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ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


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白昼夢のコスチューム

「制服ってスゴく重要だと思うのよねえ」

 一時だけ作業服を着ることの是非が言われるが、緊張感は伝わってくる。


「これを着ると、さあやるぞという気分になるよな」

 野球部のユニフォームもそうであるし、現場の仕事着もイエスにとって意欲が上がる。


「ワタシはいくらスラックスが動きやすいと言ってモ、スカートを履きたいネ」

 エリは可愛いもの好きである。


「ショーツで街を歩くのを自由だとかジェンダーの問題にするのは無理がありすぎますわ」

 その街はあなただけのものではない。その自由を通すなら、あなただけの街を作らないといけない。


「僕がちょっと残念なのは、あまりにもラフすぎる格好で仕事をしてる人かな」

 楽なのは分かる。だがそれで相手の仕事場に来たときに、損をするのは自分である。自分がいくら高貴で崇高な志しを持っていたとしてもだ。


「銀行員さんが私服に変わっていってるのも、本人達はあれで満足なのかしら」

 被服費がかかる、朝悩む、ちょっと奇抜だと小言を言われたりするなど不自由も多い。


「その職業の人だと判別しやすいのは、いいことのはずですわ。インターホンの向こうで知らない私服の人がいたら、警戒します」

 制服が名刺代わりになる。


「日本代表があまりにもシンプルすぎるユニフォームの時があったんだけど、心なしかその時はチーム力もそれなりだったんだよ」

 制服の決定権を持つ人物が、そんなものは適当でいいと考えるか、デザインを練りに練るかで、組織の今後を左右する。


「この制服を着たいからその学校へ行くという生徒も、やはり根強くいますわ」

 その点、北伊勢高校は生徒集めに成功している。


「大学生で休みがちになる人間は、毎日の私服に悩んでるってのも大きいかも知れないぞ」

 中高と気にしなくてよかったものが、その日なにを着るかで途端に生活リズムを狂わし、また経済力も乏しい中、異性への影響も考えると決してなんでもいいとはならない。


「なんか暗い話になっちゃったネ!」

 エリは道着姿もサマになっている。


「衣食住は衣が先に来ているわりには、食と住ほど重く見られていない感じがするわ」

 ブランド服を購入する興味のある人間は多いだろうが、マリアが言いたいのは取れたボタンを直したり、ちょっと破れた衣服を自分で縫い合わせたりというようなことである。


「なんでも買えばいいというような風潮はありますわ」

 教育とはいったいなんだろうか。


「コスプレがそこの歯止めになってる感はあるけどね」

 この線から、まだ若き生徒達に自活の精神が芽生えるかもしれない。


「調理実習もアニメに出て来るような料理をやってみるとカ!」

 究極で至高のメニューを目指そう。


「そう。県下でも技術の授業で好きな設計をやらせる取り組みが始まってるんだ。企業がテーマを決めて、優秀な作品が実際に建てられたりしている」

 平凡な建築物が多いと嘆いているメシヤとイエスにとっては、願ったり叶ったりである。


「昔はそういう一般公募のコンクールが多かったって聞くわ。プロしか参加出来ないんだったら、そういう文化も広がらないもの」

 高校の制服デザインを公募したら、力作が集まりそうだ。


「アマチュアも参加できると、チャンスが広がるね」

 国会議事堂の設計はコンペと言われているが、設計者がはっきりとしていない。


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