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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#76 節分

「お姉ちゃんお姉ちゃん!」


「どうしたの結衣?そんなに慌てて…」


ある日の平日学校から帰ってきた結衣が慌ただしく俺のところへ走ってきた。う〜ん何で子供はこんなに寒いのに元気なんだろうなぁ、若さ故、なのかな。


「明日2月3日だよ!」


「?うん……そうだけど。それがどうかしたの?」


「もうっわかんないの?節分だよ!」


あ〜そういえばそういう行事もあったなぁ、ここ数年は一人暮らしだったからこういうのはやらなかったしな。

それにしても節分……か。節分と言ったら豆まきだよな?もしかして結衣は豆まきがしたいのか?


「結衣は豆まきがしたいの?」


「ん〜豆まきもしてみたいけど……恵方巻き食べてみたい!」


「あ〜良いよ!作るの簡単だしね。結衣も一緒に作ろっか」


「うん!」


よし、そうと決まればお買い物に行かないとな。きっと節分でしかも週末だから早く行かないと売り切れになっちゃうだろうしな。


「結衣、お買い物一緒に行く?」


「行く!」



さてと、恵方巻きの具は何だったかな〜サーモン、マグロ、ツナ、きゅうり、錦糸卵、いくら、小粒納豆、うーんとりあえずそれっぽいの買っとけばいっか!


「結衣、何か入れたいおかずある?」


「う〜ん焼いたお肉入れたい!」


「おっ良いねぇ」


焼肉か〜確かに手巻き寿司にも入れてたし、韓国にもそれっぽい料理あったよな。あっあと干瓢も!けどスーパーに干瓢ってあるのかな?探してみるか。


「結衣食べるのは明日だからね」


「むっわかってるよ!」


「ふふっ楽しみだね」


「うん!」



そして金曜日の夜になった。俺と結衣は今夜ご飯に使うお魚を切っていた。最初は俺だけでやるつもりだったんだけど結衣がどうしてもって言うから仕方なくやらせてあげている。最初はどうなるかと思ったけど思いの外結衣の包丁使いが上手で驚いた。これならこれからの料理も手伝って貰おうかな!


「お姉ちゃん出来たよ!」


「ありがと〜それじゃあ次は……海苔を4等分にしてお皿に乗せて運んでて」


「はーい!」


俺は今錦糸卵と焼肉を同時進行で作っている。やっぱりアツアツを食べたいもんな、それにフライパンとかを使うのはこれだけだったからあんまり時間を使いたくなかったしね。


「お姉ちゃん次は?」


「う〜んそうだなぁ」


あとはこれをお皿に盛り付けるだけだし……


「あとは無いからゆっくりしてて良いよ。手伝ってくれてありがとうね」


「えへへ〜どういたしまして!」


早く食べたいな〜もうお腹空きすぎてて辛いよ〜。


「お姉ちゃん早く早く!」


「はいはい、待って〜」


結衣がもう待ちきれんとばかりにニコニコとしている。可愛いなぁ。


「そういえば恵方巻きってその年の恵方を向くんだって。で、今年は南南東だって」


「へえ〜ねぇねぇお姉ちゃん」


「ん?どうしたの?」


俺が海苔にご飯とおかずを乗せていると結衣が聞いてきた。


「南南東ってどっち?」


「……あ〜結衣は方角が四つあるのはわかる?」


「うん!」


「じゃあね、南と東の間が南東っていうのは知ってる?」


「それも知ってるよ!」


「ふふっじゃあ大丈夫ね。南南東っていうのは南東を南寄りに寄ったところだよ」


「……絵描いても良い?」


「あっそっちの方がわかりやすかったね」


確かに方角を教えるのに口頭じゃわかりにくかったよね。最初っから絵を描いてあげれば良かったなぁ。俺は紙に簡単な絵を描いて南南東以外の方角もついでに教えてあげた。


「こんなにいっぱいあったんだ〜」


「まぁ日常的に使うことも無いから8方位を覚えてれば大丈夫だよ」


「わかった!」


「それじゃ食べよっか。あっそうそう一本目は何も喋らないでお願い事を考えながら食べるんだよ。そしたらお願い事が叶うかもね!」


「うん!」


そう言うと結衣はおっきく作った恵方巻きを南南東を向きながら食べ始めた。俺も食べるか。やっぱり願い事は『結衣が健やかに楽しくそして後悔のないように過ごせますように……』


俺が一本目を食べ終わっても結衣はまだ食べていて口をモゴモゴさせていた。あんなにほっぺたを膨らませちゃって、リスみたいだな。結衣はどんなお願い事してるのかなぁ?


「結衣どんなお願い事したの?」


結衣が食べ終わったのを見計らってどんなお願い事をしたのか聞いてみた。


「知りたい?……秘密!教えない!」


「え〜なんでよ〜教えてくれても良いじゃん」


「じゃあお姉ちゃんの教えてくれたら良いよ!」


「お姉ちゃんはね〜結衣が健康で毎日が楽しく過ごせますようにってお願いしたよ」


俺がそう言うと結衣の顔が真っ赤になってしまった。


「へっ……そう、そうなんだ、ふ〜ん」


すごくわかりやすく嬉しそうにしてる。あ〜もう今すぐぎゅ〜ってしたい!可愛い!!


「ほらっお姉ちゃん教えたんだから結衣も教えてよ!」


「……結衣はね……お、お姉ちゃんとこれからもずっと一緒に暮らせますようにって……」


結衣はそう言うと恥ずかしそうに顔を隠してしまった。やっぱり俺とお願い事はほとんど一緒だ、ふふっ嬉しいなぁ。


「結衣早く食べないと冷めちゃうよ」


「もう!お姉ちゃんのイジワル!」


そう言うと結衣はパッパと作って食べ始めた。



「ごちそうさまでした!」


夜ご飯を食べ終わって次は豆まきをする事になった。まあ本格的にはやらないで軽く豆を投げるだけなんだけどね。


「じゃあまずは結衣の部屋からしよっか」


「うん!鬼は〜外!福は〜内!」


そして全部の部屋で豆を撒き終わった。ちゃんと回収しやすいように落花生にしたからどこに行ったか分かりやすいし、皮を剥けば食べられるから豆まきはやっぱり落花生が一番だね。


「結衣〜あんまり食べちゃうとお腹いっぱいになって苦しくなっちゃうよ」


「だいじょうぶ!」


「前そう言って大丈夫じゃなかったでしょ。そろそろやめなさい」


「む〜しょうがないなぁ」


俺がそう言うと結衣は渋々食べるのをやめた。


「それじゃあそろそろ歯磨きして寝よっか」


「うん!」

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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