#5
今は6時か〜夜ご飯を食べるには少し早いかな?あ、けど結衣ちゃんはいつも何時くらいに食べてたんだろう?俺はいつも8時過ぎに食べてたんだけど高校の時の友達とかは6時とかに食べるって人が多かったし…
「結衣ちゃんはいつも何時くらいにご飯食べてたの?」
「う〜ん…いつもは7時くらいかな」
7時か〜だったら7時半くらいにすればいいかな
「それじゃあ夜ご飯は7時半頃で良いかな?」
「うん!」
よかったよかった。それはそうと夜ご飯は何にしようかな?
いつもだったら野菜スティックだったり米オンリーなんだけど、流石に子供がいるからこんな栄養素を全く無視した物にはできないし…いつも献立を考えてた母さんは凄いな。後でどういうのを作ればいいか聞こう。
今日は…昼が麺類だったから夜は肉とか魚がいいよね。だったら俺の得意料理の豚の生姜焼きを作るか、お肉は子供はみんな大好きに違いないしね!
「ねぇねぇお姉ちゃん、荷物とかってどこに置けばいいの?」
そういえば荷物を置く前に出掛けちゃったからまだやってなかったなぁ。たしか隣の部屋(和室)は使ってなかったからそこを使ってもらおうかな。(俺はいつもリビングで生活をしてる)けどその前に掃除をしないとね、ずっと使ってないから汚れてるだろうし。
「隣の部屋が空いてるからそこ使ってもらおうかな…けどその前に掃除だけしちゃうね、ずっと使ってなかったから」
「じゃあお姉ちゃん一緒にやろ!」
「手伝ってくれるの?ありがとね結衣」
「うん!」
数年ぶりに入る部屋、そこには大量の資料や消耗品が置かれていた。うわ、これからここを掃除すると考えるとやる気が無くなるな〜
「結衣はここらへんにある消耗品とかをリビングに持ってってちょうだい」
「わかった!」
その間に俺はこの資料やらラフ絵やら画材やらを片付けないとな、小学生に見せられない物(R-18じゃないよ!)もいっぱいあるしね。
「お姉ちゃんこのダンボールはどうすればいいの?」
ダンボールか、ダンボールは邪魔になるし中身がいらない物だったら捨ててもいいかな
「それの中身何ー?」
「ちょっと待ってー…えっとね〜服が入ってるー」
服か〜まあ捨ててもいいかな、今日新しいの買ってきたしね。けどな〜一応見てから決めるか。
「ちょっと待って今見に行く〜」
そしてそれを見に行って後悔することになる。そのダンボールに入ってたのは高校生の頃に姉ちゃんにもらったコスプレ衣装が出てきた。
ヤバいヤバいヤバい!こんな教育に悪いものを小学生に見せちゃうなんて。
「お姉ちゃんこんなの着るの〜?」
「いや〜もう着ないかな〜」
さすがにあんなのはもう着ないだろう、いや着てたまるか。
「それなら貰ってもいいっ?」
「……ダメ、絶対にダメ」
あんな物結衣に着させちゃったらもう俺死んじゃうかもしんない。
「ぶ〜あおいのケチ!」
なんとだって言うがいい。絶対に結衣には着させないからな!みんなだって小学生の可愛い子があんなコスプレしてる姿なんて見たくないだろ?
「そんなに着たかったの〜?ならお姉ちゃんが作ってあげようか?」
俺は服も作る事ができる。描きたい衣装を知るために時々作ったり、絵が上手くいかない時の気晴らしに作ってたりしてたら技術がすごい上達した。ていうか元々手先が器用だったから中学のバザーとかで小物を作って荒稼ぎしてたなぁ。
「ほんとっ?やったー!」
「その為にもはやく掃除終わらせちゃおうね〜」
「わかった!お姉ちゃん、お口じゃなくて手を動かしてね!」
そんなに作って欲しいのか。もし結衣に好評だったら子供服を作る副業でもしよっかな〜。
「お姉ちゃん!手止まってるよ!」
「はいはい」
服を作ってあげるって言ってから結衣のやる気がすごい。
掃除は30分くらいで終わった。案外直ぐ片付いたな〜、あとはこの部屋を結衣にメイキングしてもらえば終わりだなって思ったけど何も家具とか無いな。明日買いに行かないとな。
「お姉ちゃん、今日はどこで寝ればいいの?」
そういえば布団も無いから寝る場所が無いな、しゃーない今日は床で寝るか。小学生と一緒のベッドで寝るわけにもいかないし、まあ季節的にも床で寝てても大丈夫だろう。
「今日はお姉ちゃんが使ってるベッドで寝な。それで、明日ベッド買いに行こ」
なんて言ったけど和室にベッドってどうなんだ?
「お姉ちゃんはどこで寝るの?」
「お姉ちゃんは床にタオルとか引いて寝るから大丈夫だよ。それに今は夏で暑いし、ひんやりした床だったら丁度良いんじゃないかな?」
そんな事を言うと急に結衣は怒り出して
「床で寝るなんてダメ!ベッドで寝るの!」
「いや大丈夫だよ」
さすがにまだ捕まりたくないからな
「ダメなの!それなら結衣も床で寝るよ!」
「え〜もう、それじゃあお姉ちゃんがどうすれば良いの〜?」
結衣に聞くと
「一緒に寝るの!」
…まあ予想は出来てた。いや…けど…ここで負けたらこれからもきっと「一緒に寝よ!」だったり「一緒にお風呂入ろ!」とか言ってきそう。だからここで負けるのはダメなんだ、耐えるんだ神崎葵!
「…結衣と一緒に寝るのやなの?」
結衣が泣き出しそうになる。どうしよう、女の子泣かせちゃった!こんな時どうすればいいの!?俺わかんないよ!俺って泣いた時母さんにどうされてたっけ!?…えーもういいやどうにでもなれ!
「結衣ちゃん一緒に寝るから泣かないで〜お姉ちゃんまで泣きたくなっちゃうよ」
そう、今日だけ我慢すればいいんだ、今日だけ。
「ほんと?寝てくれるの?」
「うん、一緒に寝よ!だから泣かないで」
「やくそくだよ!絶対だよ!」
「うん約束」
よかった、泣き止んでくれた。なんか凄い疲れた、世の中のお母様方はこんな事をやってたのか。尊敬します。
「さてとそれじゃあお姉ちゃんは夜ご飯を作ってくるから、結衣ちゃんはお部屋に荷物とか入れて自分好みな部屋にしちゃいなさい」
「わかった!」
夜ご飯を作るか。けどもう疲れたからはっきり言って作りたくない、けど結衣もいるから作らない訳にもいかない。こんな時はどうすれば良いんだ、誰か教えてくれ。
(チーズフォンデュなんてどう?)
急に頭の中に母のこんな言葉が響き始めた。そうかチーズフォンデュか。確かにそれならチーズと牛乳で溶かして後は野菜とかパンとかウィンナーを切ればすぐできる、かつ特別そうな料理で子供も喜ぶ!まさに一石二鳥。母さんありがとう。確かに夏場はやらなかったけど、冬とか春は母さんが疲れてた時はよく出てきたな。
そうと決まったらさっさと準備しちゃうか!
「結衣ご飯出来たよ〜おいで〜」
「わかったー今行く」
少ししてから部屋から出てきた。気に入ってくれてそうで何よりだ。
「夜ご飯ってなに〜?」
来たな『絶対に子供がする質問ランキング第1位:今日のご飯何?』
「今日はチーズフォンデュよ!」
どうだ!これには結衣もニッコリだろう。
「それなに?」
…なん…だ…と。子供が大好き(だと思う)なチーズフォンデュを知らないだと!?くそ、結衣の嬉しそうな顔を見たかったのに…
「これはね、パンとかウィンターにこのチーズをつけて食べる料理だよ」
「チョコをチーズに変えたやつ?」
「そうだよ」
「そうなんだ〜美味しそうだね!」
「美味しいよ、それじゃあ食べよっか」
「うん!」
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