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ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


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了解人間

 白馬安曇は、闇に隠れて生きる。

人には姿を見せられない。野獣のような躰を持っている。


「了解。これから向かいます」

 電話の相手は白馬のボスである。


 表世界の住人には、シナリオがある。彼らにはそれぞれの役回りを演じてもらわねばならない。逸脱してアドリブをかますと、裏世界の演出家にキャストを降ろされる。


(馬鹿を演じるなんていうが)

 馬鹿に馬鹿は演じられない。


(刃向かった人間の末路は悲惨だ)

 白馬らしくない。


《だからお前はアホなのだ!》

 志能備の里の頭目は、よく白馬を叱咤した。


《それは匹夫の勇と言うものだ》

 怒りは、天下の民を安らかにするために、行われなければならない。


(俺一人の力ではとてもとても)

 白馬がボスのところに転がり込んだのも、計算の上だ。


 第三次世界大戦は、戦闘機や戦車に乗って行われるのではない。情報戦により、自国が優位に駒を進められるように、綿密に計画を立てられる。


 白馬は人間の極限まで躰を鍛え上げているため、デタラメの領域に踏み込んでいる。なんでもないことを積み上げていくと、頂上のほうはオカルトめいてくる。


(俺はそんな大それたことは考えちゃいやしない。柿安の網焼きロースと寝転ぶ草があれば、他に何も要らない)

 白馬の頬を、薫風が撫でた。


「白馬~!」

 エリが手を挙げ、駆け寄ってきた。


「お待たせしました、白馬さん」

 任務前にもかかわらず、レマの表情は涼しげだ。


「さあ、メシの前にとっとと片付けようぜ」

 三人は、臨戦態勢に入った。






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