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男の娘(成人済み)は小学生と暮らす  作者: リアン
4年生編
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#1 出会い

部屋に入るとそこには俺の両親、姉夫婦、それと父さんの兄弟の家族が集まっていた。居間には両親と父さんの妹さんがいた。


「あら〜葵くんこんなに可愛くなっちゃって〜おばさん嬉しいわ〜」


部屋に入ってきた俺に最初に話しかけてきたのはお父さんの妹の沙耶(さや)さんだ。


「お久しぶりです、沙耶おばさん」


「あら〜そんな可愛い声になっちゃって、小さい頃のヤンチャな葵くんが懐かしいわ〜」


「ははは、そうですねー」


はっきり言って小さい頃の事はほとんど覚えていない。


「沙耶おばさん、久しぶりの甥っ子見れて嬉しいのはわかるけど葵を連れて来た理由を説明しなきゃいけないんじゃないんですか?」


ん?俺を呼び出したのは姉ちゃんじゃなかったのか。


「あらそうだった。けどここで話しちゃって良いのかしら?」


すると父さんが


「問題ないよ、葵そこに座ってくれ」


と言った、何がなんだかわからないから早く説明してほしいものだ。取り敢えず言われた通り座ることにした。


座ると沙耶おばさんが口を開いた


「実は、葵くんにお願いがあって今日は来てもらったの」


お願い事?なんか嫌な感じがするな。年上の人が丁寧な言い方の時は9割めんどくさい事に決まってるからな。


「そのお願い事が…子供を育ててみない?」


………ん?なんかすごい事が聞こえてきたような気がするな。いやぁ、聞き間違いかもしれないしもう一回だけ聞いてみるか。


「…すみません、よく聞き取れなかったのでもう一回言ってくれませんか?」


「子供を育ててみない?」


子供を…育てる?…え、何言ってるんだこの人。なんで結婚してもない俺に頼むんだ?俺に頼むくらいなら結婚してる姉ちゃんに頼んだほうが良いと思うんだが。


「ちなみに理由を聞く事ってできますか?俺に頼むくらいなら姉ちゃんに頼んだ方が…だって子供も育ててるし」


「だからこそよ!朱音ちゃんは今子育てで忙しいの、それに2歳って結構大変な時期なのにそこにさらに子供を追加しちゃったら朱音ちゃん死んじゃうわよ」


姉ちゃんが死ぬ…いや無いな、無い。


子供を育てる父さんとか母さんがいつまで経っても俺が結婚しないからこんな話を持ち掛けたのか?いやだって、「女の子より女の子をやってる」って女の子に言われた俺が結婚出来るわけないじゃん。


「あ、そうそう。その子小学生だからそんなに手はかかんないわよ。それに女の子だから葵くんが女の子のセンパイになってあげられるんじゃないかな〜って」


なんか急に犯罪臭がしてきたな。男の家で女子小学生と一緒に暮らせってヤバいな。


「最初は朱音ちゃんに頼もうと思ったんだけど、朱音ちゃん女子力が微塵も無いから諦めたのよ〜」


と本人の前でそんな事を笑いながら言う沙耶さんが恐ろしく見えた。まあ確かに姉ちゃんは女には見えない、多分俺と姉ちゃんの性別を交換したら良い感じになると思う。


「葵、引き受けたら良いじゃん。この前子供のイラストを描く練習がしたいって言ってたしちょうど良いじゃない。葵は絵の練習ができる。その子は大人の女性(笑)がいて安心して生活ができる一石二鳥でしょ?」


姉から爆弾発言が放たれる。いや確かに子供の絵を描く練習がしたいって言ったけどさこういう事じゃなく無い?なにお父さんたちも「ちょうど良いじゃないか」なんて顔しながら頷いてるのさ。親ならせめて心配するとかあるでしょ。…いや俺の親にはそんなの無かったわ。


「決めるのは後でも良いから少しだけ話とかして来てくれない?今2階にいるから」


まあ話をするだけだったら…良いかな。その子が俺を気に入ってくれれば一緒に暮らしても良いけど。まあ俺なんかを気にいるわけないよな。


「わかりました。話をしてきます、部屋はどこですか?」


「葵の部屋よ」


…え?母さん今なんて言った、俺の部屋!?嘘…だろ、黒歴史の宝物庫(おれのへや)にいるのか!?なんちゅう所で過ごさせてんだよ!そこには俺の恥ずかしい写真とか小さい頃描いたイラストがあるのに。


「だってこれから葵と暮らすから葵のことを知ってもらえて良いじゃない」


なんでこの人達は暮らすこと前提で話を進めてるんだ!?いやまあ一人は寂しいから誰かと一緒に暮らせるなら嬉しいけど、小学生とに同居を勧める親なんてこの家以外には無いだろう。


まあこの話を聞いた時内心めっちゃ嬉しかったんだけどね。だって“センパイ,,だよ!?高校生の時はそんな事言われなかったから嬉しいし、子供のイラスト練習がいつでもできるってかなり恵まれてるし。


「まあ行ってくるね」


「いってらっしゃい」



「朱音ちゃん、葵くんは部屋に入れてもらえるかしら?」


「どうでしょうか、私たちは絶対部屋に入れてくれませんでしたからね。けどもし葵が部屋に入れたらーー」



それにしてもまたこの部屋に入る事になるとはな、もう二度と入る事は無いと思ってたんだけどな。

なんか緊張してきたな。心臓からすごい音がなってる、周りに聞こえてるんじゃないかってくらい。


『ガチャ』


「ヒャッ!」


!?!?

びっくりした、部屋の前であたふたしていると急に扉が開けられた。小さく開けられた扉の隙間からこちらを伺うように覗いている綺麗な黒髪の少女と目があった。なんか凄く気まずい、どうするのこの空気。


「…入る?」


すごく細い声で声をかけられた。やばい、この子の声がどストライクで好みだ。それに隙間から見える体だけで可愛らしいのがわかる。こんな子を描けるなら一緒に暮らしても良いかな。


「それじゃあ入らせてもらおうかな」


部屋に入ると懐かしい景色が広がっていた。


「あの頃のままにしてくれてたんだ」


周りに聞こえない程の小声で呟く。部屋は一人暮らしを始める前とほとんど変わっていなかった。それでも埃とかはほとんどなく綺麗に保たれていた。


「…どうぞ」


机の反対側に座布団を置いてもらった。これも懐かしいな〜姉ちゃんとお揃いのを買ったんだっけ。

っといかんいかん。今はこの子と話をしに来たんだ。



【そして0話の冒頭に戻る】



最後まで読んで頂きありがとうございます


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