じゃないですか」


だってそうだろ。

中学の時も生徒会に属していたけど、副会長は提案はできても決定権がなかった。

それでは役職につく意味が無いじゃないか。


「あははははっ‼ーーククッ」

「何ですか会長、急に笑だしたり何かして」


僕の返答が面白かったのか会長は大笑いした。

まったく、こっちは真面目だっていうのに。


「笑ったのは悪かった。だが悠、その言葉は会長以外は意味がないって言っているのと同じじゃないか」

「あっ」


会長の言葉につい僕は声をあげる。

確かにそうかもしれない。副会長の権限で足りないのなら残るのは会長の権限だけだ。


「ならさ、私から奪いとればいいじゃないか、会長の座を」

「え?」

「だからさ、中途半端が嫌なら私から会長の肩書きを奪い取れ、って言っているんだよ」


僕は会長が何を言っているのか一瞬わからなくなった。

だが少しずつ僕の中に染み込んでくる。

そして少しだけもう一つの表情が僕の中から出てくる。


「そうですね。もし()の気に食わないことがあったらそうさせていただきますよ」


あまり意識してないが口調も変わっているだろう。

だが次の会長の言葉は予想外でもう一つの表情を再び隠させた。


「俺、か。やはり面白いね、悠。いつか相対する日が来ると考えただけでゾクゾクしてくるよ」

「会長何を言ってるんですか……」


僕は会長の言葉に突っ込む。

しかし、何故だろうか。会長が言葉を発した途端ーーゾクリ、と背中に悪寒が走ったのだ。

だが会長の表情には変化はない。


「で、副会長になること依存はあるかい?」

「そうですね、会長権限を奪うのもおもしろそうですし……。はい、それまでは副会長で納得することにしますよ」

「ふふっ、君ならそう言うと期待していたよ」


会長は愉快そうにーーそしてまるで好敵手を見つけたかのように笑う。

だからこそ僕、いや俺はこういった。


「ああ、期待に答えられるように全力の潰し合いを計画しときますよ」

「楽しみに待っているよ」


こうして僕は副会長になることを了承した。

会長の愉快な笑い声を聞きながら。













どうでしたか? 楽しんでいただけましたか?

今回は少し短いお話でしたが大切な話でもあります。

感想、評価くれたら嬉しいです。


ではまた。

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