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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#77 葵 キレる

ふわぁ〜あ……よく寝た。今日もいつもと変わらない朝………では無いな、結衣がすごい寝言言ってるんだけど。


「お姉ちゃんだめだよぉそんなとこ触っちゃ」


夢の中の俺はいったいどこを触ってるんだ!?


「あっ……くすぐったいよぉ」


……なんか犯罪の匂いがしてきたな。


「もう!やめてよ!」


こわっ!もう聞くのやめてご飯作ろ。



「……おはよう、結衣」


「おはよ〜……お姉ちゃんどうしたの?」


朝の光景を思い出して結衣の方を見ていると不思議そうな顔をしながら聞かれた。


「ううん、結衣は今日どんな夢見てたのかな〜って」


あんな寝言言ってたら誰だって気になるよな。

俺が聞くと結衣は嬉しそうな顔をしながら


「今日はねっお姉ちゃんと一緒にプール行く夢見たの!」


「へぇ〜楽しかった?」


「うん!」


そっか〜プールで遊ぶ夢かぁ………え?プールで遊ぶ夢を見てあの寝言に繋がるの?え?わからん、子供の見てる夢と寝言がわからん。


「じゃあ今年の夏休みはプール行こっか」


「うん!」


まあまだ夏まで半年以上あるんだけどね。

そういえば冬休みにどこかに行こうって言ってたのに行けなかったなぁ。春休みか夏休みには連れてってあげたいなぁ。


「お姉ちゃん、今日暇?」


「どうしたの?何かしたい事あるの?」


朝ごはんを食べていると結衣がふと聞いてきた。


「えっとね、本買いに行きたいんだけど……」


「あ〜良いよ。お姉ちゃんもちょうど新しい本買いたかったからね」


せっかくの休みだから俺も仕事は………したく無い!


「いつ行く〜?」


「う〜ん、午前中に行っちゃって外でご飯食べて戻る?」


「うん!」


よし、そうと決まれば早くご飯食べて行く準備しないとね。

あ〜あと銀行からお金下ろしとかないとな。そろそろ財布の中が少なくなってきたし。一応カードも持ってるけど………使いすぎないか怖いからあんまり使ってないんだよね。


「ねぇねぇお姉ちゃん、服どっちが良いかな?」


「う〜ん、お姉ちゃんはこっちの方が良いなぁ」


「わかった!じゃあこっちにする!」


俺がそう言うと着替えに部屋に戻ろうとする。


「結衣ちょっと待って」


「なあに?」


「口にジャム付いてるよ。……はい取れた」


俺は結衣のことを引き留め結衣の口の端っこに付いていたジャムを拭き取る。


「ありがとうお姉ちゃん!」


「うん」


俺にお礼を言うと今度こそ部屋に戻って行った。まったく、結衣はパンを食べると毎回口の端っこにジャムを残してくんだから困ったものだ。


「お姉ちゃん準備できたよ!」


「よし、行こっか」



俺たちはいつものショッピングモールの本屋に来た。結衣はさっそくライトノベルが置いてあるところに直行して行った。俺も最近出たライトノベル(絵:俺)を買いに行かないとな。俺は一応自分で描いた絵が入ってるのは全部買っている。


「む〜どっちにしよう……」


遅れて行くと結衣が屈みながら二つの本を持ちながら唸っていた。見ると一つは俺の書いた絵がある作品、もう一つは最近流行っているアニメ化した作品。やっぱり流行りの作品は面白いのかな?俺は、なんだろうな流行ってるやつは見たくなくなるんだよな。なんか今流行ってるのを見ると負けたような気がする。


「両方で良いんじゃない?」


「わっびっくりしたぁ。けど………お小遣い無くなっちゃうから……」


あ〜確かにこれから先もしかしたらお小遣いが必要になったりするかもしれないからな〜。けど結衣が欲しいって言ってくれたらちゃんと用意するんだけどな〜


「じゃあお姉ちゃんがこっち買ってあげるから、結衣はこっち買いな」


「良いの!?」


「うん、お姉ちゃんも自分の描いた絵があるのは買っておきたいからね」


俺はそう言って自分の絵が描いてある本を取った。そして結衣は他の本を見に行った。

俺は……レシピ本とか買わないとなぁ。最近ちょっとバリエーションが偏ってきたからな〜ちょっと新しい世界を開きたい。例えば〜インド料理とか、フランス料理?う〜んそれよりもオシャレよりもちゃんとした料理を学んだほうが良いのかな。


「お姉ちゃん」


「ん〜どうしたの?」


俺がレシピ本を見ていると袖をクイクイと引っ張られた。後ろを振り返ると数冊の本を抱えている結衣がいた。もう本は選び終わったのかな。


「結衣もう選び終わったよ」


「そう、じゃあ……お姉ちゃんもう少しかかりそうだから先にお会計してて良いよ」


「わかった!」


そう言うと結衣はカウンターに向かって行った。大丈夫だと思うけど……見守るために陰からお会計の様子を見ることにする。


………大丈夫そうだね、ちゃんとお金も出せてるし会話もできてる。これだったら俺が風邪とかひいた時にお買い物を頼めるね。


「あの〜警察呼びますよ?」


「!?」


俺が陰で結衣の事を見ているといつの間にか後ろに男の店員さんが俺を不審者を見るような目をしながら見ていた。ヤバい。早くこの店員さんの誤解を解かなければ!警察のお世話になってしまう。


「いや!誤解です!私あの子の親ですよ!」


「じゃあ何で陰で見てるんですか」


「それは………一人でもできるか心配で………」


「だったら後ろで見てあげれば良いじゃないですか!」


うぅそうだけど、本見てるって言った手前後ろで見守るなんて出来ないじゃん!


「どうか言ったらどうですか!」


う〜どうすれば……


「お姉ちゃんに何してるの!」


俺がこの男の対応を考えてると買い物を終わらせた結衣が俺と店員の間に入って男の店員を睨みつけていた。ゆ、結衣〜俺のために、知らない人と話すのは怖いはずなのに。


「あぁ!?子供は黙ってろよ!」


「きゃっ!」


男の店員はそう言うと結衣の顔を平手打ちした。その瞬間俺の中の感情を司る神経が切れた。


「ったく……じゃああなたは裏に来てk、ぶふぉお!」


俺は店員の顔面に遠心力を全力に乗せた拳を下顎に叩き込んだ。すると店員はその反動で少し宙を舞い、大きな音が響いた。


「あんたうちの子に何してんのよ!!怪我してたらどう責任取るんですか!?」


男は何が起きたのかわかっていないようでポカーンとしている。あんたがさっき結衣にやった事でしょ、何でそんなに惚けてるのよ!


「結衣大丈夫?血出てない?」


「うん、結衣は大丈夫だよ」


結衣は涙目になってるのにも関わらず泣くのを我慢して笑顔を作っていた。痛いはずなのに……。

俺は結衣の頬を見る。すると少し赤くなっていた。絶対に許さない。


「お客様どうか致しましたか!」


すると音を聞きつけたレジ打ちをしていた店員がこっちにやってきた。


「実は……」


俺は正直に起きた出来事を話した。すると店員さんは


「すみません!私たちの責任です!娘さんにお怪我はございませんか?」


すぐに頭を下げて謝ってきた。なんか落ち着いたら俺も悪いような気がするな。


「いえ、私は大丈夫ですけど……」


俺は結衣の方を見る。結衣は


「私も大丈夫です」


と言った。よく我慢した、偉いよ。


「本当にすみません!お客様はもうお帰りになって大丈夫です、あとはこちらで対応しますので」


そう言われたのでさっさと帰ることにした。


車に戻り救急箱で結衣の怪我の処置をした。もし結衣に傷跡が残ったら……あの男を末代まで呪ってやる。


「結衣、よく我慢したね」


俺は泣かないで我慢した結衣を褒めてあげると、気が緩んだのか我慢していた涙が溢れ始めた。


「お姉ちゃん痛かったよぉ!うわぁーん!!」


「痛かったよねごめんね、守れなくて」


結衣の体をぎゅっと包み込むと結衣の声はもう一段階大きくなった。ごめんね、ごめんねぇ!



「結衣、落ち着いた?」


「ゔん……」


「じゃあ帰ろっか。帰ったらお姉ちゃんがいつまでもそばにいてあげるからね」


そして俺は超特急で家に帰った。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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