表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

風呂キャン界隈の俺が異世界転移して風呂にハマった理由

掲載日:2025/08/08

巨体が風呂にすっぽりハマって出られない。


どうしてこんなことをしてしまったのだろうか。

強烈な後悔に襲われる。


助けは来ない。

一人になることを望んだのだから。


ここは異世界。

消防署に助けを求めることもできないのである。


どうして風呂なんかに入ってしまったのだろうか。


異世界転移してうかれていた?

そんな理由で?


もう3ヶ月も風呂なんか入っていなかったではないか。


大嫌いな風呂で、このまま一生を終えるのか?


いや、厳密には違うだろうか。

風呂が嫌いなのではない、風呂に入るのが嫌いなのだ。


あるいは、風呂から出るのが嫌いとも言えようか。

出入りするのが嫌いだ。


風呂に入っていない状態から風呂に入るのが嫌いだ。

風呂に入っている状態で風呂から出るのが嫌いだ。


風呂に出入りすることによる変化が嫌いなのである。

状態を維持したい。環境の変化に耐えられない。


ではなぜ風呂に入った?

説明がつかない。

これに関しては、異世界に来たという圧倒的な環境の変化がそうさせたのだろうか。

風呂に入るという環境の変化は、異世界に来たことと比べると些細なことだ。

きっと、そのせいで風呂に入ってしまったのだろう。


いや、風呂に入ったところまでは良かったのである。

そして、普通に出てさえいれば問題はなかった。


風呂から出たくない。

お湯からあがりたくない。

この考えがすべてを狂わせた。


手足に力を入れて風呂から出るのがためらわれるなら、

栓を抜いて排水してしまえばいい。

これが諸悪の根源であった。


水位が低下するにしたがって、体が風呂の底に引っ張られる。

異世界だからだろうか、こんなに重力が強いのは。

まるで吸い付けられるように、風呂の底に背中がへばりついている。

完全にハマってしまった。


異世界にきてまで、こんな惨めな思いをするなんて聞いていない。

異世界転移物だろ?チートで風呂くらい壊せないのか?


かれこれ1日ほどこの状態だろうか。

外が眩しいほどに明るくなっている。


元の世界の1日と同じくらいの時間が経ったのかはわからない。


この世界にセシウム原子が存在しているのかすらわからない。

物理現象は元の世界と同じなのか?

それとも魔法とかあるのか?


魔法があるなら見てみたかった。


魔法がある世界では1秒をどう定義したのだろうか。

人と話してみたい。この世界をもっと知りたい。


月とかあるのだろうか。屋根のせいで見えなかった。


太陽があるのは確かなので、1日の概念はあるのではなかろうか。


季節はあるのだろうか。地軸は傾いているのだろうか。

傾いていたとして、今いる場所の緯度は?

赤道直下ならずっとこの暑さが続くのだろうか。


のどが渇いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ