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〈哀しみ〉を奏でる音無き歌姫は

拝啓、過去の私へ。

其方では如何お過ごしでしょうか。

きっと、一族全員から嫌われ、罵られ、酷い毎日を送っていると思います。

由緒正しき音楽家、神無月家に生まれた私にとって、歌う時のみ現れる「発声障害」を持つ事。それは何よりも残酷な事でしょう。

たとえ他の全てを完璧にしても、たったそれだけで「出来損ない」「落ちこぼれ」の烙印を押されてしまう。

両親の、血の繋がった実娘であっても虐待を行う非行を恨みながらも、自身のせいで親戚から白い目を向けられる両親に心苦しく感じて絶えず練習を続け、歌のリハビリを行う。

耐えても、耐えても。終わらない苦しみに〈哀しみ〉の涙を流す日々は今も私の記憶から離れることはありません。

「もう十分努力した」「休んで良いんです」「貴方は何も悪くない」

きっとこの言葉も、この手紙も、貴方には届かないのでしょう。だけどどうか、、、

「どうか、もうこれ以上哀しまないで」

未来の神無月瑠美より











「出来損ないでごめんなさい、歌えなくてごめんなさい、、、」











「私は音の無い歌姫、それでも構わない。だって私は音楽を愛しているから」












「誰か、誰か私を、この絶え間ない〈哀しみ〉から救い出して、、、!」











歌姫は音を奏でる。聞こえない筈の歌声に誰もが心を奪われる。

悪意に囚われ、独り哀しみを歌い奏でる彼女は救いを求めて____

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