14: 入会の理由
果たして遥と珠里は生徒会に入ることは出来るのかーー?
「「生徒会に入れて下さい」」
二人のその台詞を前に会長の口の端が釣り上がる。
ーーまあ、会長のことだから予想していたんだろうけど。
そして会長ならこう言うだろう
「「やだ」」
ーーって。
ちなみに会長に声を重ねたのは僕だ。
「ですよね、会長」
「よく分かったな悠」
ーーあんたの性格が極端すぎるだけだ。
しかしこの台詞に反応する人物は存在する。
「なんでダメなんですか⁉」
「お兄ちゃんは入れましたよね?」
遥と珠里だ。
まあ、会長のことだから最後には入れてやるのだろうけどね。
だってこの人さっきから二人のことからかっているだけなんだから。
「悠は私が誘っていれたんだ。気に入ったからね。でも君達は違うだろう?」
「それでもーー」
遥が何かを会長に向かって言おうとするが会長の手に遮られる。
そして少し間を置いてから、
「だか、私も鬼じゃない。君達の生徒会にに入会したい理由によっては許可しよう」
ーーチャンスを二人に与える。
ーーまあ、この台詞もからかうための一言なのだろうけど。
少し間を置いてから次は遥が話し出した。
「この学園を中から変えて、良い学園にしようと考えたからです」
「まったく知らないこの学園をかい?」
「知らない学園だからこそ自分の都合の良い学園に変えようとするのはおかしいですか?」
さすが遥だ、口がよく回る。
しかし、こんな嘘が会長に通用する訳もない。
「よく口が回るな遥は。しかし私が聞きたいのはそんな安っぽい台詞じゃない」
「くっ」
遥がうめき声を上げる。
図星だったのだろう。
「じゃあ、質問の形を変えよう。君達がそんなに必死になるのはなんのためだ?」
「そ、それはっ‼」
「っ‼」
何故か遥と珠里の頬が少し赤く染まる。
そこに会長はさらなる追い討ちをかける。
「これは私の勝手な予想だが、おそらく君達は悠のことを私に取られるとーー」
「「キャーキャー‼や、やめて下さいっ‼」」
二人が大声を上げて会長の言葉を遮る。
顔は茹でダコみたいに真っ赤になっている。
しかし、二人の反応を見ると図星だったのだろう。
会長が意地悪そうにニヤついている。
「なるほどね、まあ二人共入会させてあげるよ。秘密をバラした私から償いだ」
「会長、始めからそうするつもりだったんですよね」
「さあて、何のことだかね」
ともあれこの会話を聞いた二人の顔が明るくなったのは言うまでもない。
「とゆうことは会長」
「会長さん」
「ああ、我々生徒会は遥と珠里の入会を正式に認める」
「「やったー‼」」
喜んでいる二人に僕と舞花さんは声をかける。
「ま、改めてよろしくな二人共」
「よろしくお願いしますね。遥さん、珠里さん」
「「はいっ」」
こうして二人の入会が決まった。
ーーしかしこれだけキャラが濃い面子が集まったら何か問題が起きそうだな。
思い過ごしならいいけど。
「そんな訳ないだろう、悠」
なんで僕の考えてること分かるんだよ‼
きずけばもう14話です。時間が過ぎるのは早いですね。もう書き始めてから一ヶ月以上経っていますし。
これからも面白い作品を届けられたら嬉しいです。
ではまた。(ベッドの上で想像を膨らませながら)




