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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#31 結衣と一緒にお弁当作りそして倒れる

「お姉ちゃん結衣も手伝うよ!」


木曜日の夜、俺は明日のためのお弁当の下準備に追われていた。なぜって?そりゃあ明日は結衣の学校の運動会だからな!!張り切って準備して結衣が頑張れるようなお弁当を作ってあげないといけないからな!これは親としての当然の義務なんだよ!


俺は今唐揚げの下味をつけようとしている。


「それじゃあ結衣はそこにある生姜をすりおろして貰おうかな」


「わかった!」


「ちゃんと手を洗うんだよ〜」


いや〜子供と一緒に作るってすごく良いよな。

っと、のんびりしてる場合じゃないな。結衣がやってくれているうちに他の物の準備もしないとな。


「お姉ちゃん出来たよ!」


俺が茹でたじゃがいもを潰していると結衣が報告に来た、結構早かったな。


「それじゃあ次はお肉が入ってる袋があるでしょ、そこにお醤油とお酒、あとごま油をメモの通り入れて少し混ぜてあげるんだけど、できる?」


「うん!」


「そう、それじゃあお願いね!」


「わかった!」


そう言ってまた戻っていく。

俺はじゃがいもを潰しながら横目で結衣を見る。結衣は賢いからちゃんとできると思うけど…念のため、ね。結衣はしっかり俺が用意したメモの通りしっかり分量を計って入れている。ん〜これが当たり前の光景なんだけど…感動するなぁ。

だって母さん、いっつも『だいたい』で作るからアホ程しょっぱかったり、甘かったり、全く味かしないなんて事もよくあった。しかも「あら〜間違えちゃった〜」って言って終わるから改善されない。俺たちは何度も注意したが、父さんが「俺が結婚する前から言ってるが直ったことは無い。お前ら、諦めろ」って言うくらいには改善されない。


「お姉ちゃんできた!」


俺が全部のじゃがいもの味付けを終わらせた頃結衣がお肉の入った袋を持ってきた。


「それじゃそれを冷蔵庫に入れてちょうだい」


「うん!……入れてきたよ!お姉ちゃん他には!」


「う〜んそうだな〜…それじゃあ一緒に春巻き作ろっか!」


「わかった!!」


俺は次に春巻きを作ることにした。春巻きの中身はチーズ、ハムチーズ、お肉の三種類作るつもりだ。


「結衣、まずは春巻きの皮を1枚剥がして。ゆっくり丁寧に、破けないように注意するんだよ」


「こう?」


「そうそう、次に手前に入れたい具材をのせる」


「できたよ」


「そしたらこんな風に巻いてくの、それであと一回巻けるところまで行ったらこれを先の方につけて巻く。これで完成だよ」


「お姉ちゃん、このお水は?」


「これは小麦粉を水で溶かしたものだよ。これを付けることで接着剤になってくれて綺麗に揚げることができるんだよ」


「へえ〜」


「それじゃあやっていこっか」


「うん!」


俺は一通り結衣に作り方を教えた。結衣は黙々と作っていた。その様子はもう言葉に表せないくらいには可愛かった。そして見ててわかったのが結衣は結構手先が器用らしい。俺よりも綺麗に巻けていてなんか凄い敗北感があった。いや〜結衣は姉ちゃんと同じ女の人なのに…こんなにも違うのか。……うおっなんか寒気を感じた。


そして春巻き作りはものの10分程度で終わった。


「いや〜結衣が手伝ってくれてるとすごく助かるよ」


「えへへ〜どういたしまして!」


結衣のおかげで結構早く終わったし、う〜ん……


「それじゃあ次は〜デザート作ろっか!」


「やった!」


「結衣、なに食べたい?」


ここまで早く終わるとは思ってなかったから考えてなかったんだよな。


「う〜ん……ゼリー食べたい!」


「ゼリーでいいの?」


「うん!」


「それじゃあゼリーにりんごとか入れよっか!」


「やったー!」



「「ふぅ」」


俺たちはやっとデザートを作り終わった。最初はゼリーだけだったけど流石にそれだけじゃ寂しいかなって思ってプリンを作ろうとしたら思いの外時間かかっちゃった。もう11時30分を過ぎてるし、結衣はいつもだったらもう寝てる時間だから少し眠そうに目を擦っている。


「結衣、寝る前にお風呂入らないと」


「ん〜…眠いからいい〜」


もう結衣はおねむで今すぐにでも寝たそうだ。けど…女の子だからお風呂に入らないのは良くないと思う。


「結衣、お姉ちゃんと入る?」


「入る!」


俺がそう言うと結衣は眠たそうにベッドに寝転がっていたのにすぐに飛び起きてお風呂に向かって行った。


俺は久しぶりに結衣の髪を洗っている。最近家では一緒に入ってないからなぁ、少し懐かしい。


「そういえば結衣は何の競技に出るんだ?」


「えっとね〜100メートル走とダンスとリレーと…あ、あと借り物競走に出るよ!」


……だ、ダンス…結衣の……天使がダンスなんて……俺生きていられるかな。


「お姉ちゃん!?鼻血出てるよ!?」


俺は気づいたら鼻血がドバドバと出ていた。いや、だって、天使(ゆい)がダンス……うっ……バタっ!



「……ちゃん……お姉ちゃん!」


「ゆ、結衣?」


俺が目を覚ますと裸の結衣が俺のお腹の上に馬乗りになっていたあぁぁぁぁあああぁぁぁあ!??!!ちょっ、おま、ええぇぇぇ!?何で!?これどういう状況!?なんで俺も結衣も裸なの!?ていうか、え、え?!?


「よかったお姉ちゃん急に倒れちゃうから…怖かったよぉ」


すると急に結衣は泣き出してしまった。え……マジでどういう状況?全く記憶ないんだけど……いや、落ち着け、俺。一回冷静になって思い出してみろ……確か俺結衣になんの競技に出るか聞いてて……


……………あ



「すぅ…すぅ…」


結衣はお風呂から出るとすぐに寝てしまった。元々疲れてたってのもあると思うけど、やっぱり泣き疲れたのが大きいかなぁ。

いやぁまさか鼻血出してそのまま倒れるとは……明日はこんな事にならないようにしないとな。


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