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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#43 デート

「混んでるな〜結衣、はぐれないようにな〜」


「うん!」


やはり休日のショッピングセンターは沢山の人で賑わっていた。特に映画館には沢山の人がいる、そのほとんどが先日公開された有名な監督の最新作を見る人だった。もちろん俺たちもそれを見に来ている。席の予約が空いてるか確かめたら幸運な事にちょうど四席だけ空いていた。これも結衣達の普段の行いが良いからか。


「みんなはお菓子どれにするんだ?」


映画といったらやっぱりお菓子とジュースだよな。


「私はプレミアムキャラメル味がいい!」


「う〜ん……私は塩かな」


未空ちゃんはちょっと高いキャラメル味、夢未ちゃんはシンプルな塩味。俺はスナックじゃがのカレー味でいいか、面白そうだし。


「結衣はどうするんだ?」


「ん〜……パパと同じのが良い!」


「そうか、じゃあ味は違うのが良いな、よし。飲み物はどうする?」


お菓子が決まったら次はジュースだな。


「じゃあ〜レモネード!」


「私は……ストロベリーナタデココのカルピス」


「結衣は〜イチゴタピオカミルクティーがいい」


最近はいろんなのがあるんだなぁ、最後に来たのは……何年前だ?


「よし、決まりだな。買ってくるから待っててな」



「よし、行ったな。結衣ちゃん、うまくやるんだよ!」


「う、うん」


パパが私たちのお菓子とかを買いに行ったのを確認して未空ちゃんがコソッと言ってくる。

今日はお姉ちゃん達が協力してくれて、パパと一緒に遊べるようにしてくれたの。


「映画見終わったら私たちはぶらぶら歩いてるから、葵お兄さんと楽しむんだよ〜」


「うん!」


「大丈夫?ちゃんと覚えてる?」


「大丈夫!来る途中もずっと練習してたもん!」


「なら大丈夫だね!」



俺がお菓子とジュースを持ってくると結衣達は何か話していた。


「なんの話をしてるんだ?」


俺が三人に声をかけると結衣がビクッとしながら振り返った。その顔は少し緊張してるような感じがした。


「わっ!なな、な何でもないよ!ねっ?」


「うん、楽しみだねって離してただけだよ」


「そうか!いや〜楽しみだな。映画なんて久しぶりだし」


結衣も友達とかと映画を見るのは初めてだろうし楽しみなんだろうな。


「よし、そろそろ始まる時間だし行くか」


「「「うん!」」」



映画が終わって、中から出てきた。

未空ちゃんは号泣していた。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


「うぅ〜だ、だってぇ〜」


映画が終わって10分経ってもまだ号泣し続けている。まあ見てる人達の中にも号泣してる人は結構いたしな、俺は映画とかで泣いたことないからよくわからないが。


「あ〜……お昼ご飯どうする?」


「私たちはお腹あんまり空いてないので、結衣ちゃんと食べてきて良いですよ」


俺がそう言うと夢未ちゃんがそう言ってきた。けど、子供を一人にはしたくないなぁ、あんな事もあったし。


「お金も持ってるし、大丈夫ですよ!」


「けど……」


俺がそう悩んでいると夢未ちゃんが近づいてきて耳元で


「結衣ちゃんに甘えさせなくて良いんですか?」


と言ってきた。そう言われると……昨日とかはずっと二人といたから結衣とはまったく話とか出来なかったからなぁ……けど〜


「じゃあ私達行きますね!3時にここに集合でお願いします。行くよお姉ちゃん!」


俺が悩んでいると夢未ちゃんは未空ちゃんとどこかに走り去ってしまった。もしかして……さっきなんか話してたのはこういう事なのか?


それじゃあ二人の好意に甘えて昨日甘えさせれなかった分今日は楽しませるか。


「結衣、お昼ご飯にする?それともお買い物にする?」


側でオドオドしながらこっちを見ていた結衣に話しかける。今日は結衣を最優先にしてあげていっぱい甘えさせてあげないとな、だから昨日ちょっと機嫌悪かったのか。ごめんな、結衣。


「え、えっと、お昼ご飯が良い!」


「そうか、それじゃあフードコートに行くか!何食べたいか考えておいてね」


「うん!」


そう言って結衣は俺の手を握ってきた。そういえば会ってばかりの頃は結構手を繋いでたけど最近はあまり手を繋いでないなぁ。結衣の手は結構ちっちゃいくて可愛いんだよな。


フードコードに着くとお昼時なのもあって結構席が埋まっていた。

俺はなんとか二席確保して回ることにした。


「結衣今日はなんでもいいぞ」


「ほんとっ!?」


「ああ、昨日は寂しかっただろ?だから……今日はいくらでも甘えて良いよ」


俺がそう言うと結衣がぎゅっと抱きついてきた。

俺は抱きついてる結衣の頭を撫でる。ごめんな〜


「今日は絶対離さないもん!」


そう言いながらもっとぎゅ〜っとしてくる。その顔はとても輝かしい笑顔をしていた。


「ほら、早くご飯選ばないと時間無くなっちゃうよ」


俺がそう言うと結衣がハッとしたような顔をしながら周りをキョロキョロ見渡す。そしてあるところで視線が止まった。


「お姉ちゃんあそこが良い!」


なんだ、もうパパ呼びは終わりか〜。まあパパも良いけど……お姉ちゃんがやっぱり落ち着くなぁ。


「そうかじゃあそこにするか!」


結衣が指差していたのはパンケーキ屋だった。そういえばあそこの店ってテレビで紹介されてたな、確か……クリームが山盛りにされててジャムも大量にある店だったな。う〜ん俺の胃袋持つかな〜


「それじゃあどれにする?」


「えっとね!これと、桃のパフェ食べたい!」


「おっいいね、それじゃあ買ってくるから座って待ってて」


俺はそう言って列に並ぶ。流石にテレビに紹介されていただけあって他の店より並んでる人が多かった。

そして10分並んでやっと買う事ができた。


俺が席に戻ると結衣が耳につけてたアクセサリーを眺めていた。


「お待たせ〜食べよっか」


「わっ!」


そんなに集中してたのか俺が声をかけるとビクッと肩を揺らし、顔を真っ赤にしていた。好きな人の考え事でもしてたのかな?そういえば好きな人いるって言ってたしな。


「ほら食べよ!」


「うん!」


そう言うと結衣はクリームとジャムたっぷりのパンケーキを頬張り始めた。


「どう?美味しい?」


「うん!すっごく美味しい!」


そう言う結衣の顔はとても両方のほっぺをリスみたいに膨らんでいた。

可愛いなぁそんなに詰め込んじゃって。………ほっぺをツンってしたいけど、良くないよな〜。


「んにゅ?なんか付いてる?」


俺がずっと見ていたのに気づいたのか結衣がこっちを見ながらほっぺを確認する。


「大丈夫、何もついてないよ」


俺がそう言うとハッとような顔をして食べていたパンケーキを切り分けて俺に差し出してきた。


「お姉ちゃん!はいあ〜ん!」


「おっいいのか?それじゃ」


俺はそのままパンケーキを食べる。


「ん〜!やっぱり美味しいな」


「だよね!」


「ほら、結衣も。あ〜ん」


結衣から貰ったんだから俺もお返しをしないとな。俺は食べていたブドウのパフェを結衣の前に出す。


「はむっ!ん〜美味しい!」


はぁ可愛い(語彙力崩壊)



今はベンチに座りながらパンケーキとパフェを完食した結衣のお昼休憩をしている。結衣は俺の肩に寄り掛かりながら少し眠そうにウトウトしていた。


「結衣眠いなら寝ても良いんだよ?」


俺がそう言うとバッと寄り掛かるのをやめて


「大丈夫!眠くないよ!」


と言ってきた。流石に無理があるだろ〜


「結衣15分だけ寝るか?」


「やっ!……そしたらせっかく…お姉ちゃんとの……の時間無くなっちゃう」


肝心なところで声が小さくなって聞こえなかったけど、俺との時間が減っちゃうのが嫌なのか。けど、眠いまま動いても良い思い出にはならないだろう。


「結衣眠いまま動いたら疲れたって思い出になっちゃうよ。それは嫌でしょ?」


「やだ!」


「だったら少しだけ寝よ?ちょっとで良いから、そしたら疲れも無くなってさっぱりするよ」


俺がそう言ってもまだ結衣は起きようとしている。ここはもう一押しだ!

と思ってたら結衣が


「それじゃあ……結衣の好きな格好で寝ても良い?」


と聞いてきた。


「ああ良いぞ」


俺がそう言うとパアッと明るくなった。そして恥ずかしそうに


「あと……頭……撫でてて欲しい」


と言ってきた。……可愛すぎだろ!


「もちろん良いぞ」


俺がそう言うと結衣は俺の膝の上に座り顔を胸に埋めるようにしながら寝始め、少ししてから「すぅ……すぅ……」と寝息が聞こえてきた。俺は結衣が寝てる間ずっと頭を撫で続けた。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


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