47.自由なラナベル
ラナベルの仲間から手紙が来た。そうそうに奴隷から自分を買い取りなおすことができた仲間が、ラナベルを迎えに来たいという内容だった。
奴隷の買取りは元値の2倍が常識だ。ラナベルは金貨500枚だったが、買い戻すときは倍額の金貨1000枚が必要だ。
約束通り、ラナベルの仲間がやってきた。金貨も1000枚持ってきた。
「金貨500枚でいいわ。べつに儲けるつもりはないもの」
ドリーが言った。
「ラナベルはどうしたい?」
ジンナがちいさく聞いた。
「またみんなと冒険に出たい」
ラナベルもちいさく答えた。
「わかった。前回の訪問でコープスの街の元上司のギルドマスターが、商人ギルド内に事務所を借りて「魔道具JJJスーパー」を置いてやらないかと誘ってきてたのよ」
ジンナが堂々と言った。
「マリのドリーとやり取りしながら仕事する。それは変わらない。
ラナベルの仕事は、私の安全確保だから、商人ギルド内勤務なら安全だし、それなら自由だものね」
ニッと笑ってジンナは後ろを向いた。
「ごめんジンナ」
ラナベルが後ろをむいたジンナに謝った。
「仕事はね、臨機応変に出来なきゃ仕事とは言えないのよ。ドリーに教えてもらったんだから」
ジンナは涙声だった。
「たしかに、あの実力なら護衛だけではもったいないだろな」
ニグナスはドリーにつぶやいた。
「うん。一番近くにいたからよくわかる。もったいないと思うよ。でもさ・・」
ジンナは滝のように涙を流していて、ラナベルが会いに行くからとなぐさめていた。