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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
23/147

#22

「お姉ちゃんまだ泣いてるの〜?」


授業が終わり俺は子供たちに囲まれていた。そして俺はいまだに泣き続けている。だってしょうがないじゃん!愛しの結衣からあんな事を言われたんだよ!?もう嬉し過ぎて脱水症状が出ちゃうくらいだよ。


「だ、だってぇ」


「も〜しょうがないなぁ♡」


そう言うと結衣は俺に抱きついてきた。それを見た子供達(特に女の子)から声が上がる。


「そーしそーあい……羨ましい」「私も今度……」「みんなの前で……これが“愛”」「………」


保護者からは微笑ましい子供を見る様な目で見られていた。

はっきり言って結衣の作文のせいでまともな判断が出来ないから周りからの目は気にならない。いや、ほとんどの親だって最後に『大好き』なんて言われたらもう……こうなるって。まぁ俺は涙もろいからこうなってるだけかもしれないけど。


〈キーンコーンカーンコーン〉


チャイムが鳴ってみんな机に戻っていく

はっ……俺は何をしていた?ちょっと思い出してみよう。………なんだろう、すごく顔が熱くなってく気がするなぁ。隣を見ると紅葉さんが微笑みながらこちらを見ている。


「お、お帰りなさい。葵さん」


「私……大丈夫でしたか?」


恐る恐る聞いてみる。


「大丈夫ですよ。皆さんからは相思相愛の家族と認識されただけですから」


なら問題ないな!家族ならお互いのことが大好きに決まってるもんな!!まあ結衣の場合はそうじゃ無かったんだけどな。けど俺は今まで得られなかった愛情をたっぷり結衣に注いであげるんだ、これが俺の役目だからな!!


「……なので皆さんはこの後集団下校になります。保護者の皆様はお時間があれば懇談会に出席して頂きます」


そうだ、この後懇談会があるんだった。それだと結衣の方が先に帰る事になるな、その前に鍵を渡しておかないと家に帰れなくなっちゃうな。


「あっあと伝え忘れてましたがお子さんも一緒に参加も出来ますのでご安心ください」


……まじか、最近の懇談会って子供と一緒に出席出来るのか。俺らの頃は参加したくても出来なかったからなぁ。昔とは違うのかぁ


「結衣はどうする、一緒にいる?それとも先に帰ってる?」


「う〜んちょっと待ってて」


そう言うと結衣は楓ちゃんの方へかけて行った。そして少し話して戻ってきた。


「楓ちゃんも残るから結衣も残る!」


「わかった」


懇談会が終わったら紅葉さんたちと一緒に帰ることになった。



懇談会が終わり今は4人で帰っているところだ。ちなみに懇談会の内容は事前に貰っていた資料の内容だった。それと俺達の紹介が追加されていて簡単な自己紹介を行うことになった。

いや〜奥様方からの質問攻めは大変だったな〜。しかももっと大変だったのは初対面のシングルファザーの人に『付き合いませんか?』って言われた事だ。確かにお互い片親だから結婚しても良いけど(良くない)初対面の人に言う事じゃないし、第一俺男だし。


「それにしても二人に血が繋がってないとわね〜びっくりしたよ」


歩いていると紅葉さんがそんなことを言う。


「いや〜俺は言うつもりは無かったんですけどね。まあ結衣が言った事ですし私はそれを尊重しますよ」


「私もびっくりした〜いつもあんな仲良さそうだから…」


「作文の内容が『私の家族』だったから、ちゃんと言ったほうが良いのかなって」


結衣はあんな話をしたが他の子は家族の好きな所や思い出に残っている事を作文に書いていた。まぁ作文の内容は自由だし何の文句も無いし、嬉しかったからいいけど。


「そうだ、この後お茶しない?これからの事も話したいし」


「あー良いね。それじゃあお邪魔させて貰おうかな」


これからの事は運動会とか遠足、あと創立記念の事だろう。


「お母さん、結衣ちゃんと駄菓子屋行って良い?」


一緒に行くと聞いた楓ちゃんがお母さんに聞く。2人で遊びに行くのかな?


「お母さんは良いけど、葵さんにも聞きなさい」


「葵さん、結衣ちゃん貸してもらって良いですか?」


結衣の方を見ると『行きたい』って目で訴えてくる。まあダメって言う理由も無いし子供同士の付き合いも大事だから行かせないとな!


「行ってきて良いよ。あと、はいお小遣い。楓ちゃんも」


2人にお小遣いに1000円を渡す。せっかく友達と遊ぶのにお小遣いが無かったら悲しいもんね。俺はよく友達から借金してたからな、小遣いのない時の気まずさがよく分かるんだよ。


「わあ〜ありがとうございます!」


「すみませんこんなに〜」


紅葉さんが申し訳なさそうに言ってくる。


「いえいえ、せっかくのお出かけですし。楽しんで貰わないと、それにいつも楓ちゃんにお世話になってますし。ねぇ結衣」


「うん!」


「早く帰ろっ結衣ちゃん!」


そう言って結衣の手を引いて走り出す楓ちゃん。いや〜尊い。ちっちゃい子(4年生)が一緒に走ってるって……良いよね。それに………おっとこれ以上は辞めておこう。


家に着いて荷物を置いてすぐに出掛けようとする結衣を止める。だってせっかくのお買い物なんだから可愛くしなきゃね。結衣の髪を最近勉強した「フィッシュボーン」という結び方にする。


「わぁ〜可愛い!お姉ちゃんありがと!」


「どういたしまして。可愛いよ♡」


ふと横を見ると楓ちゃんが羨ましそうにこちらを見ている。やって欲しいのかな?


「楓ちゃんもやってあげようか?」


「やってくれるの!?」


うおっ食い付きがすごい。そういえば楓ちゃんがヘアアレンジをしてる所見た事がないな


「良いよ、簡単だからね」


そう言ってパパッと髪を結ぶ。お〜結構可愛いな、まぁ結衣の方が100万倍可愛いけどね!


「楓ちゃんお揃いだね!」


「うん!それじゃあ行ってくるね!」


「「行ってらっしゃ〜い」」


二人が出て行く。

扉が閉まると紅葉さんが


「葵さん、葵さんはいつも髪結んであげてるんですか?かなり上手ですよね?」


と聞いてきた。


「いつもじゃないですけど、2日に一回くらいでやってあげてますよ。紅葉さんはどうなんですか?」


「実は私髪結べないんですよね〜。楓が小さい頃はやろうとしたんですけどどうしても上手くできなくて諦めたんですよね」


あー最初は難しいよな〜分かるわ〜。俺だって姉ちゃんの髪で練習して無かったら出来てないだろうし。


「それなら簡単な結び方教えましょうか?慣れれば簡単ですよ」


「良いんですか!!」


「それじゃあさっそく練習しましょうか。ちょっと家からカツラ持って来ますね」


家には練習用のカツラがある。新しい結び方を練習するのに便利だからな。流石に初めての結び方のやつを本人の髪で試す度胸は無い。だって失敗しちゃったら痛いじゃん。


ちなみにそれからは2人が帰ってくるまでずっと練習をしていて話は一切しなかった。


最後まで読んで頂きありがとうございます!


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