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ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


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Do the best, tomorrow

「久しぶりだな、白馬よ」

 白壁にボスの影が映し出されている。


「本編に合流してから、出番は少なめです」

 神籬とタッグを組むこともある。


「まあよい。今回の指令はコレだ」

 クリアな文字で、『抹殺されたテクノロジー』と浮かび上がっている。


「万博や震災で建設需要が高まっているのは、お前もよく知るところだ」

 白馬は相手の話が切れるまで割り込むことは無い。


「ところが、新設されて間もない建造物が短期間で劣化したり、そういうことが起こるものだから、人手不足は依然深刻な状況となっている」

 手抜き工事というファクターは除いたとしてもだ。


「ローマの建造物がいまだに残っているのに比べ、現代の構築物はあまりにも脆弱だ」

「確かにその通りですね。最新の科学技術こそが至上だとする物言いは、これで否定されます」

 技術の遂行には、邪魔が入るものだ。


「そうだ。大昔にその堅牢さが立証され、長らく続いていたものが、ある日突然やり玉にあげられる」

「人体への影響や環境破壊などを持ち出すいつもの例ですね」

 強欲経済主義がはびこると、世界は不経済になる。


「ロシアではその名前を冠する都市がある。いまだにグローバリズムとはお構いなしで独自路線を突き進んでいる」

「なるほど。アスベストですか」

 石綿とも表記される。


「お前も知っているだろうが、アスベストの歴史は古い。そのローマ時代にはすでに存在していたのだよ」

「そんな2000年近くも使われていたものがいまになって大否定されるのは、なんらかの意図が割り込んだと考えるのが自然です」


「俺も気になったことがあり、独自に調べたんですが、まあモノの見事に否定派の記事・書籍しか出て来ません」

 それがまっとうに使われていた時代の記事すらも検出されない。


「家を建てる、都市のランドマークを造るのは一大事業だ。それをこのような思惑で妨害されるのは、建築主にとって無念であろう」

「復興が進まない原因のひとつになっています」

 白馬は十九川工務店の内部事情にも精通している。


「健康被害についても、妙なところがある」

「潜伏期間が何十年というやつですね」

 吸い込んだところで、痰などに混じり、排泄されるように出来ている。


「頼めるか? 白馬よ」

「了解です。その線で洗ってみます」






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