8.お客様の要望
アンバー(鍛冶の街) その1
アンバーの街の魔道具工房からお客様が来た。サガにプレゼンやるから来ないかと言われてランベル商会にお邪魔した。
お客様が仕事の流れを説明してくれた。
このお客様はひとつの工房の中で、魔法陣を作成し、いちどに5個~20個くらいの魔道具を生産していく。
お客様の要望は、
「いっぺんに数個まとめて書き込めるようにできないかなあ。そしたら便利だよねぇ」
だった。サガはちらっとドリーを見た。
「一度要望をあげてみましょう。結果は追って報告しますね」
ドリーはにこやかに微笑んでお客様をお送りした。
記述開発本部長マエボーさんに相談したら要望書を出すよう言われた。
要望書をサガと二人でまとめてサガに託し、ランベル商会の開発会議に提出した。
記述開発本部と機材開発本部の共同開発となる。
修正記述が小さな魔石に出来上がってきた。ランベル商会にある「魔道具JJJ」「魔道具JJJスーパー」「魔道具JJJスペシャル」と貸出機にセットして記述を書き込む。秘密のコードは「ツール」総括本部長の名前だ。なんだかな。
魔法陣を書きこんで「保存」する。「出力」して「書込」するところで、パネルに「次を書込」と出るようになった。
1個目「書込」を押して完了すると、「次を書込」
「「↑」はい」
「「↓」いいえ(終了)」
と選ぶようになっている。
まあ、書込みの場所が1か所なのでしかたないか。でもまあ、いいかも。
サガがこのあいだ報酬についてランベル商会と交渉してみるといった件は、見事に撃沈し、初期指導料金と、年間サポート料金、別途スポット料金(随時見積り)の3種で料金は現状のままだそうだ。
ただし、1か所で使う場合は現状のままだが、複数個所で使う場合は、別途料金を状況に応じて提示されることになった。
それだけでも助かるわ。移動の交通費も宿泊費もかかるからなぁ。
今日は短いお話なので2話更新します。