#78 結衣とイチャイチャする
家に帰ってきて結衣の怪我のちゃんとした処置をしていた。幸い口の中は切れておらず左頬に少しかすり傷ができただけだった。念の為湿布を貼っておいた。
「結衣、大丈夫?痛くない?」
「うん!もう大丈夫だよ!」
「そっか、血とかが出てなくて良かったよ」
俺は結衣の頭をゆっくり撫でる。すると結衣は充電の無くなったおもちゃみたいに力を抜いて俺の胸に倒れ込んできた。俺は結衣を受け止めるとそのまま倒れ込んだ。
「どうしたの?」
俺が聞いても結衣は顔を上げようとしないでそのまま眠ってしまうんじゃないかと思っていると
「お姉ちゃん良い匂いする」
「結衣も同じ匂いだよ」
「えへへ〜お揃いだね」
「そうだね」
そう言うと結衣はガバッと起き上がって立ち上がるとベッドから毛布と枕を持ってきた。
「結衣?なにするの」
「えへへ〜こうするの!」
俺が毛布を持ってきた理由を聞くと結衣はニカっと笑い毛布をバサっと広げると俺の体にかけてきた。そして結衣は俺とくっつくように寝転がり毛布に入り込んできた。
「たまにはお姉ちゃんのことぎゅ〜ってしながらお昼寝たいな〜って」
「そっか、良いよ一緒に寝よっか」
俺がそう言うと結衣は俺の頭があるところとその隣に枕を置いて俺の腕を抱きしめるようにしながら目を閉じていった。そしてすぐに結衣の寝息が聞こえてきた。俺はそれを聞いてそっと結衣の頭を撫でた。
◇
結衣が寝始めて数時間が経ってそろそろ夕方になりそうな頃結衣が目を覚ました。
「おはよ〜お姉ちゃん」
「おはよう、結衣。よく眠れた?」
「うん!お姉ちゃんはねお日様みたいな匂いがするの」
結衣曰く俺の匂いはポカポカした暖かい晴れの日に干した布団のような匂いがするらしい。何でだろうなぁ、洗剤とかは同じのを使ってるから結衣からもその匂いがしてくるはずなんだけどな。
「結衣からは甘い匂いがするよ」
「食べてみる〜?」
「……じゃあちょっとだけ」
俺はそう言うと結衣の左耳の耳たぶをちょっとだけ咥えた。そうすると結衣は少しくすぐったそうにして顔を綻ばせた。俺はすぐに耳たぶから口を離すと結衣は少し残念そうな顔をしていた。
「お姉ちゃん美味しかった?」
「うん、すっごく甘かったよ」
そう言うと結衣は嬉しそうな顔をした。
「良かった〜これからも食べたくなったらいつでも言っていいよ」
「ふふっそうさせてもらうね」
ふふったまにはこうして結衣とゴロゴロしながらのんびりするのも良いなぁ。それに可愛い結衣をこんなに間近に見れるのは癒しでしかない。もう今すぐ抱きしめたい気持ちもあるが……ぎゅってするのは結衣がしてきた時だけって決めたからな、我慢しなきゃ。
「ねぇねぇお姉ちゃん」
「どうしたの?」
「えっと……め、目瞑って!」
「うん?良いけど」
俺は言われた通り目を閉じた。すると隣からモゾモゾと動くのを感じた。そしてその数秒後………唇に柔らかい物が当たった感触がした。
「ゆ、結衣!?」
俺が目を開けるとそこには長年の夢が叶って嬉しそうな人がするような笑顔をした結衣がいた。い、今のって……きき、キス……だよね。う、嘘……私の初めて、結衣に!?その考えが頭に浮かんだ瞬間ボッと顔が熱くなったような気がした。
「ゆ、結衣!じ、自分が、な、何したかわかってるの!?」
「うん!結衣はお姉ちゃんにキスをしたんだよ!」
「ーー!?〈プシュー〉」
「お姉ちゃん!?」
結衣は俺の頭から水蒸気が上がっていることに驚いてあたふたしている。
「お、お水持ってくる!」
そう言うと結衣は台所から水の入ったコップを持ってきてくれた。
「はい!お姉ちゃん飲んで!」
「ゆ、ゆゆ、結衣と、き、きき、キス……うわぁああ!」
「お姉ちゃん落ち着いて!」
あわわわ、わ、私結衣とき、キス……しちゃった。生まれて初めてキスしたのがゆ、結衣。う、嬉しいけど……私で良かったのかな、だ、だって結衣は私なんかと違ってすっごく可愛いし尊いのに。そんな結衣が私と……キスするなんて。
「うわぁ!どうしよう!結衣とき、キス!?」
「もう!お姉ちゃん落ち着いて!」
「!?!?!?」
私の気が動転してると結衣が近づいてきてお互いの唇が交わった。
◆
「……お姉ちゃん、落ち着いた?」
「は、はい。落ち着きました」
はぁ……もう生きてく中でドキドキする事は無いと思ってたけど、まさかこんなにちっちゃい子からのキスであんなにドキドキするなんて。うぅ恥ずかしい、今すぐにでも毛布をかぶって丸まりたい。
「お姉ちゃんはさっキスした事なかったの?」
「ゆ、結衣が……初めてよ……」
「ーー!そっかそっか!えへへっ」
俺が結衣が初めてと伝えると結衣は何か嬉しそうにしていた。
うぅ、ちょっとこれは言わなきゃな。
「結衣さん!言わなきゃいけないことがあります!」
「は、はい!」
「これからはお口にはキスをしない事!どうしてもしたい時は、ほっぺたとかにする事!次口にキスしたらもうしてあげません!」
これは言っておかないと結衣は多分またするだろうし………それに何回も口にされちゃったらその度にドキドキしちゃってまともに生活できないよぉ。
「……!じゃあほっぺたにだったらしても良いの?」
「……たまに、ね!」
「わかった!」
ほんとにわかったのかなぁ〜。
「ねぇねぇお姉ちゃん」
「ん〜?どうしt」
俺が立って水を飲みに行こうとするために後ろを向くと肩をトントンと叩かれた。そして振り返ると
「ちゅっ!えへへ!」
振り向きざまに結衣はほっぺたにキスをしてきた。
も〜!ぜんっぜんわかってないじゃん!
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