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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

アーサー

作者: おかピー
掲載日:2026/03/31

―地球―20XX年―

“それは過去か、未来か、現在か、いつなのかわからない。だがそれは確かにこの地で起こった。それをしっかりと私たちは捉えてなくてはならない。”


今までのことは何だったのか、あの日見たゲーム、あの日の公園、そんな小さな幸せは、シャボン玉が必ず割れるようにいつかは消えて、何度繰り返し、空に向けて飛ばしても結局割れてなくなる。そんな繰り返される絶望が、生き残ったわずかな人の中で生まれつつあった。宇宙人がやってきて、ほとんどの国は壊滅、攻撃をしようにも武器そのものを壊され、町なんてなくなってしまった。


―20XX年10月6日午前4:56―

「はぁ、はぁ、はぁ...」

一人の少女は走る。否、もう一人が後を追うように走る。

「って!・・まってよ!」

「待てない!いいから早く来て!私も死にたくない!」

とうに足は限界でなぜ足が動けているのかわからない。・・でも動かして逃げている。

走る。走る。おぞましい化け物から逃げるために。

「もう!なんでついてくるの!私、まだ死にたくない!!」

後ろの少女―道田美希はそう叫ぶ

「私も!でもとにかく走れ!」

羽根野紗那はそうしゃべる。

「「でも…もう限界」」

足を動かそうにも足は動かない。足が痙攣して動かないのだ。とうに1時間も全力で走っていた。

「ねえぇぇえぇくぇhg笛へrえwkごいえwjh?mんばがbbfばああああああああああfhjああか??」

化け物の恐ろしい言葉が、確かな恐怖で二人を包む。何もできない孤独感、悲壮感が二人をさらに絶望へと駆り立てていく。

「ぅぁ.あ…」

言葉にもならない声を出したとき、化け物は、姿を消した。

「大丈夫なのー?」

その言葉が聞こえたか聞こえてないかの定かで、二人の意識が途絶えた。


―10月6日午後1時30分―

目を覚ますと、見慣れない天井が目についた。白い、清潔感に満ちた病院ではなく、薄汚く、錆のにおいがして野戦病院と言っても過言ではなかった。

「ここは...」

美希は少し頭痛がし、頭を抱えながらあたりをみまわす。

それに反応したのか人が来た。

「大丈夫なのー?診たときにーすごーく足が痙攣しててーでもー一応処置はしたからーイケてるんだとはー思うんだけど―」

と男はあけっらかんにいう。すこし撥ねた髪、白衣をきたその男は子供のような言葉でしゃべる。

「う、うん。大丈夫。治してくれたの?」

すこしの戸惑いを感じつつも美希は言う。まだ紗那は眠っているようだ。

「直したって言ってもーシップを貼っただけだけどねー」

あははー、と笑いながらしゃべる。

「そうなんだ。でも助けてくれてありがとう!」

美希がそう伝えると、男は嬉しそうに、

「えへへーどういたしましてー」

と頭を掻きながらしゃべった。

「えっと、あなたの名前は?」

「僕の名前は二宮准!じゅんってよんでねー」

准は手を出しながらそういう。美希はその手と握手するように手を出しながら、

「私の名前は美希!よろしくね!じゅん!」

と笑顔で答える。

「よろしくねーみきー」

と笑顔で話しながら、

「なんだか僕、君となら仲良くなれそうだなー」

「私も!」

と二人は笑いながらしゃべる。美希はここについての説明を聞いていないことに気づいて

「えっと、質問ばっかりで申し訳ないんだけれど、ここはいったいどこなの?」

「あーそれはねーここは、」

准が答えようとしたとき、バサッと布団が捲れた音がした。

「んっ。ここどこ?」

まだ眠そうな瞼をこすりながら紗那は言った。

「紗那!起きたんだ!」

美希は紗那が起きて安心したのか性格が変わったように抱きつきにいく。だが紗那はその美希の頭をドンと強い力でたたいた。

「いたっ!」

頭を抱えて痛そうにそうわめく。

「なに?きもい、邪魔、だきつこうとすんな、カス、ごみ。」

「ひどい!なんでそんなこというの!」

と美希は辛辣な目で自分を見ている紗那をみながら悲しそうに言う。

「はぁ?どう考えても先に抱き着こうとしたお前が悪いだろ!大体ここもいったいどこ!やっと寝れたのに美希のせいで寝起き最悪なんですけど!」

と怒りながら美希のことを見る。

「ちょっと抱き着こうとしただけじゃん!そんなおこんないでよー!」

美希はふてくされながら反論する。すると紗那は髪をかきながら、

「わーった、わかったって、おめーも一回私にやったことあるだろ。これでお相子。いいな?」とニカッと笑いながら美希の頭をなでる。

「あのーもうそろそろー僕も話してもいいかなー?」

と小さく手を挙げながら准は告げた。紗那と准の目が合う。

「・・・」

「・・・」

「いぃぃいぃぃやぁぁぁー!」

と紗那が奇声を上げ、バサッと布団で自分を覆い布団の中に入り込んでしまった。

「ほかに人が…いるよ…ほかに人がいたよ…恥ずかしいよ…」

と小さな声でぶつぶつしゃべる。

「えっとーぼくーなんかしちゃった?」

少し苦笑いしながら准は言う。美希は頭を笑いながら

「大丈夫だよ!こいつ私とか仲のいいあいてならこんな感じなんだけど、他人ってなると信じられないくらいのコミュ障になるんだよね」

美希は紗那を布団から出すために布団をめくりあげる。

「ほら!出てきて!挨拶は仲良くなるためのコミュニケーションだよ。それと宇宙人から助けてもらったでしょ!さっさと出てきて!」

「助けてもらったなんて知らないし…」

紗那は顔を横に向けながらそういう。

「いいから!」

准の前に立たそうとすると紗那はすぐさま美希の後ろに隠れる。

「うぅ...」

紗那は美希の体に隠れようとする。准は気まずそうに笑う。

「あいさつ!」

美希がにらむと紗那は顔を真っ赤にし恥ずかしそうに

「あの…その…いろいろ知らないっすけど助けてくれてありがとうございます、それと…おはようございます…」

たったそれだけの言葉を長い時間をかけながら言うと、准は笑顔で

「よろしくねーぼくは准!大学四年生だよー!おはようって言ってももう1時だけどねーあははー」

と冗談交じりにしゃべる。

ただ紗那それが効いたのか赤かった顔がさらに赤くなり、また布団に入り込んでしまった。

「はいはい、でてきてよ」

「やだ」

「じゃあ、後ででいいから」

「やったーありがと!」

と布団から出てくるか細い声に返事しながら美希は本題に戻ろうと順に言葉をかける。

「じゅんー結局ここはどこなの?」

「えっとねー、かいから二人とも起きたらこっちに来てって言われてるんだよねー。だからー『後で』って今でもいいかなー?」

と少し面白そうに美希らに尋ねる。美希らは

「もちろん!」「いやだー」


―2時14分

「結局ここどこなのか言われたかったね。」

そう紗那にしゃべりながら歩いてると

「確かにな。まあ行ったらさすがに説明されるっしょ。じゃなきゃ行く意味が分かんねーもん」

そういいながら美希の方をみると、美希は紗那の方をじっと見ている。

「な、なに?なんか変なもんでもくっついてる?」と戸惑いながら訪ねると

「いや、そういうわけじゃないんだけどさ、やっぱり紗那って、仲いい人以外全然しゃべれないよね」

笑いながら言うと、

「あ?全然かわらねぇだろ」

と平然と言うので美希は慌てて

「いや、全然違うからね!?ほかの人としゃべるときほんっとにか弱いし」

「いや、お前もたいがいだろ!?」

「そんなことない!」

と話していると、指示されていた扉の前までに来た。来るまでの廊下は少しぼろいというのが正直な感想だ。ただ、違和感があった。それは、窓がなかったことだ。病室にも、この廊下にも窓がなかった。それに異様に天井が高い。まるで地下のデパートにいるような気分だ。一体ここはどこだというのだろうか。

「あっという間についちゃったね」

紗那にいうと

「あぁ。どうなってるかな。」

「それじゃ、いこっか」

ゆっくりと扉を開ける。扉から音は出ず、自分たちの呼吸音だけが響く。

「お、きたみたいだね」

扉を開けた先には、男が三人いた。部屋は質素な雰囲気だ。壁は暖色で、真ん中には大きなテーブルが置いてある。その上には紙が乱雑に置かれている。まわりにたくさんのYOGIZO。

「わーお、人がいるね」

「...いるな」

美希と紗那は少し驚いて男たちを見る。1人目はさっき見た准。こちらに手を振っている。

もう一人はさっき話しかけてきた人。黒髪で、あまりプレッシャーを感じさせないけど、その奥底に炎を感じる目をしている。その奥にいる人がこの中で最もごつい体をしている。髪は茶髪で体をしっかりと仕上げている。身長は黒髪のこと同じくらいで、いかにもバトル系!って感じがしている。美希は腕に手を顎にかけて考えた。

(今まで人はなかなか見ることができなかった。それは、政府によって保護、もしくは宇宙人の手で殺されてしまったから。だけど、人を見ないほとんどの原因は政府の保護。死亡するのは全体で二割程度。政府の保護の目的は、人類の断絶を防ぐため。FARMと呼ばれる大規模な核対策シェルターに入りそこで、それぞれが役割分担をし、生活を行っている。一般的に保護は無料で行われるけど強制力はない。でも、ほとんどは安全のために入る。でも、ごく一部の人は入居を拒否する者がいる。それは、自由で生きたいから。FARMはたしかに安全した施設だ。ただ、一部で過酷な重労働があると噂になっている。それを聞いた人たちが入居を拒否し、自分の家で最期を終えようとしている。でも、この人たちは違う。まるで何かに抗うような、そんな気配が部屋からする。)

ひとりの男は手を大きく広げながら

「ようこそ!アーサーへ!僕の名前はかいと!ここめっちゃ汚いけど許して!」

それに対して美希が言う

「よろしく!私の名前は美希。もう准におしえてもらってるかもしれないけど。」

するとかいとが手を出しながら言う。

「どっちがどっちかわからなかったから、教えてもらってうれしいよ!よろしくね、美希。」

二人は拍手をすると、その美希の後ろにいる紗那に注目が行く。

「えっとねー紗那はねーすごーくシャイなんだよねー」

准が簡単に紗那について説明する。

「べつに…シャイじゃないし…しゃべらなくてもいいかなって思っただけだし…」

美希はそんなもうすでに億劫になっている紗那をみて、

「やっぱり、全然性格違うじゃん。」と、ぼそり。

「みき…なんかいった?」

「別になんも言ってない」

とぼそぼそしゃべっていると奥にいる男が手を挙げた。

「俺の名は翔。よろしく」

美希は慌てて

「こちらこそ!よろしく。それでここはいったいどこなの?」

翔は指をさしながら

「それについては、かいが話す。」

かいとを見ると、待っていました!っと言わんばかりの笑顔で言う。

「ここはアーサー!宇宙人対策本部、僕たちで宇宙人から地球を取りもどす!ための場所!」

「宇宙人対策本部って言っても、俺らしか人はいないけどな」

と翔が補足する。美希は驚きながらしゃべる。

「宇宙人対策本部…宇宙人を倒すの?」

かいとは満面の笑みでうなずく。

「うそ…政府に頼めばいいんじゃないの?」

かいとは少し頭をかきながら

「それはそうなんだけど、政府たちも準備とかいろいろしてるじゃん?それで俺たちもどうせなら政府が作ったシェルターで生きるより、自分たちの手で!世界を守りたい。そのためにここを作った!」

「自分たちの手で…世界を守る?」

馬鹿にしたような、あっけにとられたようなそんな声で美希はしゃべる。もちろん、美希たちにもそのような考えがなかったわけじゃない。ただ、あまりにも立ち向かうには酷すぎた。

相手の特性、特徴、生態的弱点、総勢何人いるのか、いつどこで出現しているのか、どの地方に今はいるのか、宇宙船の内部のこと、彼らは何足歩行なのかすらわからないままだ。それなのに立ち向かおうだなんて不可能にも近かった。だから、私と純那は反撃をやめて今は二人で逃げながらの生活を送っている。それなのに、今この人たちは、倒そうとしている。それがとんでもなくあり得なく、とんでもなく興味をそそられる内容だった。かいとは少し困ったように話す。

「そう、俺たちの手でこの国を、世界を守る。だけど…今は人数不足で何も行動できないんだよね。だから…」

「だから?」

少し食い気味でそう美希は問う。かいとは息を少し吸い込み、確かな気迫を持ちながら言う。

「だから、君たちに俺たちのチームに入ってもらいたい。俺たちのチーム、アーサーに。」

彼の言葉には力があった。人を信じさせる力。それはリーダーをするうえで最も持ちたい力。その力に二人はあてられた。

美希と純那はお互いに顔見合わせる。その顔の表情は二人ともとても似ていた。ほんの少しの不安と大部分を占める大きな楽しみ、期待、そんな考えが二人の頭の中でぐるぐるとめぐっている。この人たちとなら宇宙船を撃退できるかもしれない。宇宙人を追いやることができるかもしれない。何も根拠なんてないけど、そう信じてしまうような言霊だった。

もはやいやだ、なんて言って断るなんてことはもう頭の中にはなかった。

「「お願いします」」

その声がかいとの耳に届いたとき、安心したように嬉しそうに、翔は告げた。ありがとう、と。




「じゃあ、これでアーサーは5人になるな」

二人の加盟を聞いたのちに翔が話す。相槌を打ちながらかいとは

「いやぁ、ほんとによかったよ。この三人で全部を回してたからもう正直てんやわんやで。これで役割分担できる!」

大げさに体を動かして「忙しかった」、と表現をしながら言う。

「役割…?」

美希は不思議に思いながらかいとにそう尋ねる。

「んっとね、今まで三人しかアーサーはいなかったって言ったでしょ。だから、洗濯とか料理とか情報収集とか、そういうの三人で役割決めたんだけど、その役割の量がめっちゃ多くて!毎日疲労困憊だったんだよ」

「なるほど…」

「まあ、忙しいって言ってもー肉体的に僕と翔の方が忙しいんだけどねー」

「それまたどうして?」

「僕の担当が、医療と家の衛生担当、まあいわゆる家事雑用。あと人命救助の3つ。そして翔が、」

「俺は戦闘、食料収集、それとここの防衛担当だ。」

「それで、かいとは?」

美希が聞く。かいとは

「俺は情報収集担当!ホワイトなハッカーだよん。政府の情報で宇宙人について政府が得ている情報や最新のことを盗み聞いてる。宇宙人の攻撃作戦とかもでていないかとかもかくにんしてて、それと監視カメラの確認だね。人とか宇宙人がきたりしたら翔に報告して退治か救助してもらう。まあ、他の人と違って俺の役割ってあんまり運動はしないんだよね」

あーなるほど、と美希は相槌を打つ。情報、戦闘、医療、この三つを各々が負担しながらいままで生きてきたわけだ。特に情報は大いに役立っているのだろう。政府からの情報は命綱でもあるし、圧倒的な信頼度を誇る。わざわざデマを政府間で交流する意味もないし、仮に傍受されていても、それが地球上にいるものからの傍受だとわかれば放置のままだろう、聞かれても何ら問題がないのだから。そんなことを考えていると、不意に肩が揺れた。

「ねえ、結局ここどこなの?」

そう背中にいる紗那が美希に聞いた。美希はアッと思い出したように顔を上げかいとに聞く。

「あのさ、ここってどこなの?」

「あぁ、ここ?ここはデパートの地下部分。ここなら広いし、食料もあるかなって思って。それに椅子に机もあるし。一応一階とか二階にいけば寝具とかもあるよ、ここら一体はフェンスで囲んであるし安全だからね」

やはり地下デパートだった。地下は一般的に強固に作られていて、非常口もさまざまなところにあるから確かに安全かもしれない。フェンスで囲まれているのならそれは安全以外何物でもないのだろう。そっと胸をなでおろす。

「そっか。私たちは何をしたらいいの?」

先ほど言っていた役割のことについて話を戻す。

「うーんそだなーまず料理でしょ。それと家事を准と共同で作業するって感じにして、それくらいかな?どう、翔?」

「構わん。ただ、戦闘訓練を受け防衛もできるようにしてもらう。」

「ありゃりゃ、大変そう。まあそういうことで!」

大きく手を振り上げグッドと全身で表現するかいと。そして一人がもの申し訳なさそうに手を挙げる。美希だ。

「あの…私、料理できないんだけれど」

「あららじゃあ基本准と家事だね。」

「私、家事すらも全然だけれどいい?」

「まったくもって大丈夫!みんな最初は下手だからね」

となりで准が一緒にがんばろーねと手を振って合図する。

「私、料理できるから任せろ」

後ろからそんな言葉と鼻息が聞こえた。

「料理は頼んだ。食料がもったいない」

グッジョブと頼みの声を交えて後ろに声をかける。

「えっと、訓練とかそういうのは明日からかな。今日はもう寝といてー。部屋はあっち!」

「はーい、おやすみー」

「明日起きたら外へ来い。」

翔の言葉に軽くうなずきながら部屋を去り、言われた通りの部屋に向かった。部屋は簡素でベッドと机。それとYOGIZO。どこにでもあるYOGIZO。このデパートにこの店があったのだろう。二つもある。

「はあ、これは本当に人をだめにするクッションだ」

早速抱き着いていている紗那。YOGIZOに抱きたい気持ちを抑えてベッドへダイブする。

「はあ、なんか疲れた。」

「つっても、今日はほとんど寝てただけだろ。」

「そうだけど、色々あったじゃん」

「まあな」

紗那がそっと手を出す。意味が理解できずに美希の頭からはてなが突き出る。

ぼそっと

「明日からがんばろーな」

友達はいいなって改めて思った。そばにいて安心できる。多分、紗那がいなければ私は冷静に行動できないんだよ。紗那がいるからさ、考えることができるんだ。紗那の前だけさ、ふざけられるんだよ。ずっとずっとずっと、君がそばにいることを夢見てる。

紗那が..紗那が.紗那が紗那が、~~~を今でもこれから願ってる。

だから顔を赤らめて、目をそらしてる紗那にむかって言うんだ。元気に!

「一緒にがんばろーね!」


――翌日

「おはよ」

「ん、おはよ」

6時、起床。この時間におきろと言われたわけじゃないけど、いつもそうだったから体に染みついてる。水を飲んで、外へ向かう。

「訓練かー、何すんだろな」

「まあ、なんだろ、わかんないや」

「訓練ってわけじゃないけど、練習はいっぱいしたよな。高校の時。」

二人は同じ高校の陸上部であった。紗那が長距離、美希が短距離。練習する科目は違えど、同じグラウンドを使う上で会話はよく行われた。

「したねー、あれから一年か…え、一年?」

紗那は自分でいいながらも驚く。宇宙人が来てから一年たったのだと。宇宙船が来たことは今でもよく覚えている。あの夏、大会前の練習だった。何にもない外で上を見上げた時に、空が見えない時があったのだろうか。周りに木なんてなく晴れの日に。そんなこと考えられないだろう。雨だったとしても雲が見えるはずだ。雲だって空に彩を与える空の一部だ。そんな空が見えないなんて想像できない。想像すらしたくない。だけどであってしまったのだ、そんな日に。あれは快晴の日だった。いつも通りの午後の練習をしているとき、私は走ってた。軽くグラウンドを走って、体をほぐしてから自分の競技に取り組むのが私が通っている高校のスタイルだった。その日の天気は気持ちがよかった。たまになびく風が心地よく、自分の影がはっきりと見えた。だが、瞬きをすると、世界に彩がなくなった。周り一体が影となったのだ。闇が世界を侵食した。影はなにかの存在を示すもの。だから空を見上げた。見えたのは空でも雲でもなんでもなかった。ただの闇だった。無機質な何かで覆いつくされたのだ。人間の人智、技術、8000年の歴史をあざ笑うかのように覆いつくされた。空気がなくなったような感覚がした。口が半開きになって、誰もが上を見上げた。何かを言おうとして口を動かそうとして、言えなかった。あまりの大きさに足がすくんだ。自分の頭の中にたくさんのなぜが浮かんだ。これほどのでかさで、なぜ見つからなかったのか。なぜ報道されなかったのか。国は何をしているのか。なぜ、今この瞬間まで、私は気づくことができなかったのか。なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜんなぜなぜ?。思考を完結することができない。完結させてはいけないと脳が警鐘をこれでもかと鳴らす。脳が情報処理できず頭に激痛が走る。でもその痛みが心地いいと思っていた。それが現実逃避だったのだと今では思う。何かをずっと答えの出ないものを考えておかないと自分が自分で保てない気がした。宇宙船は緑に輝き、下から数多の化け物が降り落ちてきて、それでそのあとは…。宇宙船から降り落ちてる化け物中に何人かの人型の宇宙人がいたらしい。政府への交渉を求めた宇宙人。あまりの不平等条約を人間に押し付け決裂してしまったらしいのだけれど。その宇宙人らは戦闘能力がなかったのに、周りに戦闘特化の化け物を護衛として配置していなかったそうだ。あっけなく捕虜にされて、人質でも使われないと判断して人型の宇宙人は処分された、一人残らず。あの時、その不平等条約を飲んでいれば、こんな惨事にはならなかったと思ってしまう。人口が全盛期の25%まで減ることなんてなかったのかもしれない。

「…来たか」

ぼそりと紗那らに向けて言う。外は思っていたより広かった。地面はコンクリートであしらわれいて、あたり一面にはフェンスが設置されていた。

「午前は、体力を俺が把握するための簡単なテストを行う。それをもとに午後は俺が練習を組む。」

体力テストは想像と同じものだった。握力、持久力、瞬発力、持久力などの中学校や高校のはじめに行う体力テストの内容と酷似していた。ただ、それを日をあけずに行ったのは少しハードだった。午前はそれで終わり昼休憩が行われた。

「これは…想像以上だな」

その一言が聞こえたときには、にやけをやめることはできず、隣を見るとやっぱり、君は笑っていた。その笑顔がまぶしかった。

「えっとー昼ご飯できたよー。紗那たちってー朝ごはん食べたの?」

のほほんと入ってくる准。手元にはサラダと簡単な焼き鳥。朝食、そういえば、食べてなかった。水だけ飲んで、外へ行ったんだ。それで体力テストを行っていたと思うと自分のあほらしさで悲しくなってくる。

「翔もーお疲れ。一緒に食べるー?」

「…ああ」

准がデパートの中から簡単な机を取り出し、その上にご飯をのせる。そこにみんなが集まって地べたに座る。

「じゃあ、」

みんなで手を合わせて、

「「「いただだきます!」」」「いただきます」

四人同時の声が聞こえる。限りある食材に感謝を。

「そういえば食材ってどうしてるの?このサラダとか肉。」

「えっとねーこのお肉はここの缶詰を使っててー、サラダは上に育ててるのを少し使ってるんだー。屋上にある農園を使わせてもらってるんだよね。」

デパートの食材と上にある野菜を使ってるのか、でも、そのままだと食料不足に悩まされる未来はそう遠くない。ましてや二人も増えたのなら。

「それとね、食料を運搬する車から少し、いただいているんだー。」

「そんなのあるんだ。」

「食料とか銃の弾薬とかをFARMからFARMへと渡しているところに、お願いして迷惑にならない程度にもらってるんだよー。セキュリティやばいよねー」

それでも、いつかは食料不足になるだろう。結局時間はあまりない。

「この焼き鳥美味しい」

缶詰の焼き鳥って案外おいしい。たれの甘さと鳥の柔らかさがちょうどよく各々が味を引き立てている。

「かいとは」

「いつも通り部屋に引きこもってるよー大変だねー」

「あ、そっか、かいとハッカーなのか。」

そういえば忘れてた。常に情報収集をしてるって。

「なんか柄に合わないよねー。ほんといつ寝てるんだろー」

昼食はあっという間になくなり、准は家事があるとのことで応援の言葉だけをいただいて帰っていった。

「では訓練の続きを行う」

食べ終えた翔は美希と紗那を目線で送って立たせる。

「二人の結果を見るに、基礎的な体力は申し分ない。だが、足腰がなっていない。それでは銃や刀が使えん」

刀、銃?

「え、それ使うの?」

口から出てしまった。気になりすぎて我慢ができなかった。翔はさも当然のようにうなずく。

「ああ、使う。宇宙人は基本的に人間と同程度の体力で傷具合によっては普通に死に、人間と構造がほとんど同じだと、かいとが言っている。胸を割られれば当然死ぬし、弾丸が中に入ったのなら異常を起こすだろう。ならば、対抗するには使用以外考えられない。」

人間と構造が同じ。それは大きな発見だと美希は思った。それはつまり、宇宙人の中にも考えが異なる人らがいるということ。人間が、全員が同じ考えを持てないように反抗勢力がいることを暗示する。それなら、中から崩せる。

「それを使うとしても、基礎をおろそかにしてはいけない。故に足腰の強化を行う。美希らは四股立ちをしたことはあるか?それを行う。」

美希と紗那から笑顔が消え、現れたのは苦虫を嚙み潰したような顔だった。それをみて、翔はふんと、鼻で笑う。

四股立ち、肩幅よりも大きく足を開き、ヒザとつま先を外側に向けて立つ。そうすることによって、股関節周りを柔軟にし、それに合わせて、体感を同時に強化することができる。以前、何回か部活中に行ったことがある。だが、長くは続けられなかった。理由は主に二つ。一つはシンプルにしんどい。行っているとだんだんと腰や太ももが痛くなってくる。姿勢が良くなければよくないほどしんどくなり、きれいな方ほど負担が少なくなる。負担が少なくなるというだけで決して楽なわけではないのだが。二つ目、それは…道着や力士が履いている袴を着ているとき以外にすると、すこし、卑猥なのだ。部活には当然に男がいる。そこでやろうものなら男どもが嫌な目で見てくるのである。もちろん男子もやっているがそれでも視線は女子をとらえて離さない。完璧にロックオンし、鼻の下をこれでもかと伸ばす。そのようなことがあり、部活では行うことがなくなった。思春期ボーイは嘆いていたのがそれはまた別の話。

今はたった一人の…男。結局男。いい人だと午前のテストを思った。休憩なしとはいったが定期的に水はくれるし、ちょうどいい休憩時間をくれる。それでも、やっぱり意識してしまう。翔もそれを察したのかあることを言う。

「姿勢があまりよくないと思うのならすまない。行っている最中はその場を去る」

どうやらこの練習を行わないといった考えはないらしい。少し不貞腐れる。

「それと、俺はお前たちに興味がわかないし、興奮もしないから安心しろ。俺はゲイだからお前らに恋愛感情などわかん。」

いとも簡単に言う。でも、少し安心した。宇宙人を倒すまで、少なくとも数か月は共同生活をするだろう。でもその間に恋愛を挟むとあっさりと関係が壊れる。それなら問題ない。それに、平然と言うなんてすごいと思った。現代、多様性が認められているとはいえ、同性愛者とばれれば人間は少し距離を置くことが多い。自分に恋しているかも、という浅はかな考えもあるのかもしれない。だが多くは拒絶反応によるものだ。人間、自分と違う考えが出るとどうしてもその人を異常扱いしてしまう。それが防衛本能なのだ。カミングアウトして認められたのしても、他の人に言って、自分のことを指さして笑う人なんか大勢いる。それを平然と言うなんて、すごいと思う。確かな自己の確立があるからこそ、彼は言えるのだ。どんなものよりも勇気がある。

「では、行っといてくれ。俺はほかの準備をしてくる。戻るまでやっとけ。」

そういうと別の場所へと向かって行った。それに伴い美希たちも行う。

「あーきっつ。」

最初に音を上げたのは紗那だった。少したってさぼろうとした。

「だめだよ、紗那。頑張らないと」

あーはいはい、と言っておとなしくまた四股立ちの体勢になる。

10分後、翔が戻ってきた。

「一回はこれで構わない。これを毎日10分2セット行っといてくれ。」

足を戻し、立つ。

「次は少し休憩してからランニングに移る」

はい、と軽い相打ちをし、また練習が始まる。世界は恐ろしくも残酷に平等に過ぎていく。そうして練習が終わる。夕食の時間。

「ご飯だよー地下来てねー」

「了解した。」

地下に向かうと、准とかいとはすでにそろっていた。

「よし、食べよ食べよ!俺おなかすいた!」

急かすかいと。ハッカーの仕事は体力よりも精神がすり減る仕事らしい。

食卓を5人で囲む。さすがに少し小さい。じゃあ食べよう!と合図したかいとは手を合わせる。

「いただきます!」

急いで食べ始める。あまりの食べっぷりに少しびっくりしてしまう。

「かいとは昼と朝は監視でゼリーしか食べていないんだ。常に国のハッキング、それに監視カメラの監視だ。」

こっそり耳打ちをして教えてくれる。自然と合点がいった。少し遠慮をしながらも、やっぱり訓練で疲れており、しっかり食べる。かいとが食べながら口を開く。

「えっと!美希らには宇宙人について話さないといけなかったよね。宇宙人は構造が人間と大体同じで...」

「あーそれは聞きました」

「ありゃ、翔?」

「俺が言った。」

頭を抱えるかいと、どうやら自慢したかったようだ。

「じゃあさ、宇宙人の能力の話わした?」

「してない」

じゃあ俺が教えるね!と食べているご飯を飲み込み口を開け、教える。

「宇宙人は、翔にも言われた通り基本的には人間が構造が酷似してるの。でも、宇宙人は人間とは一つ違う、能力?って言うのかわからないけど特徴があるんだ。美希と紗那が追われてた時にもだいぶ人間とはかけ離れていた姿だったでしょ?」

こくりとうなずく。人間と構造が同じならばなぜあんな化け物がたくさんいるのか。

「えっとね、宇宙人は何か二つぐらい、すごく得意なことができるんだ。努力せずとも、初めから上手な能力。強化の方が正しいかも。地上でよく見かけるのは、腕とか足とかが生まれた時から強化されて、肥大化しているやつら。」

黙って話の続きを促す。気づけば紗那と美希の手は止まっていた。

「何か二つ、人間よりはるかにレベルが高いの。基本的にその部位は肥大化か矮小化してる。それ以外は人間の性能より、少し劣ってるって感じかな。もちろん例外もいると思うけどね。」

宇宙人は、何か二つ強化されている部位がある。それをもとに戦い、人間を死へと導く。でも逆に言うと、その二つさえ気を付けていけば宇宙人たちとも相対することができるということ。

「すごいね、政府。めっちゃしってたんだ。」

かいとがうなずく。

「つっても最近だよ、こういう情報。」

そうなんだ、と相槌を打つ。気づけば食事は終わり、一日が過ぎていく。

怒涛の情報、訓練それらすべてを抱えながら、アーサーという宇宙人対策本部での生活は始まった。

その翌日から訓練は本格化した。基本的には基礎練をつめて、刀か銃かを決める。時間がもったいないからか時間の削減のため、どちらかを極める方向に変更したらしい。美希は、刀。紗那は銃となった。美希は刀を以前使ったことがあったらしい。おじいちゃんの家で一度本物の刀を持たしてもらったらしい。齢7歳という少しずつ自我を持ち始めた子供には持たせるには少し危険だとは思わなかったおじいちゃん。その刀を持った時の感覚が忘れられず、刀を選択した。物覚えがよく、翔の指導にも耐え、自分の弱点を少しずつなくしていった。やはり、一度したことがあるという経験は恐怖や緊張の壁を壊す。刀の習得は多少の紆余曲折はあれど、美希の持ちまえの当意即妙さで順調に上達の道を進んでいった。

だが、経験のない初めてのものを持ってそれで訓練することはあまりにも難関。紗那は苦悩していた。はじめて、殺しの道具を持って誰かを殺す。それが人間ではないとわかっていても、実物を持つと、どうしても手が震えてしまう。その時代の女子高校生に銃を持つ習慣なんてあるはずがなかった。紗那と美希の実力は明確についていってしまった。

一日、一日と時は過ぎていった。対人関係は劇的には変われない。だが、誰もが人を欲していたのだ。誰かと、新しい友達を作りたいと思ってしまっていたのだ。当たり前のように人間関係に変化が表れ始めた。紗那の心の氷は時間がゆっくりと溶かしていった。准たちに心を開き、よく愚痴を言い合える中になっていった。でも特に翔と過ごすことが多くなっていった。銃の指導も兼ねているのだろう。だんだんと美希と紗那の二人で過ごす時間は無くなっていった。紗那と翔との間に恋愛が起きているとは微塵も思っていなかった。思いたくなかった、が本音だろう。するはずがないとわかっていても少し不安になってしまうのは人間だからだろうか、それと美希だからだろうか。

かいととは夕食以外では基本会わなかった。いつも自室にこもり、政府の情報を盗み聞きしている。

4か月が過ぎた。あんなにたくさんあった食料も確かに数を減らしていっていた。

ある夜紗那はベッドに入り、寝ようとしていた時だった。

「ねえ、紗那」

「どした」

「あのさ、最近どう?」

そう聞く美希の声は元気がなかった。

「いい感じだな。銃の精度はいい感じに仕上がってきて、反動にも慣れてきたからな。まあ美希の刀の扱いの方がレベチだけど。」

はは、と大きな声で笑う紗那。でも美希は笑えなかった。

「なあ、ちょっと外いかね?」

「え?」

紗那は布団からばっと起き上がり、思いっきり美希の手を引っ張って外へ向かう。

「ちょっと!行くから行くから!離してよ!」

紗那はにやっと笑う。

「でもお前、全然抵抗しないんじゃん」

自室の扉を開け、上へ目指す。階段を昇り、外への扉を開ける。

かすかな夜風。肌にひんやりと当たって、心地よかった。上を見上げた。満天の星だった。

宇宙船は移動を繰り返しており、北半球を中心に移動している。大体三日間隔で一周を終え戻ってくる。

「きれい…」

そういうと紗那はふっと笑って、だろ?と美希を見る。

美希はこの世界で二人だけのようなそんな感覚がした。聞こえるのは君の声。見えるのは星と君の横顔。この空を見ると、悩みなんてただのイタい言葉にしかならなくて、ただの自分の身勝手な妄想なんだって思えてしまう。

私は昔、川でおぼれかけた。そんな時、父が助けてくれた。父はどこかの社長だった。裕福だけど、決して自慢せずに、いつもお客様第一の考え方で、会社員からも、世界からも好かれていた。でも、どれだけ優しい人にでもそれを妬む人がいるのだとその時思った。その人は私を川へ思いっきり突き落とした。父が私をなくすことが最もいやだと知っていたから。そして、父にナイフを刺し、逃げた。父は悶えた。周りは阿鼻叫喚、あっという間に人はいなくなった。腹から多くの血が出て、見えてはいけないものまで腹から出ていた。それでも最後の力を振り絞って、私を助けに来た。そして力尽きた。いまでも覚えてる、海が赤く染まるところ。いまいち、どうやって帰ったのかもわからない。きっとその海は近場の海だったのだろう。1人で家に帰った。すると目の前には母の死体が置いてあった。生まれて初めて、私の手が人の血で赤く染まった。その後、お葬式が行われた。母と父を亡くしたかわいそうな子、という印象になった。ずっと泣いていた。理解できなくて。でも割と現実って残酷で、父、母を亡くした子にも、容赦なく言葉は振りかざされていた。大人、大人、大人が私を見て気持ち悪く泣いていた。その時のネットは散々だったらしい。

トレンド #大手社長死亡#死因:子供

[ガキのせいでしんだの?笑][だっさ笑][いい人気取りかよ][ガキさえいなければこいつ生きれたかもしれないのに][悲報:人類の宝、その子供のせいで死ぬwwwwwww]

[死ねよ、とっととそのガキ笑]

私はそれを見る機会なんてなかった。

でも高校生になって、スマホを持ち、SNSを見ていると、それを見てしまった。見てすぐに気持ち悪くなって、吐いた。トイレまで持てなかった。吐き気がやまなかった。きっとおばあちゃんがスマホを渡すのを渋っていたのはこれが原因だったのかもしれない。なんで人間は人の訃報をさらに馬鹿にするのだろう。なぜ、人間は人を見て笑うのだろう。大人が気持ち悪く泣いていた理由を理解してしまった。理解してはいけないところを理解してしまった。言葉の石を投げられた。それは硬く、人という尊厳を軽々壊した。

でも、ずっと紗那はそばにいてくれた。おばあちゃんは、高齢で私が高校を入学をすると死んでしまった。でも、紗那は、ずっと一緒に。いやだと思うことは聞かないでくれた。私の過去をしらないのに、「何があった」とか聞かないくれた。それが一番うれしいって知ってたのかな。

「紗那…」

「んー?」

「彼氏、できたら教えてね」

「…え?あ、え、おう、任せろ。つってもべつに翔のこと好きじゃないから安心しな、あいつの恋バナめっちゃおもろいからまた一緒に聞こうぜ。」

ぷぷと笑いをこらえきれなくなって吹き出る。

「それ聞いてたから最近翔と一緒にいたんだ」

おう、と笑って答える。ほら、やっぱり紗那は~~~じゃん。


――政府本部にて

本部が運営する情報施設にて、あるPCに一通の手紙が届いた。送信者は不明。主題は「宇宙人について」。最近このようなメールは良く送られる。政府への反感を持っているものや宇宙人の侵略を願っているものたちが送るフェイクニュース。初めはそれに錯乱されていたらしい。何が本当で何が嘘か、誰も判断ができなかったのだから。今回もそのような内容だと誰もが思えるはずだった。だが、一概にも無視できなかった。それは送られてきた場所が問題だった。政府間で連絡のやり取りをしている極秘のメールアドレス。現在、政府は基本的なハッキングを無視している。主にハッキングされても害がなく、フェイクニュースを勝手に信じ、滅んでいくからだ。また基本的な政府間の情報は公開しても問題ないという意見があり、放置されている。しかし、このメールアドレスは最高セキュリティのトップシークレットのアドレス。そのセキュリティを超えられるハッカーが存在しないと思われていた。今まで。各国にその電報が伝わる。

「President, government security has been breached!」

「Presidente, la sicurezza del governo è stata violata!」

「Präsident, die Sicherheitsvorkehrungen der Regierung wurden durchbrochen!」

「总统先生,政府安全系统遭到破坏。」

「政府!」「政府!」

「セキュリティが突破されました!」

緊急首脳会談が行われた。論点は、なぜ突破されたのか、次回からの対策。

―ではなかった。送られてきたメール。「宇宙人について」の討論だった。この際、政府の作戦が世界に知れ渡ることが問題ではなかった。今を持って、それが破棄されるのかもしれないのだから。このメールを開封するか。

討議は2時間行われた。もしその中にウイルスが入っていたら?だがもし本当の情報だったら?

決議は「開封」に決まった。硬直状態の今、宇宙人がいつ本格的に攻めてくるか恐怖し、兵士の精神が摩耗していた。もはやこれ以上の耐久はできないと判断された。

メール先のリンクに触れる。カチッとマウスのクリック音が世界に響いた。

内容は、宇宙人の細かな情報だった。生体、生殖の仕方、特徴、特性、雄雌の区別、独占欲が非常に高いこと、そして、二つの部位が強化されているということ、耐久性は人間と同程度であるということ、爆発などの衝撃耐性ははるかに高いということ。そして、宇宙船の内部構造全てが丁寧に描かれいていた。

「amaizing!!」

どこかの国がそう言い手を叩いた。割れんばかりの拍手喝采。その後、空気がはちきれんばかりの万雷がおきた。どこかの国が言った。

「After a year and four months, we finally received information about aliens.」

この瞬間、人類は大きく進歩した。勝利がもう目の前まで来ていた。すぐさま軍事作戦の計画が作られた。直に完成された。そのサイトの後にはこのように書かれていた。

【宇宙船の名前はサテルト。縮小、拡大が可能。中間層にて操作可能。】


―翌日、アーサーにて

「では、今日の練習は以上だ。」

「「終わった~!」」

訓練はしんどいが、その分得るものもあると思う。体幹が安心し、刀を振っても体支えきれないということがなくなってきていた。

「美希、ご飯作るぞ。」

「わかった。」二か月ぐらい前から夕食は美希と紗那も准と一緒に作るようになった。

他にも、家の片づけや洗濯をたまに行うようになった。そのとき准が

「もーすっごく楽だ―ありがとねー」

とほぼ涙目で言われたのをよく覚えている。

「今日は何作るの?准。」

「えっとねー今日はねー。ラーメンかなーカップ麺の。」

「…それ私達いる?」

「いらないかも」

ごめんねーと顔で手を合わせて合図する。

「まあ、いいよ私ここでさぼれるし、美希はどうする?」

「私もここにいるー」

ただお湯を沸かしてカップに入れるだけの行為を二人が見つめる。

「あのー逆にやりにくいんだけどー」

「すまんすまん、無視しといてくれ」

お湯を注ぎ、ふたを閉め、3分間待機する。

「そういえばさ、准はどうしてアーサーに入ったの?」

「確かに!私も気になるわ」

准は少し考えるように手に顎を置いて、しゃべる。

「んとね、宇宙人が来たときに逃げ遅れっちゃって、コケっちゃったんだよね。周りは俺のことなんておいてってばかっりでさー。立とうにも人がいすぎてたてなかったんだよね。宇宙人が来てもう無理だーって思ったときにかいとが助けてくれて、それでかなーアーサーに入ろうと思ったのは」

「かいとってそんなことしてんだ」

美希は少し驚いて声が大きくなる。かいととは夕食ぐらいでしか話す機会がなく、性格やその全体が把握できなかった。でも、その一面を少し理解できた気がした。

「もういいかなーラーメン」

「よし行こう」

ラーメンを持って、食卓に向かう。そこにはもう全員が集合していた。

「よし!みんな来た!」

そういうかいとの声は元気だけれど少し緊張を含んだ声になっていた。皆が席に着き、ラーメンをすすり始める。

「えっと、今日、っていうかぎり昨日?政府の緊急首脳会談か行われたんだって。」

全員の手が止まる。

「その内容は?」

翔が端的に質問する。

「内容は、政府が宇宙船の内部の情報をゲットしたこと。あの宇宙船の名前がサテルト。そして、1週間後に全面戦争を仕掛けるらしい。場所は日本で。」

全面戦争。そう遠くない未来だとは思っていた。日に日にFARMごとの食料や武器の種類が少なくなっていき最近はほとんど提供してくれなかった。限界が近かったのだ。こちらも政府側も。

「そこで!俺らはそれに合わせて奇襲を仕掛ける。」

「奇襲…」

誰かの声が漏れた。

「そ、奇襲。政府らが戦っている間にひょいひょいって宇宙船の内部に入って宇宙船の頭をぶっ殺して、宇宙船をいい感じに壊す。壊すのは俺に任せて。」

「なるほど」

「そして、潜入するのは、美希と紗那!翔は俺の防衛。准は野戦病院で手当てと治療。」

「了解」「わかったー」

美希と紗那で、宇宙船の内部を壊す。できるだろうかこの二人が。いや、やるしかないのだ。頑張れ、私達。覚悟を言葉にのせるんだ。

「私達頑張る。」

「よし!決まり!それっじゃあ決戦の日まで休憩!それと、翔はあとでちょっときて」

その日が終わった。残りの訓練はフットワークを中心にしたものだった。すこしでも軽やかに動くための。一日、一日、と時は過ぎていく。日がたつごとに不安が増した。本当にできるのかとか、そういう不安。そのたびに紗那と手を重ねて、不安をかき消した。時がたち、決戦の一日前になった。その日の夜ごはんは普段よりすこし、豪華だった。お肉が多めにあって、たくさん食べれた。

今日ですべてが決まる。勝ったらハッピーエンドに。負けたら…世界の全勢力が明日のために兵士をよこす。人類存続の戦いなのだ、これは。負けるなんて想像をするな。自分を奮いたたせろ!

ベッドに行っても寝れなくて、少し外に出た。今は、空はもう見えない。サテルトで覆われたから。サテルトは日本語で、衛星。あれが、星なのだ。その星を明日壊す。外を少し歩く。目の前に、翔がいた。

あ、と小さくつぶやいて夜風に消える。

「美希か、紗那は?」

「もう寝たよ、快眠ぐーすかぴー、うらやましいね。」

あはは、と軽く笑う。

「ねえ、翔はさ。どうしてアーサーに入ったの?」

一週間前にも准に質問したもの。最後に知りたかったから。

「…俺がゲイだ、っていったよな」

風になびく髪がきれいだった。

「昔、好きだった子に似てたんだ。かいとが。」

「紗那が恋多き少年って言ってたけど。」

「ああ、でもその子に勝てる子はいなかった。一番好きだった。その子とかいとが重なって、断れなかった。」

男同士の恋だとしても、男から聞ける恋はおもしろい。大勢の女子がじゅるりとよだれを流す内容を美希は静かに聞いていた。

「同一人物じゃないの?」

「違う、そいつは…俺の前で死んだよ。宇宙人に」

「そっか」

誰もが誰にも見せない過去を持っている。きっと大丈夫なんていうことが一番しんどいことを私が知ってる。だから何も言えなかった。ただ、時間ばかりが過ぎていく。

「あの、明るくて優しくて頑張り屋で、見てて飽きなかったんだ。それがかいとと重ねちまって。…馬鹿だよな。ずっとこの恋に捕らわれるなんて。」

何か言いたかった。少し寂しそうな顔が余計につらくて

「でも最近、かいととその子を重ねたくなったんだ。かいとをかいととして見れてきて、何気なく名前を呼んで、それでその時に振り向く顔が素敵で。美希らのことも確かに心配だけど、それ以上にかいとが心配で、かいとが俺を守ってくれって言われたときは俺が守れるってなったときがうれしくて、こいつのそばにいられるのが俺なんだって」

「じゃあ、全部が終わったらさ、告白したら?」

ふとそんな言葉が口から出ていた。思わず出てしまった言葉に慌てて口を閉じる。

「え、ちが」

「―そうだな」

声が出なかった。とっても幸せそうな顔をしていて何も出なかった。

「結果、教えてね」

それだけ言って帰る。後ろから「ありがとう」という言葉を聞いて少し胸をなでおろしたのは無意識だった。


――翌日

美希と紗那は自転車で戦場に向かった。すでに多くの人がおりそれぞれが武器が構えているのが遠くから見てもわかった。

『あっあー聞こえる?』

耳元が声が聞こえる。かいとの声がインカム越しに聞こえる、指令は耳から。

どおーんと、音が鳴り、合戦が始まる。人類か宇宙人か。世界を巻き込む最後の戦争。

人間の声に呼応するように、サテルトは緑に輝き宇宙人が降りかかる。

始まった。すべて肉弾戦。爆発が宇宙人に耐性があるときかいとが言っていた。そして美希と紗那は、宇宙船の内部をめざす。あの遥か上空に浮かぶサテルトに――!

「ちょっと待て」

紗那がかいとに問う。

「どうやってサテルトの中入んの?」

確かにそうだ、何も考えれてなかった。緊張しているのだ。インカムに手を当てる。そこからかいとの鼻息が聞こえる。

「まかせってー!」

自信に基地あふれた声が聞こえる。

「サテルトから一か所緑で照らされているところあるでしょ。そこから昇れる!」

あたりを見渡す。あった。左側に一か所不自然に地面に緑が輝いている。

「そこに目指して!進め!アーサー!」

すでに宇宙人であふれていた。ここからはもう自転車でいけない。走っていくしかない。

美希は刀を、紗那は銃を持ち、地面を駆けた。目の前に宇宙人が襲ってきた。翔からのアドバイスを思い出す。相手の強化されているところをよく見ること。相手は右腕と左足が大きい。そこに気を付ける!右腕の攻撃、大ぶりな攻撃、よく見て回避し、すかさず、右足を切り、胴体を刺す。後ろからどさっと倒れる音がきこえた。

「た、倒せた…!」

体力もできるだけ温存しながらの討伐。これを維持し続け、光の方へ目指す。隣には、紗那の姿。紗那も、確実に製糖していた。二発で一体討伐。弾薬のストックは二人で保持している。まだまだ余裕がある。立ち向かっている宇宙人を確実に見分け、息の根を止める...。そして進む。

「危ない!美希!」

「え?」

後ろからばあん!音が聞こえる。後ろ振り向くと脳を打たれた宇宙人がいた。

「ありがと」

「どーも、進むぞ!」

『いい感じ!ファイト!』

耳元からの声、そして紗那の声。

「あと少し!」

もう、目の前まで来ていた。緑の光が目の前で輝く。かいとに聞く。

「これで、どうするの?」

『その円の中に入って』

「行くぞ、美希」

手を引かれて二人同時に入る。

「きゃ!」

その瞬間浮遊感を感じた。浮遊感ではない。浮遊したのだ。奇妙な感覚を覚える。

『そのまま上に泳いで行ってらしゃい』

上に向けて泳ぐような奇妙な動きをとる。だが、次の瞬間吸い込まれるような感じがして、あっという間にサテルトの中に入った。

「「うわあああああ」」

着地。スタイリッシュさ満点の着地を披露し、そのままかいとの指示のもと向かっていく。

『次は右』『もう一回右』『そのまままっすぐ!』

サテルト内は驚くべき程宇宙人がが少なかった。であったのは二回ほど。それも最序盤のところのみだった。少しの違和感を覚えながらも指示通りに進む。


――政府本部にて

「隊長、討伐は予定通り進んでおります!」

「そうか…」

そのまま勝利に終わるかと思えた。だが次の瞬間、サテルトが大きな異変を起こす。

「おい、あれは...」

サテルトの下方部が全面開放し、先ほどの数百倍の宇宙人が宙を歩いて、いくつもの方向に信じられない速度で向かって行く。

「あれは、いったいこちらに来て」

言い終える前に、宇宙人によって殺されていた。さっきまでカメラに映っていた宇宙人はいまの数秒にも満たない時間でここへきて、最高司令官は殺されてしまったのだ。

「え、隊長?」

その兵士は、いやすでに動かないものは地面に倒れていた。あちこちで悲鳴が起きているものは知らずに、あっという間に、5分でその場所から人はいなくなり、ごみだけが残った。そして、宇宙人は戦地へと戻っていった。その行動はだれかに指示されたような機械的な動きだった。このような事態が世界のあちこちで起きた。世界の最高権力者はあっという間に息絶えた。もうすでにこの瞬間に人類の敗北は決定してしまったようなものだった。だが、その訃報は戦場へは届いていない。まだ、戦争は続く。


――サテルト内にて

『あとは上に行ったらいるよ。敵が』

その一言で美希と紗那の顔がさっきよりもさらに引き締まる。慎重に上に向かう。

上に着いた。そこにいたのは一人の宇宙人だった。見ただけで、何が強化されたかわかった。

脳と腕だ。頭が人の脳の100個分ぐらいの大きさ。その頭の中で地球制服計画を組んでいたのだ。

「よォ~くきたネ」

腕をぱちぱちと叩く。

二人が驚く。

〈言葉が通じる〉

「君たちは、せいふぅくをやめいぇほしいのかナ?」

「そ、そ」

「ごめぇンね?それは弟機ないなぁア」

だが会話が通じる相手ではなかった。二人は戦闘の準備をする。相手は動かない。こちらの動きをじっとみている。美希は足を踏み込んだ。その刹那、紗那は宇宙人に対して球を放ちそちらに意識を寄せ、そこで美希が斬る。作戦は完璧だった。だが、完膚なきまでによけられた。

「...!」

「あぁァーよけちャってごめんネ?」

宇宙人がボタンを押す。空間が揺れ、宇宙人の足元から機械が現れる。

「みて?これ露簿ッと、かっこいいでしョ」

足が、でかい。一歩で踏みつぶされる。そして宇宙人はシルードをはり、あっちへの攻撃はできない。じゃあどうするか。

「ねえ紗那、これってあれの出番じゃない?」

「そうかもな」

ポケットからグレネードを出す。何かあったときの保険。爆発耐性が高いとは知っているけれど、人間が発明した中でもっとも破壊力があるのが爆弾なのだから。距離を離すため逃げる。だがロボットも早い。簡単には差をつけられない。なら、どうするか。簡単だ。もっと早い速度で逃げる。足にすべての力を込めて世界をかける。駆け出していく、すべてを守るために。距離が空いた。紗那と美希はためらわずグレネードを投げる。投げたところから大きな爆発音が聞こえる。でも、それだけじゃ倒せない。だから、刀か銃で命を絶つ。煙が空けてきた。走る。走る。走る。紗那が銃で、腕に何発も入れ、腕はほぼ取れかけている、なら無視していい。あと少し、美希は飛び刀を振る。この一撃に命を込めて。

「うおおおおお!」

血が出た。激しく。美希から。

「ざあんねえーん、ちんは三つあるんだ。脳と、腕と、血管。」

美希は血管で足を貫かれたのだ。血が凝固し、それは刃よりも深く、足をえぐった。

「美希!」

その声が聞こえる。紗那は急いで宇宙人に銃を打ち込む。球がなくなるまで。

「だ、だいじょうぶか!」

「だ、だいじょうぶだけど…血が」

「待ってろ!今助けるから。」

ポケットから包帯を取り出そうとするがない。どこかで落としたようだ。

「く、くそが。まってろ!まってろ」

自分の上着を脱いで、けがした箇所に巻く。だが、すでに多くの血が出ており、血は止まらない。生存は危うい状態だった。

「み、美希、死ぬなよ…絶対に!」

「はは、もう、無理かも…血が...」

「生きろ!生きるんだろ!父に助けてもらったんだろ!」

紗那は知るはずのない言葉を発していた。

「な、なんで知ってるの?私話してない。」

「…お前がおぼれているときに私もいたんだ。そこに。」

知らない真実。知るわけがなかった、美希自身がその話を閉ざしているのだから。ずっとしってたんだ。紗那は。私が…。

「そっか…知ってたんだ…私の過去…だからずっと聞かなかったんだね…」

「ああ、ずっとしってた。」

「じゃあ、これは知ってた?」

「なんだ」

「ずっとずっと、私は紗那のことを…ああ、やっぱりいいや。またはなそ」

「わかった。じゃあ、今は安静にしてくれ。頼む。全部終わらせてくるから。」

「待ってるね」

『…行こうか』

「ああ」

『そこがサテルトの核、そこで操作するんだ。行きに渡したUSBを挿して。それで権限を握れる。』

「…わかった」

穴を探す。見つけた。さす。画面に何か出てきたが興味がわかない。早く終わってくれという願いしかわかなかった。

『挿したね…これで、僕たち、人間のいや、アーサーの勝利だよ。』

「そうか、美希は治せると思うか?」

『うーん、まああの状態を維持し続ければたぶん行ける。あとで准に診てもらおう。』

「そうだな」

紗那は美希のところへ向かう。少し安心した。まだ助かるかもしれない。すでに止血されており、脈も平常に戻っていた。これまでの訓練のおかげだろうと思った。けがが痛々しく、見ていて気持ちの良いものではなかった。だけど、見続けた。血が必要なら渡した。幸い血液は同じB型だ。渡せれる。インカムからかいとの声が聞こえた。

『美希、紗那…』

「何?」

「本当に  アリガトウ!」

場違いにも甚だしい言葉が聞こえた。陽気に明るく嬉しそうに。その言葉に戸惑いながらも少し元気な声で

「お、お前…な、なに言ってんの.確かに、平和になって、美希もたすかるかもしれないけれど、それは全部終わったあとでで…」

『ちがうよ?希望って残酷だよね』

「は、お前何言っー」


――報告

サテルトが突然の墜落。その下にいた。全世界の兵士、およびほとんどの宇宙人も死亡。

この地球の支配者が更新。偽名→かいとで活動。本名→カイ・メトル。アーサーという組織で活動。

※追記

カイ・メトルは宇宙人である。


―かいと

「ねえ翔、俺、お前のことが好きなんだ。」

「え、あ、俺もだ」

知ってる。だから告白した。俺のことが好きだって、昨日外で言ってたよな。この戦争の後に告白するって。ごめんな戦争前に告白しちゃって。本当かわいそうな奴。俺は少し顔を赤くした。

「ハグしたい」

翔は恥ずかしそうにこっち寄ってくる。早く来いよ。遅いな。そして二人はハグした。感動的なハグ。二人の愛を確かめあうハグ。だが、翔の腹には風穴があいていた。

「バイバイ」

ちょうどいい言葉があるものだと思う。人間に擬態するのが得意な宇宙人などたくさんいる。俺もその一人だ。そして強化された部分が3つあった。

皮膚、知能、体。自分でも都合のいいほどの強化内容だと思う。世界が欲しいと思った。だが、あのサテルトの中は権力が絶対。抗うことはしてはいけなかった。だからあのサテルト自体を破壊することを目標とした。そして人間どもも。ハッカーなんて嘘だ。一度だけしかハッキングをしたことがない。ずっと部屋にこもっていたのはどうしても擬態はどこかでぼろが出るから。全部、知ってる情報で翔らをだまし続けた。この侵略を行う上で、何人かの人類の手助けは必要不可欠だった。すると、助けただけで、ついてくるやつと勝手についてきたやつが来て、4か月前に女二人が釣れた。人間はあっけなく人を信じる。何か信頼したいものを求めているから。ちょうどよかった。美希らがサテルトに入った段階で、サテルトを全面開放し、すべての宇宙人を下に送り出す。美希の方に敵がいないように、人類がしっかりと死ぬように。それぐらいの権限はすでに有していた。だが、サテルトの座標の位置をいじるのは最高権力者以外持つことはできなかった。それを得るために全面戦争という最高なアイデアを国が出せるように、情報をこちらから政府に送り、勝手に信じた。

美希らはUSBをつないだら、サテルトを地面に落として、兵士ども全員殺し、宇宙人も殺し、最後に縮小して、手で握りつぶせば全部完璧。面白いぐらいに人間は単純に動いて、何もかもが計画通りで世界をとることができた。世界ってこんなにきれいなんだと思った。聞いてる?翔。あーかわいそうだな。せっかく付き合えたのに。死んじゃった。でも、幸せそうだな。准もつぶされて死んだかな。かわいそう。

アーサー。いい名前でしょ?地球の者たち。それが俺になるんだもんぴったりな名前。ずっと俺の手のひらで踊らされてて、楽しかったのかな人間って。これからは俺の時代だから。これで地球はもう俺の物。

誰にも奪えない。

(~完~)

  

こんにちは、作者のおかピーです。全体的にストーリーが早くあまり作品への理解がわかなかったかもしれません。ですが、ここまで読んでくださりありがとうございました!またお時間があるときに他の小説も読んでください!本当にありがとうございました

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