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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
83/147

#81 バレンタイン

2月14日それは男にとって一大イベントだ。男はその日に女の子からチョコを貰えるかどうかしか考えられないのだ。


当の俺も中学、高校の時は………あげてしかなかったな。あれ、俺一応男なんだけどなぁ。なぜか毎年クラスの女の子達から「チョコちょうだいね!」って言われるんだよな。けど俺は貰う側だと思うんだ。ま〜そこで作っちゃう俺も悪いと思うんだけどね。


そのくせホワイトデーでも作ってるんだよ!?俺どんだけチョコ作ればいいんだ?


「お姉ちゃん、チョコってどういうのが良いのかな〜?」


「う〜んやっぱり手作りが良いんじゃない」


「だよね〜」


俺は今結衣のためにチョコのお買い物に来ている。結衣がクラスの仲の良い人たちにあげたいって言ったからだ。俺もよくやったな。


「お姉ちゃんはどんなチョコ作ってたの?」


「う〜んそうだなぁ、まあ良くある感じだったよ」


俺が作ってたのはチョコ味のコーンフレークに溶かしたマシュマロを混ぜて固めたやつで、確か……小学生の時に同じクラスの子から貰ってすごく美味しかったから作り方を教えてもらったんだよね。


「よし、こんなもんかな」


「早く帰って作ろ!」


そして家に帰ってきてチョコ作りが始まった。

今回作るのはさっき俺が言ったのとチョコトリュフと生チョコだ。俺が言ったのは簡単に作れるから後でだな。


「お姉ちゃんまずはどれから作る?」


「ん〜チョコトリュフかな」



そして全部のチョコを作り終わった。チョコ作りの途中でたまに結衣がつまみ食いをしたり、ちょっとしたハプニングがあったりしたけどめっちゃ楽しく出来た。結衣も「良いのが出来た!」と言って喜んでいた。これでクラスの子にも良い顔が出来るだろう。


「ねぇお姉ちゃん、ちょっとだけ食べちゃ……ダメ?」


俺が仕事をしていると結衣が話しかけてきた。


「ダ〜メ、それはみんなにあげる用でしょ。結衣が食べちゃったら無くなっちゃうよ」


「え〜いっぱい作ったんだし一個くらい良いじゃん!」


「……も〜一個だけだよ」


「やったー!」


俺はしょうがなく一個だけなら食べて良いと言った。まあ一個くらい食べても大丈夫だろう。

それにしても久しぶりのチョコ作りは楽しかったなぁ、学生の頃の気持ちが蘇ってきたよ。貰った子がどんな反応をしてくれるか、考えるだけで笑顔になれる。


「それじゃあお姉ちゃんおやすみ〜」


「コラっ!ちゃんと歯を磨いてから寝なさい!」


チョコを食べてそのままベッドに吸い込まれていく結衣を止めてしっかりと歯を磨かせる。虫歯になるとお金も掛かるし治療も大変だし、なにより痛い。結衣にはこんな目にはあってほしくないからな。


「結衣〜手が止まってるよ〜」


「眠い〜お姉ちゃん磨いて〜」


「も〜しょうがないわね〜おいで」


最近結衣はよく磨いてって言ってくるんだよな。特にお正月に実家に帰省してから特に増えたような気がする。それまでは「一緒に寝よ!」とか「お風呂入ろ!」くらいしか言ってこなかったのに。一体お正月の時に何があったんだか。


結衣の歯磨きを終わらせると口をゆすいだ結衣がベッドに吸い込まれていった。


「今度こそおやすみ〜」


「おやすみ、結衣」


さてと、結衣の可愛い寝顔を見て元気をチャージして俺ももうひと頑張りしますか!



「おはよーお姉ちゃん」


「おはよう、ご飯出来てるから顔洗ってきな」


「うん!」


今日は朝イチに結衣の持っていくチョコを袋詰めしたり、結衣が昨日書いていたメッセージカードを入れたりするためにいつもより早く起きたのだ。だからちょっと眠い。たぶん結衣を送り出したら二度寝するだろう。


「結衣〜チョコ持った〜?」


「持ったよ!行ってくるね!」


「行ってらっしゃい」


結衣にしっかりチョコを持たせて学校に送り出す。………よし、買い物行くか。さっき二度寝すると言ったな、それは嘘だ。よくよく考えたら結衣にあげる用のチョコを作ってない事に気づいたのだ。「お姉ちゃん」として可愛い娘のためにチョコを作らないのはダメだろう。


俺は超特急で買い物を終わらせてチョコ作りを始めた。タイムリミットは大体午後1時過ぎまで、チョコを十分固めるのに多く見積もっても1〜2時間は欲しい。それでもって結衣が帰る3時までには終わらせなければならない。


今回作るのはチョコのマカロン(ハート型)、ガトーショコラ、チョコレートカヌレの三つ。


「よーし、死ぬ気で作るぞ〜!」


【数時間後】


「で、出来た。……疲れた………」


俺は全部のお菓子を同時進行で仕上げ何とか昼前に作り上げることができた。が、いつも以上のスピードで作ったため控えめに言って疲れた。ここに引っ越すために荷物をまとめた時と同じくらいの疲れた。あ〜結衣早く帰ってこないかなぁ。



「お姉ちゃんただいまー!」


「お帰り〜学校どうだった?」


それから二時間ちょいして結衣が帰ってきた。


「みんな喜んでくれた!」


「お〜良かったね!」


「うん!」


そう言うと結衣は自分の部屋に入って行った。これはチャンスなのでは!?今のうちに作っておいたチョコを机の上に出しておいて結衣にサプライズを……喜んでくれるかなぁ


***


ふぅ……お姉ちゃんには気づかれてなかったよね?

学校の帰り道のコンビニでお姉ちゃんのためにチョコを買ってきたんだけど。学校についてからお姉ちゃんに作ってないって気づいて急いで買ってきたんだけど、溶けてないかなぁ。


お姉ちゃん喜んでくれると良いな!


***


「結衣、結衣に渡したいのあるからこっち来て〜」


「わかったー!」


チョコの準備ができた俺は部屋の中にいる結衣を呼ぶ。

そして部屋の中から出てきた結衣に机に用意したチョコを見せる。


「結衣、お姉ちゃんからのバレンタインチョコあるよ!」


「………うそ」


へ?あんまり、良い反応じゃない。も、もしかして嬉しくなかった!?


「結衣嬉しくなかった?」


「ううん!すっごく嬉しい!」


そう言うと後ろに隠していた結衣の手から小さな箱が落ちてきた。俺がそれを拾い上げようとすると


「わっ!見ちゃダメ!!」


俺が拾おうとした瞬間に結衣が超反応でそれを拾い上げた。

なんだろう、すごく気になる。俺がそう思いながら結衣の方を見ると結衣は顔を真っ赤にしていた。


「お、お姉ちゃん!ゆ、結衣からもバレンタインチョコ……あげる!」


「え……?お、お姉ちゃんにくれるの!?」


「う、うん!」


そっか〜結衣も俺のためにチョコ用意してくれたんだ〜嬉しいなぁ。


「ふっ……ふふっ二人とも考えてる事同じだったね」


「うん!じゃあ早く食べよ!」


「そうだね」


その後は昨日から作っておいたチョコと俺と結衣が用意したチョコを食べた。が、予想してたよりもチョコの量が多くそれから3日間はずっとおやつがチョコ系になった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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