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僕の周りの人が愉快すぎて困る  作者: 春風桜花
学園生活開始の編
18/43

17: 事件その二?

いやー、前回に続きテンプレ展開のお話となります。

ーー午前五時。


リビングには気持ちのいい日差しが差し込んでいた。

僕は少し得した気分で目を開ける。


「あれ、何でリビングで寝たんだっけ?」


ーーああそうか。昨日は疲れて寝てしまったのか。

昨日の出来事を寝ぼけた頭で思い出す。

ーーとりあえず顔を洗わないと。

そう思った時ーー


「すぅ……。う、ん……」


耳元に吐息がかかり僕はギョッとして後ろを振り返る。

ーーするとそこには遥の寝顔があった。とても近い距離に。


「うわっ‼何で遥がっ」


ーードンッ‼


僕は間近にあった遥の寝顔から離れようと後ろに飛びのく。

ーーが、後ろにあったソファに弾かれ遥に向かって飛び込む。

ってゆうかこの角度で遥に突っ込んだら……。

あはは、何故だろ、周りの風景がスローモーションに見えるよ。


ーーポフン。


今僕の顔と手は見事に遥の胸に飛び込んでいた。

しかも遥が僕の背中に腕を回してくる。

ヤバイ、動けない。


ーーガチャリ。


そんなときリビングの扉が開く音がする。

こんな状態だから見えないが入って来たのは珠里だろう。

ーーこんなとこ見られたら殺される‼


「おはよ……ぅ」


僕は戦慄するが相変わらず遥がガッチリホールドしているので抜け出せない。

珠里が絶句してフリーズしているのが空気で伝わる。


「じゅ、珠里。そこで立ってないで助けてくれ」

「お、お兄ちゃん、起きてたの?」

「ああ、だから早く……」

「う、うん」


しかしずっと固まっていてもらっていても困るので。

珠里に助けを求める。

そして珠里が僕のことを助けだそうと遥の腕をどかすが、他人に触られたことに反応したのか遥の目が開く。


「ん……」

「お、おはよう。遥……」

「おはよ……え?」


遥が目の前にある僕の顔を見てポカンとしている。

ーーああ、ヤバイ。終わった。

僕の背中を冷や汗がジワリと湿らせ、珠里の頬を一粒流れて行く。

そして遥の目が見開かれ口がゆっくりと開いていくーー


「おい遥っ、やめーー」


僕は遥の口を抑えにかかるが間に合わずにーー


「きゃあぁぁぁぁぁっ‼」


ーーバチィィィィン


悲鳴が近所に響き渡り、僕の頬が遥にはたかれる。

ーーしかも遥の力で床にも叩きつけられ目の前で火花が散る。


「うっ……」


僕は薄れゆく意識の中で、申し訳なさそうな珠里の顔に既視感(デジャヴ)を覚えていた。




ーー午前六時。


意識を取り戻した僕はソファの上で遥に湿布を貼ってもらっていた。

昨日と反対の頬を、である。

つまり今僕の両頬に湿布が貼ってあることになる。

紅い手形と共に。


「本当ゴメン。昨日といい今日といい。でも悠も悪いんだよ?」

「何で疑問形?でもまあ、いいよ。気にしてないから」

「ありがと」


どうやら遥はあの後珠里にことの(てんまつ)を聞かされたらしく、僕が起きてから「ゴメン」を繰り返していた。

ーー涙目で。


「遥、ありがとな。湿布貼ってくれて」

「ううん。私が悪いんだもの」

「じゃ、時間も押しているし手当てはこれくらいでいいよ」


正直もう着替え終わっている二人とは違い僕は着替えてもないので時間がヤバイ。


「本当に大丈夫?」

「大丈夫だって」


心配する遥に感謝を伝え自分の部屋行き僕は着替え始めた。


ーー六時時三十分。


朝食以外の準備を終えた僕は、二人と一緒に玄関にいた。


「お兄ちゃん朝ご飯どうするの?」

「行く途中に買ってく」

「ゴメン、私のせいで」

「だからそれはもういいって」


靴を履き終えた僕達は家の外にでる。


「「「いってきまーす‼」」」


そして誰も居ない家に向かってあいさつをした。

ーーこの顔見られたら会長に笑われるだろうな。



















前回のお話では年内にあと二回投稿したいと書いていましたが、実現できなさそうです。

「僕の周り」を読んでくれた皆様、今年はありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。


ではまた(来年の心配をしながら)

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