013 合流
庁舎の付近には、バリケードが敷かれ多くの人々が避難していた。ユウキとアイカは、ここで他のハンター達と別れて、他の仲間を探していた。そして、庁長フーヴとその護衛を見つけて話をするために近づいた。
「失礼、話が出来るだろうか?」
「おや、あなた方は、ご無事でしたか。必要ならばフーヴ様に声をかけますが。」
「いいえ、あなたで分かるならば大丈夫です。ハインケル達はどちらにおられますか? 本日は別行動であったため合流したいのです。」
「すみません、襲撃が確認されバリケードを設営後に市街に打って出られたことは確かですが、その後のことは存じません。ですがニルヴァ側に出て行ったのでそちら側に居られると思います。」
「そう、ありがとう。私達が来た側に強敵がい居るわ、A級クラスの人材が残って居れば向かわせて欲しいとフーヴ殿に伝えて。ちなみにC級以下は足手まといで無駄に死ぬだけとも。」
「! 分かりました。」
そうして再びバリケードの外に向かうことにした。
「まあ、私達はあいつらの親玉を倒すための旅をしているんだし。のんびり待っているはずがなかったわね。」
「僕達だけで大丈夫でしょうか?」
「言っておくけど、私は強いわよ。まだ本気なんて出してないし。」
不安をこぼしたユウキの言葉に、少し怒ったようにアイカは返した。
「それに、結構時間が経っているみたいなのに、庁舎の人達は追い詰められたではなく逃げてきた人々ばかりだった。きっと殲滅じゃなくて被害を出すことが目的ね。戦闘らしき音はまばらで、敵もきっとそんなに残っていないはずよ。」
「なるほど。」
「さあ行きましょう。」
二人は戦いの音を頼りにリリアを探し始めた。
「行け! 俺だってやれる!」
「分かった。」
「姫様の願いを無駄にするな!」
「三人も居れば……なんとかなるだろう。」
衛兵は仲間を残して庁舎に向かう。背中にはリリアの魔法で怪我が癒えても目を覚まさない怪我人を背負って走る。
「衛兵がいます!」
「背中を! 救助隊です!」
街に残ったハンターらしき二人とすれ違う。
「私の来た道に獣人がいる! 君達は仲間達の加勢をしてくれないか!」
「分かりました! 行くよユウキ。」
「はい!」
後ろの少年は疲労が濃いように見えた。しかし二人はそのまま行ってしまった。衛兵は自分の役目を違えず怪我人を運ぶのだった。
ユウキとアイカは、獣人と戦う衛兵を見つけた。
「応援に来ました!」
「助かった!」
「俺はやれる!」
「うるせえ、死ね!」
衛兵は振るった剣ごと弾き飛ばされた。その瞬間アイカは火球を放った。直撃したものの獣人はまだ生きていた。深手を負いながらも、追撃の火球を避けながらアイカに向かって来た。
「まだまだっ!」
「ひいっ!」
近くにいた逃げ腰の衛兵が、アイカから離れる。変わるようにユウキは前に出た。
「うわぁぁぁ!」
「邪魔だ! 死ね!」
獣人は剣を払って弾き飛ばそうとした。しかし
不思議な程に打ち合った剣が重く動きが止まってしまった。そして、アイカの放った火矢が獣人を仕留めた。ユウキは目の前でたった今死んで倒れていく獣人の体をただ見ていた。
「大丈夫?」
「……はい。」
「……分かった。」
アイカはユウキを安心させるように、穏やかに微笑みわ向け、瓦礫に向かって弾き飛ばされた衛兵に近づいた。
「大丈夫ですか?」
「くそっ、俺はやれたんだよ。」
衛兵は重症なようだが、意識ははっきりしており命に別状はなかった。動かすと危険だと判断し、ユウキを連れて救護を呼ぼうとしたところ、
「こっちです!」
逃げた衛兵が戻ってきた。
「ユウキさん!」
「お前達! 無事か!」
リリア達を連れて。




