ページワン
「しちめんどうくせえなあ」
通販サイトを見ているのだが。
「何を買うんですか?」
まあホビーを色々とな。
「検索結果でちっとは絞れるんだが、そのカテゴリーの商品をずらーっと眺めていきたい時はないか?」
途中で掘り出し物が見つかることがある。
「それはありますよね。トップに出て来る物だけが良品、あるいは自分の欲しているものとは限らないですから」
聞き分けがよろしい。
「俺の探しているものもざっと1万件はあるんだ。だがそんなものを一度でパッとは見れやしない」
何日かに分けて探す。これはこれで結構楽しい。
「ああ、おっしゃりたいことが分かりました。1ページ100件が表示されても、せいぜい出て来るのは7、8ページのタグまで」
「そう。20ページまで根気と見たとしても、そこで中断してサイトを離れたら、また8ページ目からタグを送っていかないといけない」
システム上の欠陥過ぎる。
「100ページまで到達するのに、気が遠くなりますね」
最後のページを開くことも出来るが、そこから遡るとしても1ページずつだ。
「ページのタグが一覧で表示されるか、前に離れたページを記憶させるようにすれば解決ですね」
これは需要あると思うのだが、いかがだろう。
「わたしが改変してもいいのですが」
レディ・ゴーの体勢に入っている。
「いや、そこまではいい」
一瞬ガッカリしたように見える。
「それでは弊社・科納エレクトロニクスの商品サイトに、神籬さんのご提案を取り入れてみますね」
「それなら無問題だ」
後日。科納エレクトロニクスのサイトが雛形となり、ネットショッピングの利便性は大きく向上した。




