表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/44

間接侵略

「小説の読み過ぎと言われるかも知れませんが」

 いや、ニカルは間違いなく読み過ぎだろう。


「日本国内がにわかに騒がしくなってきたのは、間接侵略ではありませんか?」

 それは承知で言ってる気がするが、試されてるのかね俺は。


「外国人コミュニティの暴動をなぜか鎮圧できない。とっ捕まえても不起訴処分になる。有力者の引きずり下ろし。いくら働いても働いていない層に富を持って行かれる歪んだ制度」

 数え上げたらキリが無いな。


「直接侵略では貢ぐ物も無くなってしまうので、生かさず殺さずですね」

 殺されてもいるんだがな。


「神籬さん。あまり本気の目でわたしを見ないでください」

 いかんいかん。


「もう国家対国家でも無いんだよな。超大国ですら混乱っぷりが凄まじい」

 ニカルの作ったゲームが、任天堂DSにも一般販売されていた。


「間接的に何かを行わせるのは、一般人同士でもありますよね」

「『寒くない?』と言って周囲にエアコンの温度を上げさせるやつだな」


「そこで『寒いね』と言ったら不合格扱いされるのが、世紀末感漂いますね」

 その内、寝ながら移動できるローラーを装着しそうだ。


「『○○が無い!』と独り言いう奴とかな」

「スルーが一番ですね」

(神籬さんの奥さんのことでしょうか・・・)


「ここなんか汚れてるな〜ってのもな」

「あの、神籬さん。急に話のスケールが小さくなってしまったような」

 悪かったよ。


「だがな。そうした庶民的な裏を読み取るのと、巨大な組織の策謀を見抜くのとは、たいした違いが無いんだよ」

 よく考えたら、ガキの頃からやたらと勘の鋭い奴はいたもんだ。


「そうですね。親の抜けている点を子供がつつくケースもあります」

 何か言いたそうな顔をしているなあ。


「防御の面も大袈裟に考えなくていい。メディアが、周囲が、さも真実であるかのように語っていたとしても、自分のわずかな違和感からフラグメントを組み上げていけばいい」

「その違和感を放置していたら、コトがどんどん大きくなっていきますからね」


「そう。策謀は無理筋・ゴリ押しの線が濃厚だろう? てことは、ちょっと矛盾点を突いてやれば、崩壊するのも案外速いってもんさ」 

 そのためには、焦って間違った判断をしてはならない。


(わたしのところにも脅迫めいた手紙がごまんと届くのですが、神籬さんの助手を務めるのも結構大変なんです)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ