#41
結衣視点です
「結衣ちゃんは私と寝るの!」
「夢未はさっき一緒にいたでしょ!今度は私が一緒にいるの!!」
「「む〜!!」」
何でそんなに私と寝たいんだろう、わかんないなぁ。しかも今日はパパと寝るって約束してたし…こういう時パパはどうするんだろう。
「んん〜?お前ら何の話してるんだ?」
お姉ちゃん達が言い争いをしているとパパが起きてきた。
「あっ!葵兄ちゃん。今日はどっちが結衣ちゃんと寝るか決めようとしてたんだけどさ〜夢未は全然言う事聞かなくて」
「言う事聞かないのはお姉ちゃんの方でしょ!」
二人の言葉を聞いてパパが口を開く。
「……お前ら何言ってるんだ?結衣は俺と寝るんだぞ。なぁ結衣」
と、言ってしまった。そんな事言ったらお姉ちゃん達もっと激しくなっちゃうよ〜!
「ほんとなの!?結衣ちゃん!」
「どうなの結衣ちゃん!」
二人とも私の方を向いて聞いてくる。こ、怖いよ〜
「え、えっと…」
私は助けを求めるようにパパの方を見る、すると目が合った。そしてパパがコクンと頷いてくれた。大丈夫かな、ちゃんと伝わったかなぁ?
「元々は結衣は俺と寝る予定だったけど…まさかここまで仲良くなるとは思わなかったよ。それじゃあ三人で寝れば良い。結衣もそう思ってるぞ」
パパは言ってやったぞと言わんばかりの顔をしている。けど…
パパ〜!私が言って欲しいのはそういう事じゃないんだよ〜
「三人で寝れるんですか?」
夢未お姉ちゃんがパパにそう聞く。
「ああ、布団はあるぞ」
そう聞くと夢未お姉ちゃんはパアッと明るくなって
「それじゃあ三人で寝ようよお姉ちゃん!川の字になってさ!」
と提案する。……かわのじになって寝るってどういうことなんだろう?
「…まあ、結衣ちゃんが良いって言うなら良いけど…」
未空お姉ちゃんも納得したみたいで了承してくれた。よかったこれで喧嘩が収まるね!
「それじゃあ早く寝る準備しよ!」
そう言って夢未お姉ちゃんが凄いスピードで部屋に戻って行った。そしてすぐに歯ブラシを持って帰ってきた。私も歯磨きしないと。
「俺はお風呂入ってくるから部屋に誰も居なくなったら電気消しといてくれ〜」
「「はーい!」」
パパからの言葉に元気に返事をする二人のお姉ちゃん。こんなに仲良さそうなのに私の事になるとあんなふうになっちゃうんだろう。そんな事を考えながら歯ブラシに歯磨き粉をつける。
「結衣ちゃん!お姉ちゃんが磨いてあげる!」
私が歯を磨こうとすると未空お姉ちゃんが近寄ってきた。今は夢未お姉ちゃんがトイレに行っている。
「え〜一人で出来るよ〜」
「ダ〜メ。ちゃんと奥まで磨いて綺麗にしないとお口が臭くなちゃって好きな人に嫌われちゃうよ?」
確かに一人だとちゃんと奥まで綺麗にできてるかわかんなかったし……だったらやってもらった方が良いのかな?
考えてるとお姉ちゃんが座って膝をポンポンと叩いていた。
「結衣ちゃんおいで、やってあげるよ」
そう言われると断るのも申し訳なくなってくる。……うん!パパに嫌われたくないしやってもらおう!
私はそう考えて未空お姉ちゃんの膝の上に頭を乗せてアーンと口を開ける。
「お〜結衣ちゃん綺麗に磨けてるね!」
「ほうなの〜?」
「うん。夢未よりちゃんと磨けてるよ」
ちゃんとした磨き方をパパから教わってたからね!
「はい!おしまい!くちゅくちゅぺってしてきな」
「うん!」
うがいをしに行くとトイレから夢未お姉ちゃんが出てきた。そして私と目が合うと目を輝かせてきた。もしかしてこの感じは…
「結衣ちゃん!お姉ちゃんが歯を磨いてあげよっか!」
だよね〜やっぱり思った通り。
「夢未お姉ちゃんごめんなさい、もう終わっちゃってこれからうがいをしようと思ってて…」
「え〜そうなの〜?残念…」
と言って行ってしまった。あれ?もっと「仕上げやってあげる」とかいうのかなって思ってたんだけど……どうしたんだろう。こうなると逆に心配になってきちゃうよ〜
うがいをして部屋に戻るとお姉ちゃん達が歯を磨きながら話をしていた。
「結衣ちゃんってすごく可愛いよね〜!」
「うん!なんか放って置けないっていうか……お世話したくなっちゃう」
「わかるわ〜何でだろうね〜夢未は何とも思わなかったんだけどね〜」
「え〜ひどくない〜」
「ふふっ嘘だよ。夢未も可愛いし大好きだよ!」
「私もお姉ちゃん大好きだよ〜!」
やっぱり仲は良いんだ、だったら尚更一緒にやったら良いのに……
私も兄弟とかいたらあんな感じになるのかなぁ。お姉ちゃん達を見てるとちょっと羨ましいなぁって思っちゃう。
「あっ!結衣ちゃんおかえり!」
扉の間から見ていたら未空お姉ちゃんに見つかっちゃった。そして凄い勢いで未空お姉ちゃんがこっちに来て扉を開けて抱きついてきた。そして抱きつかれたから未空お姉ちゃんのおっきなお胸に顔が埋められる。
「結衣ちゃん盗み聞きしてたの〜?ダメでしょー」
「むー!むー!」
未空お姉ちゃんのおっきなお胸に埋められて上手く喋れない。さらに首が……締められる〜
「お、お姉ちゃん首結衣ちゃんの絞まってる!」
う…夢未お姉ちゃん…優しい
「え!ごめんごめん苦しかたよね」
そう言ってやっと未空お姉ちゃんのお胸から解放される。こうされると自分がちっちゃいってもっと思っちゃうじゃん!
「それじゃあ布団用意して寝よっか!」
そう言いながら隣の部屋に戻る未空お姉ちゃんを見てると夢未お姉ちゃんが近づいてきた。
「結衣ちゃんお姉ちゃんがごめんね。お姉ちゃんは好きな人にはすぐに抱きついちゃう癖あるの。悪気はないから許してあげて?」
と、夢未お姉ちゃんが謝ってきた。まったく、未空お姉ちゃんのお胸は私にとって凶器になるから(精神的にも身体的にも)ダメージが大きい。まあ……嫌では無いんだけど…
「ほらっ早く行かないとお姉ちゃんからまたぎゅーってされるよ」
それは嫌だから早く行こう。
部屋に入ると未空お姉ちゃんがお布団を出してくれていた。お布団は横に三つ並べられていた。川の字って漢字の川みたいに並びながら寝ることだったんだ〜
「はいっ!結衣ちゃんは真ん中だよ!」
そう言って未空お姉ちゃんは真ん中をポンポンと叩いている。ていう事は未空お姉ちゃんと夢未お姉ちゃんに挟まれながら寝れるんだ〜……朝起きたらお姉ちゃん達のお胸に挟まれてそうだなぁ。流石にそこまで寝相は悪くないよね、うん。あっそうだ、あれ伝えておかないと
「未空お姉ちゃん、夢未お姉ちゃん、結衣寝相悪いから蹴っちゃたりしたらごめんね」
最近はパパの腕にしがみつきながら寝てるから大丈夫だったけど……流石にお姉ちゃん達に抱きつきながら寝るわけにはいかないしね。
「大丈夫!大丈夫!夢未も結構寝相悪いから」
そう言いながらケラケラと笑う未空お姉ちゃん。それに夢未お姉ちゃんはほっぺたをプクッと膨らませながら
「そんなに悪くないもん!朝起きたら反対側に枕があるだけだし!」
……夢未お姉ちゃん、それを普通寝相が悪いって言うんだよ。
そしてみんなでお布団に入る。そうするとお姉ちゃん達が私にくっついてくる。そして両腕にお姉ちゃん達のお胸がくっついてきて落ち着かない。けど両隣から「す〜す〜」と寝息が聞こえてくるから離れるわけにはいかないし……ていうよりもお姉ちゃん達寝るの早すぎるよ〜せっかくお話できると思ったのに〜残念だなぁ。
***
俺がお風呂から出ると部屋の電気が消されていた。三人とももう寝たみたいだ、それにしても三人で寝るとは……予想以上に仲良くなったな、これだったら正月に連れて行っても大丈夫そうだな。
にしても結衣、俺のことパパって……もうお姉ちゃんじゃなくてもいいのか……あの時とは違うもんな。ま、俺は変わる気はないんだけどね。今まで通り髪は長いままだし、服装も女でも男でもいける服装だし。
今日はもう少しお酒飲んでよっかなぁ
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