#68 お風呂以外のはだか、下着姿はダメ!
「ふわぁ〜あ、おはようお姉ちゃん」
「おはよう結衣、よく眠れた?」
「うん!」
私がいつも通りに起きるとお姉ちゃんはもうどこかに出かける準備をしてた。そっか、今日はお姉ちゃんの大事なお仕事の日だったね。う〜お姉ちゃんが出かけちゃったら、今日はずっとお姉ちゃんと会えないのか〜悲しいなぁ。
「それじゃあお姉ちゃんはもうお仕事に行っちゃうけど、しっかりご飯を食べるんだよ。それと、9時ごろかな?楓ちゃんが迎えにくるからそしたらその日は楓ちゃんの所でお泊まりしてね。あとは……着替えとかの準備はしてあるからそれ持っててね。他に……」
う……お姉ちゃんの心配事が止まんないよ〜私はもう何でもやってもらわないといけない子供じゃないのに!そう思ってベッドから出るとお姉ちゃんが私に寄ってきてぎゅってしてきた。
「お姉ちゃん?どうしたの?」
「……仕事行ったら結衣に会えなくなっちゃうな〜って」
「寂しいの?」
「ううん、大丈夫!それじゃあ行ってくるね。伝えたいことは紙に書いておいたから見といてね」
「わかった!」
そう言うとお姉ちゃんは出かけて行ってしまった。お姉ちゃんも寂しかったんだ、私も寂しいよ〜。……とりあえず着替えて朝ご飯食べないと、9時には楓ちゃんが来るって言ってたしね。う〜ん取り敢えずお姉ちゃんが書いてくれたの読んでみよっかな。
【結衣へ】
おはよう、結衣。お姉ちゃん今日は大切なお仕事があるから明日まで会えないんだ、凄く寂しい。はぁ……やだなぁ結衣と1日会えないなんて、まあこんなこと言ってももう意味も無いんだけどね。とりあえず伝えたい事書くね!
・しっかりご飯を食べること!
・紅葉さんのいう事を聞くこと
・お小遣いはしっかり考えて使うんだよ
・楓ちゃんと仲良くすること!(これはいらなかったかな?)
・楓ちゃんの家に行く時は戸締りをしっかりする事(家の鍵はテーブルにあるよ!)
・夜更かしは程々にね
ふぅ……結衣は子供じゃないから鬱陶しいって思うかもしれないけど、お姉ちゃんは本当に結衣の事が大好きで大切に思ってるからわかってくれると嬉しいな。
お姉ちゃん全然鬱陶しくないよ!私はお姉ちゃんがこんなにも私のことを大事に思ってくれてる事がすっごく嬉しいよ!よし!お姉ちゃんがガッカリしないようにしっかりしなきゃ!
とりあえず朝ごはん食べなきゃね、確か家出る直前に台所にあるって言ってたよね?見てみよ!台所を見るとサンドイッチが置いてあってその傍に五千円札が置いてある。これ、使っても良いのかな?ん〜わかんないから使わないでおこ。
◆
「ご馳走様でした」
………誰も返してくれない。当たり前のことなんだけどね、今までずっとお姉ちゃんがいてくれたからすごく寂しく感じるなぁ。早く着替えてこよ。
◇
今は着替え終わってソファーでゴロゴロしている。いつもだったら隣にお姉ちゃんがいてお姉ちゃんに寄り掛かってるんだけど、今日はそれが出来ない。
〈ピンポーン〉
「はーい!」
来たかな?ドアを開けるとそこに楓ちゃんがいた。久しぶり(一時間)に人に会えて嬉しいな。
「結衣ちゃん迎えに来たよ!」
「うん!荷物持ってくるからちょっと待ってて!」
急いで荷物持ってこなきゃ!……これかな?いっぱいお菓子とか入ってるけど、良いのかな?まあいっか。楓ちゃんが待ってるから急がないと!
「お待たせ!」
「よし、行こ!」
楓ちゃんがそう言って私の腕を引っ張っていく、そして私の家から徒歩10秒の楓ちゃんの家に着いた。
「お母さーん!結衣ちゃん連れてきたよー!」
「は〜いちょっと待って〜」
玄関に入ると楓ちゃんがお母さんを呼んだ、そしてすぐに楓ちゃんのお母さんがやってきた。
「1日よろしくね、結衣ちゃん。葵さん程は頼りないかもしれないけど……いっぱい頼ってくれて良いからね!」
「はい!よろしくお願いします!」
「結衣ちゃん、荷物持つよ!お部屋行こ!」
そう言うと楓ちゃんは私の荷物を無理矢理奪い取って部屋に向かっていく。
「ちょっと、楓ちゃーん!……あっお邪魔します!」
「はいはーい」
私は急いで楓ちゃんを追いかけていく。そして楓ちゃんの部屋に入ると楓ちゃんがベッドの上で私のことを待っていた。荷物は隅に置かれていた。
「結衣ちゃん、荷物そこに置いといたよ!」
「ありがとう!楓ちゃん」
「ねぇねぇ!この後一緒にお買い物に行こ!」
お買い物……あっお金持ってきてない!一回家に戻ってお財布とお小遣い持ってこないと。……お姉ちゃんもしかしてこれを予想して五千円札置いといてくれたのかな?
「うん、良いよ!けど……その前に家からお財布持ってきても良い?」
「うん!待ってるよ。お母さん、結衣ちゃん行くって!」
私の返事を聞いた楓ちゃんがお母さんに報告してるのを聞きながら家を出て財布を取りに行く。えっと……家の鍵家の鍵……あれ、無い?もしかして……私は急いで家のドアを握り引いてみる。するとドアはすんなり開いた。あ……家の鍵閉めるの忘れてた。次からは気をつけなきゃ、家に泥棒が入ったらダメだもんね。
えっと、家の鍵とお金とお財布………あった!これでOKだね。今度はちゃんと家の鍵に鍵をかけて……よし!これで大丈夫……だよね?ちゃんと鍵がちゃんと掛かってるか確認して楓ちゃんのところに戻る。
そして楓ちゃんの家に入る
「戻りまし……きゃー!!」
私は目の前の光景を見て咄嗟に目を覆い隠す。だってそこには下着姿の楓ちゃんのお母さんがいたんだもん。お姉ちゃんが「他の人の下着姿、裸はお風呂の時以外は見ちゃダメだからね?」って言ってたし。
「結衣ちゃん、どうしたの?」
楓ちゃんのお母さんは何もわかってないような言葉の調子で聞いてくる。何でなにも驚いてないのー!
「服着てください!」
「どうして〜?今女の子しかいないんだし、大丈夫じゃない?」
「女の子しかいなくてもです!早く着てください!」
お姉ちゃんですら絶対に裸とか下着姿にならないのに!……もしかしてこれが普通なの?私たちがおかしかったの!?いや、それは無い……はず。
「結衣ちゃん?どうしたの?」
私の声を聞いた楓ちゃんが部屋から出てきた。そして私たちの状況を見て何か察したようで
「お母さん!他の人がいるんだからちゃんと着替えてから出てきてよ!恥ずかしいでしょ!」
そして私と同じ事を言った。良かった、やっぱりお姉ちゃんは間違ってなかった!やっぱりこっちがおかしいんだよね。
「楓も〜?楓だってよくパンツ一丁でお風呂から出てくるじゃない。何でお母さんはダメなの?」
「ちょっ!言わないでよ!」
お母さんから盛大な暴露をくらった楓ちゃんは顔を真っ赤にしながらこっちを向いた。
「ゆ、結衣ちゃん!お母さんの言ってることは気にしないでね!ね!!」
「う、うん」
なんか凄い圧を楓ちゃんから感じる………。
「ほらっお母さん早く着替えて!私たちはリビングで待ってるから。結衣ちゃん行こ!」
そして楓ちゃんが私の腕を引っ張って部屋に連れて行かれた。
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