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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
間章
91/147

#89 それじゃあね!

朝目が覚めると俺のお腹の上には結衣が、右腕には未空ちゃんが、左腕には夢未ちゃんと女の子まみれになっていた。みんな可愛いなぁ〜。

っていうかこれ私動けないんじゃ………ねぇ、これってどうすれば良いの?


「葵〜みんな〜起きて〜!」


ーーー!!


そう思っていた時一階から姉ちゃんが俺たちを起こす声が聞こえてきた。

ナイスだ姉ちゃん!これでみんなも起きて俺も動けるはず!そう思っていた。


しかし現実はそんなに甘くは無かった。


結衣「すぅ……すぅ……」

未空ちゃん「も〜走れないよぉ〜」

夢未ちゃん「結衣ちゃん………」


いや〜お姉ちゃんみんながぐっすり寝れてて嬉しいよ。特に小さい子には睡眠って大切だからね!

ってやかましいんじゃ!え、なんでみんなさっきの()()で一切微動だにせず熟睡出来てるの?羨ましい。


てか本当にこれどうすればいいの?………起こすか?いやけど、こんなに幸せそうな表情で寝ている子を起こすなんていう大罪を犯すことは俺には出来ないっ!


〈ガチャ〉


はっ!やっと姉ちゃんがこっちに来てくれた!

良かった〜これで解放されるよ〜


「葵〜いつまで寝てr………ごゆっくり〜」


「姉ちゃん待って!助けて!」


俺の姿を見た姉ちゃんが微笑ましい笑みを浮かべながら部屋を出ようとしたので急いで止める。危ない危ない、これで姉ちゃんが出てっちゃったら俺はこの三人が起きるまでずっとこの体勢でいなきゃいけなかったからね。


「未空〜夢未〜起きなさい!朝ごはん出来てるわよ!」


「「………」」


「ふわぁ〜あ………おはよ〜」


姉ちゃんのその声で結衣が目を覚ました。

よかった、これで二人も起きるでしょ!


「あら〜結衣ちゃんは偉いわね!まったく、それに比べてこの二人のお姉ちゃんは……しょうがない、本気を出しますか!葵はこれ耳に着けて、結衣ちゃんは下に行ってお父さん達にも耳栓をつけるように言ってね」


「はい!」


「……へ?」


訳もわからず姉ちゃんから渡された耳栓をつけ、結衣は慣れたように下に行った。それを確認した姉ちゃんは「スゥー」と息を吸った。そして


「起きなさーーい!!!」(窓ガラスが揺れる)


「わぁー!?起きます起きます!!」


「ふぅ、スッキリした。はやく降りてくるんだよ〜」


「「…………」」


姉ちゃんは窓ガラスが揺れるほどの大声を出して未空ちゃん達を起こした。

姉ちゃん、窓ガラスを揺れる程の声とか………耳栓の意味無いと思うんだけど。だってさっきからずっと耳が〈キーン〉っていってるし。


「葵お姉ちゃんおはよ〜」


「………おはよう、いつも……あんな声で起こされてるの?」


「うん!ねっ夢未」


「うん、いつもあれで起きてる」


うわぁ、まじか。俺だったら精神に異常を起こしてるだろうな。ていうか、毎日これで起こされてるなら結衣もこれを聞いたことがあるって事だよな?………あっだからさっき秒速で部屋を出て行ったのか。知ってたなら教えてくれても良かったのに。


「ほら、早く着替えて下に行こ。じゃないとまたあれを聞くことになっちゃう」


「葵お姉ちゃんも毎日聴いてたらきっと慣れますよ!」


「慣れたくないよ!!」



「や〜っと降りてきた、おはよう三人とも!」


「姉ちゃん、あんな事するなら事前に言ってくれ。死ぬかと思った」


「あっはは!ごめんごめん、今度から気をつけるよ。ほら、ご飯食べよ」


姉ちゃんはそう言うとキッチンから朝ごはんを運び始めた。

今日の朝ごはんは………お〜やった、和食だ!ふふっここ数日は病院でも和食を食べて姉ちゃんの家でも和食を食べる。和食に囲まれてて嬉しいな。


「葵〜何時ぐらいに帰るの?」


朝ごはんのしゃけをニコニコしながら摘んでいると姉ちゃんが話しかけてきた。


「ん〜午後には帰ろうかなぁ、そろそろ仕事も入ってそうだし」


「………そっか、じゃあそれまで未空達の遊び相手になってもらおうかな!」


「うん、良いよ!」



そして美味しい朝ごはんを食べ終わって今は結衣とお皿洗いをしている。

キッチンのシンクには昨日のパーティーで使ったお皿が沢山あった。それをみた瞬間に「やっぱやめれば良かった」なんて口が裂けても言えない。


「ねぇねぇお姉ちゃん」


「ん〜?」


俺がスポンジでお皿の汚れを落としていると隣で泡を流している結衣が話しかけてきた。


「今日、朝重くなかった?」


あ〜そういえば結衣は俺の上に乗ってて俺の胸を枕にしてたな。

まぁ結衣はちっちゃいし軽いから全く重くなかったし、乗ってた事にすら起きるまで気づかなかったよね。


「ぜんぜん重くなかったよ」


「ほんと?」


「うん!お姉ちゃんとしてはもう少し重くても良いと思うんだけどなぁ」


俺がそう言うと結衣はほっぺたをフグのようにぷくーっと膨らました。

俺………何か悪いこと言っちゃったかな?


「お姉ちゃんは女の子じゃないからそんな事が言えるの!」


「ええ〜今私女の子なんだけど……」


「む〜ヘリクツ言わないで!」


あらら、結衣怒っちゃった。

これはなんとかして機嫌を取らないと。まっ俺には秘策があるからな!これを言ってしまえばどんなに怒った子でもきっとイチコロの………はず。


「結衣〜家に帰る途中に美味しいクレープ屋さんがあるんだけど………」


「行く!!ぜったい行く!」


「決まりね」


よしよし、やっぱりその人の好物を話に出せば許して貰えるのだよ。

ま、俺も少し興味があったから食べてみたかったんだよね。



「結衣〜忘れ物無い?」


「無いよー!」


「よし、行こっか」


お昼を食べ終わってお別れの時間になった。

今、結衣は未空ちゃん達にお別れの挨拶をしている。そのため玄関には俺と姉ちゃんだけいた。


「葵、しっかりやるんだよ」


「うん」


「辛くなったらいつでもお姉ちゃんのところにおいで、そしたら相談相手になってあげるから」


「うん、ありがとう」


俺がそう言うと姉ちゃんは俺に抱き着いてきた。

あぁ手術をする前は俺の方が高かったのに、もう同じくらいの身長になってしまった。


「じゃあね、葵」


「うん」


そして俺達は姉ちゃんの家を後にした。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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