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ハラッパーの真ん中で 【第Ⅴ座】  作者: 三重野 創


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去嫌(さりきらい)

「倍速視聴が問題になってるわね」

 マリアはそもそもネット動画をそこまで見ない。


「台詞が無いシーンは見る価値が無いとでも言わんばかりだよな」

 ところが、台詞があっても早送りされている。


「パッと興味のあるシーンが映ったり気になる言葉が発せられたら、じっくり見る感じなのでしょうね」

 これの根本原因は何だろうか。


「定型文って言葉が馬鹿にされたりするけど、定型画ってのもあるんだろうね」

 政治家の謝罪文がおざなりになっている。


「それだヨ! だから早送りされちゃうんじゃ無いかナ」

 ただ、作り手側の責任だけにされるのは、あまりにも酷だ。


「新作が続々でるからそういう視聴法になるんだろうけど、もっと絞ればいいんじゃない?」

 こういうせっかちな人は、動画よりも文章のほうが向いている。動画は時間食いだ。


「まだえなりくんみたいにテレビを何台も置いて同時視聴するほうが好感は持てるかなあ」

 彼の頭脳はどうなっているのだろうか。


「聖徳太子は大したもんだな」

 同時に十人の声を聴けても、同時に十人と話せたらホラーだ。


「政治家の定型文に関しては本当にそうですわ。作文するときにちょっとこの単語を入れてみようと考えてみるだけで、全然印象の違うスピーチになります」

 オチの見える話では、聞く人も退屈だ。


「面白い・面白くないって点もそうだけど、反省が感じられなくなっちゃうのよね」

 使い回しの文であるので、当然そうなる。


「メシヤはそういうの得意だネ!」

 メシヤは重度の歌病である。


「どうなんだろう。俳句でも同字や類語が頻出しないように配慮したりするけど、そういう心構えがあれば自然と気付く筈なんだけどね」

 文芸の心得があれば、同じようなスピーチは恥ずかしくて出来ない。


「こうやって言おうという痕跡も感じられない文章なんだよな」

 言葉は生き物であるが、これでは死んだ文章である。


 ダジャレがオヤジギャグとされてしまうのは、使い古されたよく聞くものを言ってしまうためである。シン・ダジャレに挑戦し続けよう。







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