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ユウキの旅  作者: 八津
22/25

022 ユウキとジュリウス

 「ユウキさんですね。はじめまして。ハインバック王国国王の弟でジュリウスと申します。よろしくお願いします。」

 アイカはこの街で安静にして居る必要があるため離脱。代わりではないが、ジュリウスと護衛の部隊が同行することになったとユウキは昨日ハインケルから聞いた。その姿を見たときユウキは言葉を失った。肩書きこそ違うものの、容姿と雰囲気が王子様然としていて、えもいわれぬ感情を覚えた。

 「こちらこそよろしくお願いします。」

 差し出された手をユウキは握り返した。


 ユウキは、ジュリウスに張り合うように、馬に乗って移動していた。気を遣ってか、ジュリウスが話しかけてきたが、世界の情勢も魔法の知識も付け焼き刃では話が続かなかった。


 休憩地点での鍛錬にジュリウスが参加することになった。ユウキは模擬戦ですぐに剣を弾き飛ばされた。

 「ユウキ殿、陽動に引っかけられたようですな。ジュリウス殿、ユウキ殿にはその手の指導をまだ行っていないのだ。獣人は爪やナイフなど軽い刃で素早く切り裂くことを得意としている、また、魔獣ではそのようなことをできる種が少なすぎる。優先度の低い技術だったのだ。」

 そう言ってハインケルは、少し考え込んだ。

 「ですが、そうも言っていられないかもしれません。指導を始めましょう。ジュリウス殿は良い手本になるでしょうな。」

 

 ジュリウスの周囲には火、水、氷、土の球が計30程不規則に飛び回っていた。それらは一列に並ぶと、順番に前方には打ち出されて行った。

 「凄い……」

 火の球と魔法剣を使い慣れてきたが、複数の属性を一度に操ることがユウキには、まだ出来なかった。ジュリウスの魔術の技量は、アイカより数段高く感じられた。


 「噂に聞いていたが、やはり精霊の愛し子か。」

 「なんだ? それ。」

 ハインケルの呟きに、シバスが反応した。

 「この前話した精霊に愛されている者の総称だ。」

 「! それって……」

 「勇者と呼ばれる可能性をもつ者だ、頭の痛いことに。」

 「今さらだがリリア様もそうだ、だからこその計画と言っていい。」

 「結構居るのか?」

 「魔王戦争以降何人か誕生したらしい、だがあの様子ではリリア様と同じく生まれつきかもしれない。」

 「ユウキを巻き込む必要があったのか?」

 「詳しくは知らないが、器と最長が大きく違うらしい。例えば、武器を持った事もない商人の息子にいきなり剣を教えてあそこまで成長するだろうか?」

 「……」

 「そういう事だ。少なくとも私はこれからに期待している。」

 「……はぁ」

 シバスはため息をつくと、ハインバックの兵士達と手合わせを始めた。

 (魔王侵略前から何人か選ばれていたらしいのだが、はたして偶然なのだろうか?)

 ハインケルは、答えを聞けない疑問を振り払った。

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