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ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


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イライラの輻射率

「なんだよ、マリアのあの言い草は!」

 メシヤでも怒るときは怒る。


 怒りながら作業をしているのだが、器用と言えば器用である。

「あ、あれ?」

 プリンターの調子が急変した。


「メンテはいつもバッチリやってるんだけど・・・」

 ガ行の音を立てて、愛機がストップした。


「駄目な時は何やっても駄目だ!」

 天井の格子模様を見上げるメシヤ。


 フランツ・シューベルトの軍隊行進曲が鳴り響く。ファミコン少年にはチャレンジャーのオープニング曲と言えばすぐ伝わるだろう。

「マリアからだ」

 一瞬躊躇ったあと、受話ボタンを押す。


「あのさ」

「うん」

 なんだかんだで


「さっきは言い過ぎたわ」

「いや、僕のほうこそ」

 仲がおよろしいことで


 3分と1秒ほど話し込んだ。急に澄まさないで欲しい。


「そうだ、プリンター直さないと」

 いつものメシヤに戻る。


「おかしいな。いや、おかしくない。直ってる!」

 機械に心があると信じる者は、指示代名詞をよく使う。


 その後、メシヤの工作は順調に進んだ。


「イライラ棒は、いかにイライラしないかなんだよなあ」

 空気がピリピリする時、確かに何かが宙を舞っている。



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