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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
48/147

#46 

二人のお姉ちゃんを乗せた車が見えなくなると結衣は俺に抱きついてきた。結衣は少し涙目になっていた。やっぱり寂しいんだな。


次に会えるのはお正月かな、その間に何も無ければな。


「結衣戻ろっか」


「……うん!」


部屋は昨日とは違い静寂に包まれていた。たった一日なのに、こんなにも寂しく感じるのか。


「お姉ちゃん!」


「どうしたの?」


急に呼ばれたから俺は結衣の方を見る。けど結衣は俺と目が合うだけで何も喋らなかった。


「今日こそは一緒に寝よ!」


結衣はニコニコと笑いながら言う。


「そうだな……そういえばもうすぐで冬休みだな」


「あっ!ほんとだ!えへへ〜お姉ちゃんと一緒にいれるね!」


「いつも一緒にいるでしょ?」


「学校がないから午前中も一緒にいられるから違うもん」


そうか、確かに休みの日はずっと一緒だけど平日は午前中は一緒に入れないしな。俺が子供の時は親と一緒にいたいなんて思いもしなかったけどな。


「ぐぅ〜」


「「………」」


気持ちがひと段落ついたからお腹が空いたのかな?結衣は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。


「夜ご飯にするか、結衣何食べたい?」


俺がそう言うと結衣は驚きの言葉を言う。


「……今日は結衣が作るっ!」



「本当に結衣だけで作るの?お姉ちゃんは手伝わなくて良いの?」


俺は心配だから結衣に聞く。けど結衣は


「いつまでもお姉ちゃんに頼ってるのはダメだもん!」


「結衣……」


結衣はまだ小学生でまだまだ小さな子供だ。まだまだ大人に頼って良いはずなのに、頼っていたいはずなのに……なのに、何で急に自分で出来る様になろうと思ったんだろう。

それに俺としてはもっと頼って欲しいし、甘えて欲しい。


「結衣、初めてなんだしさお姉ちゃんと一緒に作らない?」


「む〜!結衣は一人で作りたいの!」


「どうして〜?」


俺がどうして頑なに一人でやろうとする理由を聞くと


「……結衣が一人で出来る様になったら……お姉ちゃん、認めてくれるって思ったの」


「……どういう事?」


「お姉ちゃん……結衣がまだ子供だから、結衣のこと好きになってくれないじゃん!」


俺はその結衣の言葉に胸が引き裂かれるような痛みを感じた。

そうか、結衣のあの言葉は()()だったのか、なのに俺は……「結衣がまだ子供だから」という理由でちっちゃい子がよく言う「好き」と言っているのかと思っていた。


「結衣が一人で何でもできればお姉ちゃん……好きになってくれるんじゃないかって……」


そう言うと結衣は泣き出してしまった。


「結衣……結衣はお姉ちゃんのことが本当に好きなの?」


俺がそう聞くと結衣は無言のまま頷く。

俺はそれを見て


「そっか……ごめんね。お姉ちゃん……結衣が本気で好きって事わかってあげれなかった……」


「結衣は”付き合う“ってわかる?」


結衣は首を横に振る。


「お互いを好きになった人はお付き合いをするの。付き合うってことはね、支え合いながら生きるってことなの。それを本格的にすると”結婚“になるの」


「結衣が本当にお姉ちゃんが好きならお姉ちゃんとお付き合いをするってことになるの。結衣はお姉ちゃんとお付き合いをしたいの?」


俺がそう言うと結衣は


「……わかんない、けど、結衣はお姉ちゃんのことは大好きだもん……」


結衣が泣きながらそう言う。


「じゃあね……結衣がちゃんと子供から大人になって、付き合うって意味をちゃんとわかったらその時にもう一回、お姉ちゃんに言ってくれる?」


俺がそう言うと結衣はコクンと頷いた。

そうは言ったけど……結衣がちゃんと理解できる頃には俺よりも好きな人が出来てるんだろうな。


「さ〜ってと、結衣()()()にご飯作ろ!」


「……うん」



今は結衣とお風呂に入っている。

最近は別々に入ってたけど、今日は結衣から「一人だと怖いから一緒に入って」と言われたから一緒に入っている。さっきの事もあったからか、結衣の口数がかなり少ない。好きの気持ちを伝えたのに、伝わらないのは悲しいよな。


「結衣……」


「なあに?」


「結衣はお姉ちゃんのどういう所が好きになってくれたの?」


俺がそう聞くと結衣は顔をそっぽに向かせて


「……言わないもん……」


と言われてしまった。お姉ちゃんは悲しいよ〜


「お姉ちゃんはね〜結衣の寝てる顔だったり、時々甘えてくれるところが好きだな〜。あと〜ほっぺがぷにぷになところとか、お姉ちゃんをちゃんと頼ってくれるとことか好きだよ!」

「他にも〜嬉しかった事とか学校の話をしてくれる所が好きだな〜」


俺がそう言うと結衣のほっぺがカァッと赤くなっていくのがわかった。結衣のこういう風に感情がわかりやすいのも好きだよ〜!


「……お姉ちゃんは優しいし……可愛いし……時々すごくカッコいいところが好き。あと、あ…甘えさせてくれること……」


結衣が俺の好きなところを言うと抱きついてきて俺の胸に顔を押し付けてきた。恥ずかしくなったのかな?


「ふふっ結衣は可愛いね」


俺がそう言いながら結衣のほっぺを揉みほぐす。

結衣は「む〜!」と言いながら顔をグリグリと押し付けてくる。


「ほら、そろそろ髪洗っちゃお。のぼせちゃうよ」



お風呂から出て歯も磨き寝る準備が万端になって今は結衣がベッドに入っていて俺は仕事をしている。


◆ ◆ ◆


「結衣、冬休みどこか行きたい?」


「‥‥お姉ちゃんと旅行に行きたい。二人だけで」


「いいね!何泊したい?」


「……いっぱい!」


「ふふっそうだね」


「結衣」


「なあに?」


「お正月にね、お姉ちゃんの家族が家に集まるんだけど……結衣は行きたい?」


「……お姉ちゃん達も来るの?」


「来るだろうなぁ、結衣に会うためにね」


「じゃあ行く!」


「わかった」


◆ ◆ ◆


「結衣」


「………」


「結衣?」


俺の声に反応しなくなった。

さっきまでは普通に話してたのに、俺はベッドの方を見て……


「やっぱりまだまだ子供なんだなぁ」


結衣は眠りについていた。

俺はそっと結衣の頭を撫でる。すると


「お姉ちゃん……大好きだよ」


と、寝言が聞こえてきた。ふふっ可愛いな〜俺と楽しい事をする夢でも見てるのかな?

俺はそっと結衣のほっぺにキスをしてベッドに入った。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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