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02

初投稿から、漸くひと月経ちました。

拙い文章ですが、読んで下さって本当にありがとうございますm(__)m

これからも頑張ります!


「…また、キツいのを付けられたものね。」



漸く…といっても二日ぶりですが、会う事がかなったお二人は、私付きの護衛武官ことイオリ・ユウキと私のやり取りを見て、呆気にとられていた。


……これが護衛武官の標準仕様だと思っていた私としても、衝撃の事実でしたよ。



イオリ……あ、敬称はつけるなと言われましたので呼び捨てです。せめて『さん』をつけさせて下さいとの攻防戦でかなりの時間を食いました。…結果はご覧の通りです。



イオリは、私をお姫様の様に扱います。


段差があれば前にまわり、『お手を』とニッコリと笑み、東屋の椅子に座ろうとすれば、『お待ちを』といってハンカチを敷く。何処の貴公子ですか。


一々やる事が一昔前の少女漫画です。水溜まりでもあろうものなら、抱えあげられそうで怖い。



でも、これがお仕事なら仕方ありませんよね…と、精神的疲労を感じつつも我慢していると、アヤネ様とシャロン様の護衛の方は、凄く普通だった。



少し離れた場所で、辺りを警戒している様は、私の思い描く護衛武官そのもの。

護衛対象には必要以上には接触しておりません。ましてや恋人の様に過保護に愛でまくるなんて事は、絶対しない。



といいますか、イオリが普通では無いのだと、流石の私も気付きました。



遠い目をする私を、アヤネ様は哀れむ様に眺め、よしよしと頭を撫でてくれた。



「……でもあの人、腕は確かだから。我慢しなさい。」


「…知ってるのですか?」



キョトンと目を瞠る私に、アヤネ様は苦笑を浮かべながら頷く。



「有名よ。男よりも男らしい女性武官。剣の腕も女の扱い方も、並の男じゃ太刀打ち出来ないイオリ・ユウキ。」


「…………………。」



凄い方なのですね…色んな意味で。



「…ですが、そんなお強い方ならば、私ではなく他の方の護衛をなさった方がいいのでは?」



エイリ家の侍女が目撃したという侵入者は、ルリカ様のお部屋の近くにいたらしい。


ならば、ルリカ様が狙われているのかもしれませんし…私よりルリカ様の護衛が適任かと思います。



「彼女にも腕の立つ護衛がついているでしょうから、大丈夫よ。…私的にも、危なっかしい貴方に、彼女が付いてくれると安心できるわ。」



そう言いながら、もう一度髪を梳く様に撫でるアヤネ様の手に、うっとりと目を細めると、何故か羨ましそうな顔のシャロン様と目が合った。



…もしや撫でて欲しいのでしょうか。…なんて愛らしい…!!


アヤネ様に撫でられるシャロン様……良い。

倒錯的な魅力があります。



「…?」



頭を撫でてくれていたアヤネ様の手を外す。不思議そうな顔付きのアヤネ様には答えず、シャロン様を手招きする。



「どうぞ。」


そう言って笑むと、シャロン様はパアッと顔を輝かせた。



そんなに撫でて欲しかったなんて、可愛らしい…!!思う存分撫でていただくといいですよ!



……………あら?



輝く様な笑顔で、私に向かい身を乗り出したシャロン様は、何故か私の頭を撫で始めた。



…………えっと、


撫でられたかった訳では無く、撫でたかったのですか…もしや。



少し複雑な気分になりましたが、ニコニコ笑いながら私の頭を撫でるシャロン様と、それを面白そうに眺めるアヤネ様を見ていたら、どうでもよくなりました。



お二人といると、ホンワリと胸が暖かくなるのです。



…辛い事があっても、頑張ろうって、思えるのです。



.

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