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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
66/147

#64 イベント開始数時間前

社長とのカフェデート?から数週間経ちついにイベント当日になった。今日は朝から会社の車で会場まで行きそこでまあ……色々するんだが、緊張で全然寝れなくてマジでキツい。今回はマジでミスったり事故ることは出来ないし、人前で喋ったりするのは初めてだしもうね、昨日はずっとソワソワしてた。しかも俺が今回やる企画は現地でも見れるし、ネット上でも生放送されるから会場の人以上に見てるかもしれないからグダグダにするわけにも行かないし。


あっちなみに今回は結衣は紅葉さんの家に預けることにした。流石に仕事場に連れて行く訳にはいかないし、一緒に行ったとしても面倒とか見れないからな。結衣は最初残念そうにしてたけどすぐに納得してくれた、まあサインとかいっぱい貰ってきてねっていう指令は出されたんだけどね。


さてとそろそろ時間だな。


家を出るとちょうど隣に住んでいる明星(あけぼし)姉妹も出てきていた。姉の方の明星光(あけぼしひかり)は今回のイベントを主催している会社の新人tuberなのだ。そして妹の明星星空(あけぼしかなた)は今回のイベントでvtuberデビューする事が決まっている。


「あっ神崎さんおはようございます!二日間頑張りましょうね!」


「おはよう、よろしくね」


さっそく光さんが話しかけてきた。相変わらず綺麗な銀髪だなぁ、日本人の染めてる髪はなんか嫌いなんだけど外国の人の髪色は好きだな。


「星空さん、デビューおめでとうございます」


「あ、ありがとう……ございます」


う〜ん固いなぁ。緊張してるのか、はたまた俺という不審者に警戒をしているのか……後者じゃない事を祈ろう。


「そういえば神崎さんの企画、すごく注目されてたらしいですね」


「そうなんだよね〜マジで緊張してたから全然寝れなかったよ」


数日くらい前に会社の公式Twitterからアンケートが出されたんだけどその時の投票率になんと35%もあったんだよね……まぁもちろん一番注目されてたのは新しくデビューする子達のお披露目会なんだけどね。


「けど一番の目玉は……」


「星空達のデビューですね」


俺達はそう言って星空さんの方を向く。星空さんは緊張を和らげるために音楽を聴いているように見えた……が、なんとBluetoothの接続がされておらずさっきから爆音で音楽が聞こえてくる。めっちゃ緊張してるんだなってのがよく分かる。


「星空、Bluetooth接続されてないよ」


「え……ほんとだ!」


光さんに言われてやっと気付いたようだ。大丈夫かなぁ。


「大丈夫?ガム噛む?」


「ううん、いいや」


そう言うとスーハーと大きく深呼吸をして、息を吸うのを忘れて窒息しかけていた。……大丈夫か?なんて思ってると送迎の車が来た。黒色のバリバリの外車が俺たちの前に止まると運転席から運転手が出てきて俺たちは驚愕した。


「社長!?何であんたが運転してるんですか!?」



「いや〜だって期待の姉妹とうちの専属絵師だよ?私が直々に迎えに行くのが筋だろう」


秋葉社長はそう言うとアクセルを全開に踏み込んだ。


「ちょっ社長!安全運転!」


しかし俺の忠告を全く聞かずにどんどん車は加速していく。隣では明星姉妹の顔が真っ白になっていった。


「いや〜楽しみで楽しみで制御が効かんのだよ」


「じゃあ運転しないで下さい!!」


「フッ無理さ!」


ウザ!事故ってお前だけ怪我すれば良いのに!



そして残念ながら事故らずに会場まで到着してしまった。俺たちは会場の裏口から入るのだが会場に正面入り口にはまだ開場まで三時間もあるのにも関わらず既に大行列が出来ていた。やっぱり絶大な人気があるんだなぁ。


俺達が車を降りると車の前には俺たちのマネージャーがいた。明星姉妹に一人、俺に一人だった。そして俺たちは控え室に案内される事になった。おっと、その前に二人には言っておかない事があるな。


「お二人さん、会場では俺のことは蒼崎って呼んでくれ」


「はい、それは私たちも重々承知してますよ!」


俺たちやvtuberにとって顔バレや本名がバレるのは大変な事だからな。まぁ光さんとかはプロだから大丈夫かな。


そんなこんなで控え室に入るとそこには沢山の所属vtuberの人がいた。どの人を見ても全身から一般人には無いオーラが出ていてなんか、こう……本当に自分がここにいて良いのか分かんなくなるな。


俺たちが適当な机を選び荷物を置いてリラックス出来る体勢になると俺たちの周りに沢山の人が集まってきた。その多くの人は俺の対面にいる明星姉妹に集まっていた。まあ何も知らない人から見たら俺は同伴者とかに見えるのかな。


そんな事を考えながら先輩たちに質問攻めにされている二人を見ながらコーヒーを飲んでいると俺の肩をトントンと叩く人が現れた、叩かれた方を見ると金髪でホストにいそうな見た目の人が俺のiPadを覗き込んでいた。なんだこいつ、人のiPadを盗み見るとか……潰してやろうか?


「すみません、あなた蒼崎さんですよね!」


「……そうですけど」


「やっぱり!!俺あなたの絵の大ファンなんですよ!会えて嬉しいです!」


男がそう言うと俺の両手を握りブンブンと振ってきた。う〜んこいう感じの騒がしいのと接するのは苦手だなぁ、なんか疲れるし。


「なぁなぁみんなも来いよ!あの蒼崎さんがほんとにいたぞ!!」


そう男が声をかけると三人の(イケメン)が寄ってきた。


「おぉ〜ほんとにいたんだな」


「……男?女性?」


「戻ってるな」


三人のうち二人は反応があったけど一人はこっちを見てすぐに戻って行ってしまった。なんか嫌な感じだな。


「お前ら〜せっかく蒼崎さんに会えたんだから挨拶しろよ〜!」


「お前が大ファンなだけだろ?」


「俺達にも準備があるんだから先戻ってるよ」


そう言うと残りの二人も戻って行ってしまった。そして残された金髪のホストが「なんで蒼崎さんの良さが分かんないんだよ」とブツブツと呟いていたがすぐにこっちを向いて


「すみません、仲間が失礼な態度をとって。実は俺たち今日デビューする新人で少しピリピリしてて……」


「大丈夫ですよ、頑張ってくださいね」


「は、はい!では失礼します」


そう言ってホストは仲間の元へ戻って行った。……俺のこと知ってくれてる人はちゃんといるんだな、嬉しいな。さてと、俺の出番は午後からだから午前中は暇なんだよなぁ、客に混じって見て回ってよっかな。


「みんな一回集まってくれ!」


俺がそんな事を考えていると控え室に社長と秘書が入ってきてみんなを集め始めた。そして秘書さんに星空さんとさっきのホスト集団が連れて行かれた。


「今日は我が社にとっての一大イベントの一つだ。我々は君たちを応援してくれているファンのお陰で活動ができている、それを忘れないで欲しい。今日はファンの人達にしっかりと恩返しが出来るよう頑張ってほしい!」


「「「はい!!」」」


「それと、今日から私たちと一緒に活動する仲間を紹介する。みんな上がってきてくれ」


社長はそう言うと傍に待機していた明星妹とホスト集団をステージ上に呼んだ。


「それじゃあ……こちらの美少女さんから自己紹介を頼む」


「はっはい!え、えっと、わ、私は綺羅星彗星(きらぼしすいせい)と言います!せ、精一杯頑張りますのでよ、よろしくお願いします!」


星空さんがガチガチに緊張しながら自己紹介をすると会場から温かな拍手があがった。所々から「その気持ちわかるわ〜」とか「俺も緊張したな」とかの共感の声が聞こえてきた。やっぱり誰でも緊張はするんだな。


「この子は今最も勢いのある新人、綺羅星(きらぼし)ヒカリちゃんの妹さんだ、優しくしてあげてくれ。それじゃあ次は君たち!よろしく」


「は、はい!俺達は〈ユリカゴ〉としてデビューします。目標は頂点です。覚悟していてください!」


うおっめっちゃ凄い宣言したな。にしても頂点を目指す……か、確かここで一番の登録者数って三桁万人後半行ってたよな?凄いところに喧嘩売るな〜。


「ははは、凄い宣言だったな。ぜひ頑張ってくれたまえ、そして先輩達は負けないようにな。……さてともう話すことは無いんだけど……ここで私から紹介したい人がいる」


ん、誰だ?サプライズでガチの新人とかか?控え室の全員が社長の方を向く、それを確認した社長は「()()にライトを当ててくれ」と誰かに指示を出した。すると照明が全部消え、俺のところにライトが集中した。……どういう事!?


「え〜彼女はよくうちのイラストやガワを描いてくれてる蒼崎先生だ、彼女のお世話になった人は大勢いるだろう今回からうちの専属になってくれたんだ!はい、拍手!」


俺の頭が真っ白になっていると周りから沢山拍手された。そして秘書の人がサッとマイクを渡してきた。何か喋れって事なんだろうけど……無理だわ。


「え〜ご紹介された蒼崎です。よろしくお願いします」


簡単な事を言って秘書にマイクを返す。全然用意とかしてなかったからしょうがないよな、うん!


「彼女の事は……本人から聞いてくれ!それじゃミーティングは終わり、各自自由にしてくれ!」


社長はそう言って控室から出て行った。そしてその後俺の周りは沢山の人に囲まれ、身動きが取れなくなったは言うまでもない。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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