表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/44

正露丸、遠い家

 メシヤの顔が青くなっている。

「家までまだ15kmもある!」

 名古屋からの帰り道、急に催してきた。


 収まってきたと思っても油断はならない。

コンビニで借りれば良さそうなものだが、メシヤはあまりあの空間が好きではない。広々とした店舗のものを借りたいが、もう夜中である。


「そうだ、あの小瓶を・・・」

 瓶を突き抜けてくる強烈な木クレオソートの匂い。


「便秘よりはマシだけど、僕のお腹どうなってるんだろう」

 正露丸は腹下しに効果覿面である。殺菌効果もあるので、効能書き以上に躰に良い作用があるのではないだろうか。


「臭いと言えば臭いけど、なんだろう? 体臭がくさいとかそんな嫌な感じじゃなくて、悪いものを退治してくれそうなそんな強さを感じさせる匂いだな」

木クレオソートは、ミイラにも使われていたほどである。


 車を脇に止めて、3粒飲む。メシヤは水筒をいつも携帯している。


「丸薬っていまはほとんど無いよね」

 腹に効くから丸ハラだ。


「あ、ちょっと落ち着いてきたかも」

 メシヤは飲むとすぐ効き目を感じる。プラセボも甚だしい。


 メシヤの場合は正露丸だが、便秘の人には毒掃丸が良いだろう。薬に抵抗があるなら、トマトジュースも効き目がある。


「良かった~、到着だ」

 トイレで用を済ますメシヤ。


「お兄ちゃんお帰り~」

 マナが出迎えた。


「うわっ、なにこの匂い!」

 エジプト5000年の歴史が、口からほとばしった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ