表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者は一期一会  作者: 烏川 ハル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/3

後編

   

「ギギッ!」

「あわわ……」

 一匹のゴブリンを前にして、腰砕けで座り込んでしまっている少年。革鎧を着ており、これでも一応は冒険者なのだろう。もしかすると、初めての実戦なのかもしれない。

 音もなく走り出した僕は、一瞬で距離を詰めていた。ゴブリンの背後で、ふわりと舞うようにして剣を振るう。軽くモンスターを始末して、少年のピンチを救うのだった。


「大丈夫だったかい? 君の獲物、僕が横取りする形になっちゃったけど……」

「横取りなんてとんでもない! おかげで命拾いしました!」

「うん、そうだね。これがダンジョン、これが戦場というものだ。冒険者になった以上、君も頑張れよ」

「ありがとうございます。あの、お名前は……?」

「僕は『旋風のジミー』。そのうち、また君とも出会うかもしれない。冒険者なんて、出会いと別れの繰り返しだからね!」

 自分でも少し笑いたくなる。

 今の僕がしていることは、かつて僕を助けてくれた先輩冒険者の真似ではないだろうか。

 久しぶりに十年前の出来事を思い出しながら、僕はその場を立ち去るのだった。




(「冒険者は一期一会」完)

   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ