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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#57 結衣と夢未のガチンコ勝負前編

「結衣ちゃんごめん!!」


「うん、良いよ!」


「ほんとっ!?ありがとう!」


「……ただでは許さないから」


「へっ?」


あの後夢未ちゃんが2階から和葉さんに引きずられながら降りてきた。夢未ちゃんは降りてくるなり結衣に謝罪をして二度とこういう事をしないと約束をした。


結衣も悪気が無いと知ってたから夢未ちゃんを許した、けどやられっぱなしは結衣にとっては嫌だったのか謝罪の後夢未ちゃんのことを立ち上がれなくなくなるまで全身をくすぐっていた。


「結衣ちゃん、そろそろ許してあげて?」


「む〜結衣はあんなに怖い思いしたのに夢未お姉ちゃんは何も思わないのは良くないと思う!」


和葉さんの声でくすぐるのはやめたけど……結衣はまだ納得してないみたいだ。


「あっじゃあさ、結衣ちゃんと夢未で勝負したら良いんじゃない!」


二人の事をそばでケラケラと笑いながら見ていた未空ちゃんが二人に提案する。


「どういう事?」


「えっとね〜この近くの山にある公園にアスレチックがあるでしょ?そこでどっちが早くゴール出来るか勝負するの!負けた方は勝った方の言う事はなんでも聞くっていうルールでね!」


結衣に質問された未空ちゃんはニッコニコで説明をする。自分には関係ないからとんでもない事を言っている。


「そんなの私が不利じゃん!」


当たり前のことだが夢未ちゃんは否定する。けど「夢未が寝ぼけて結衣ちゃんに怖い思いさせるのが悪いでしょ」と正論を言われて黙ってしまった。


「葵兄ちゃんも良いと思うよね!」


ノリノリになった未空ちゃんは俺に許可を取りに来た。俺としては仲良くしてくれれば何でも良いからなぁ……


「良いじゃない!夢未もずっとその癖を直しなさいって言われてたのに直さなかったのが悪いんだから」


俺が答えを考えてると朝のウォーキングから帰ってきた姉ちゃんが面白そうに言ってきた。やっぱり未空ちゃんは姉ちゃんの子なんだなぁ……似てるわ。


「う〜私に味方はいないの!?」


そう言いながら最後の希望の母さんの方を向いた。ふっ夢未ちゃんよ、それは甘いな。それで助けてくれるようなおばあちゃんでは無いのだよ、俺の母さんはいい意味で空気を読めるのだよ!どうせ「頑張れ!」とか「おばあちゃん楽しみにしてるわ〜」とか言いそうだもん。


「夢未ちゃん……頑張れ!」


そして俺の予想通りの返事が夢未ちゃんに返された。


「そんな〜!!」


そして午後から勝負が行われる事になった。いや〜大晦日に大勝負、楽しみだなぁ!



お昼ご飯を食べ終わり俺、結衣、姉ちゃん、夢未ちゃんと未空ちゃんの五人で公園にやってきた。母さん達と和葉さんはお初月に食べるおせちの用意をしている。姉ちゃんがついてくる理由は……言わなくても良いか。


「二人とも〜寒いからちゃんと準備運動するんだぞ〜」


「うん!お姉ちゃん頑張るね!」


お〜結衣がめっちゃ燃えてるなぁ、やる気に満ち溢れてるぞ。これは……夢未ちゃん終わったな。


「夢未も負けないように頑張るんだよ〜!」


「結衣ちゃん頑張れ〜!」


「お姉ちゃんは私の応援してよ!」


相変わらずお二人さんは呑気に観戦している。しかも未空ちゃんに至っては結衣の応援をしてるし、こうなるとちょっと夢未ちゃんが可哀想だな。



「ルートは……流石に結衣ちゃんと夢未が同じルートだと夢未が不利だから、結衣ちゃんがベーシックコースで夢未がイージーコースね」


「う……それでも負けそう」


「ふふっ徒競走1位の結衣に負けは無いもんね!」


「二人とも気合バッチリだね!それじゃあよーい……スタート!」


明らかに夢未ちゃんは気合いバッチリではないだろ。


***


未空ちゃんの合図で二人が走り出した。


最初に立ちはだかるのは……鉄棒だ!結衣の方は10メートルくらい、夢未ちゃんは8メートルくらいありそうだ。


「さあ最初は鉄棒が二人の前に立ちはだかる!これはすぐに突破しないと後に疲れが響いてしまいますね!葵さんはどう思いますか?」


未空ちゃんがノリノリで実況を始める。楽しそうだし俺も乗ってあげるか!


「え〜私もそう思いますね、その後にはボルダリングや登り棒など、腕を使うものが多いのでここでの消耗は抑えるべきですね」


「そうですね……っと結衣選手速い!もう渡りきっています。しかし夢未選手遅ーい!未だに半分です!」


俺たちが話しているうちに結衣はもう突破したみたいだ。相変わらず運動が得意だな。そして10秒ほどして夢未ちゃんも渡りきった。


「さあさあ、次は何が待っているのでしょうか!葵さん我々もついて行きましょう!」


「えっ!俺らも走るの!?」


「そうですよ!じゃないと実況出来ないじゃないですか!!」


「そ、そうね」


そして未空ちゃんが物凄い勢いで走っていく。……俺、追いつけないかも。忘れてたけど未空ちゃんも運動神経バケモンだったわ。


「さあ次に待ち受ける障害は……グラグラ足場です!」


「未空さん、グラグラ足場とは何でしょう?」


「これはですね、綱に吊るされた足場を渡っていくものです!先に進むにつれて綱が細くなるので体幹が大事になっています」


「ちなみにこれは落ちたら……」


「最初からです☆」


「デスヨネー」


「さあ結衣選手、グラグラ足場に突入しました!」


結衣は不安定な足場をどんどん進んでいく、けど半分くらい行ったところで落ちてしまった。


「おっと、結衣選手バランスを崩してしまい最初からです!これは夢未選手チャンスです!」


確かにこれは結衣が不利になる。そう思っていた。


「おーっと、ここで結衣選手なんと綱を結んでいる丸太の上に登りました!!これはなんという事でしょう!」


なんと結衣は綱を結んでいる丸太の上に登りそこは走り始めたのだ。確かに上を走ってはダメっていうルールは無いし、そっちの方が足場が安定してるから速そうだけど……良いのかこれ?


「未空さん、これは?」


「面白いのでアリです!」


アリだそうです。結衣の柔軟な思考?のおかげで未空ちゃんに少し遅れてグラグラ足場を突破した。


「さあ次は……休憩地点のジップラインですね。ここから先は追いかけられないのでドローンを使いましょう!」


そんな事を言った未空ちゃんはどこからかドローンを取り出して操作し始めた。


「葵さんはこれを見ててください」


そう言われてiPadを差し出された、そこにはドローンからの映像が映し出されていてジップラインに乗っている二人が映し出されていた。


「この後は地獄の壁上りゾーンが待っています!そこまでに少しでも体力を回復させてあげようという製作者の優しい配慮ですね!」


レース後編に続く


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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