7.仕事切れでひま
ダムの街
大忙しだった仕事がひと段落して、ほっと一息ついたら仕事が来ない。
どうしたんだろう?と不思議に思っていたら、サガがドリーの家兼事務所にやってきた。
「このたび、「魔道具JJJ」が新しく生まれ変わりました!」
ドリーは、初耳だったのですこし驚いて、
「新しい魔道具を開発?またまた~スーパーとかスペシャルとか言うんじゃないの?」
とうっかり言ってしまった。
新しい魔道具の名前は、
「魔道具JJJスーパー」 小規模事業者向け
「魔道具JJJスペシャル」 大型事業所向け
だった。
「何で知ってたの~?」
サガは驚きを隠せずに両手でほほをおさえた。
「おおぅまじか・・・」
ドリーはうなった。
このところ仕事が来なかったのは、この新しい商品の完成を待って販売しようと、販売を停止していたそうだ。
新しいスーパーとかスペシャルとかは、シトラの工房で始めた魔法陣の送受信を、本格的に売ろうということらしい。
「そうなると、送信側と受信側の人の配置が必要かぁ。うちも人を雇うべきなのかなぁ」
ドリーは以前の仕事で一緒に働いた、何人か使えそうな人を思い出していた。
「え!それならかわいい子がいいなぁ~」
サガが食いついてきた。
「ばかもん。かわいい奥さんと生まれたばかりの子供がいるでしょうよ。」
「いやー。目の保養というかさ~」
サガはうっとりしていた。ほんとばかもんだなぁ。
「まあでも、今と同じ報酬体系だと、人を雇うことは無理だなぁ」
ドリーがお茶を入れに行こうとすると、
「おれ、ランベル商会と相談してみるよ!」
とサガはスキップしながら飛び出ていった。
(あんたがランベル商会でしょうよ)
大雨に阻まれて遅くなってしまいました。