#16 新しい住人!?
ある日の昼、いつも通り仕事をしていると
〈ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン……〉
「うるせぇぇええええええええええ!!」
おいっ!今平日の真っ昼間だぞ!?なのにインターホン連打してるキチガイがいるんだけど!?どうしようこれ出なくて良いよな。
「ピピピピピ……」
くそ、ついに周期すら守らないで連押してきやがる。しょうがない出てやるか
「真っ昼間からうるせェえんだよ!どこのどいつだ!?あぁ!?」
そしてインターホンを覗くと銀髪の高校生くらいの女とそれより小さい女の子が立っていた……あれ、これ俺やっちゃったぽい?恐喝罪で捕まったりしないよな?
「お昼時にすみません。実は隣に引っ越して来た者で、挨拶にきたんですが…」
最悪だーーー!!!隣に越してきた人(もちろん初対面)の人に恐喝しちゃったよ!!しかも未成年なんだけど!?これ出会い最悪なんですけどー!!しかも隣だったらほぼ毎日会う事になるからめっちゃ気まずくなるじゃん!あーもう!勢いに任せて出なければよかったぁーー!!
こうしていられない!すぐにこの最悪なイメージを払拭しなければ!
「は、はは、お恥ずかしい所をお見せしました〜今すぐ向かうので少しお待ち下さ〜い」
「ゆっくりで大丈夫ですよ。いきなり押しかけてしまったので」
「はい〜」
急いで着替えを終わらせて髪を整え準備をする。くっそー平日に来客なんて来ると思ってなかった。来るとしてもアポがあるからちゃんと準備とかしてる。けど今回は急な来客だ。そんな準備はしてない、てか出来るわけない。
あ〜もう部屋も汚いし、取り敢えず結衣の部屋を使わせてもらおう。
「すみませ〜ん遅くなって。どうぞ〜」
二人の少女を部屋へ入れようとしたらお姉さんが顔を傾けた
「えっ?挨拶って玄関でするもんじゃないんですか?」
「へっ?引っ越しの挨拶って部屋でお話しとかするんじゃないんですか?」
「え?」
「へっ?」
え、なんか凄い気まずい雰囲気が漂ってるんだけど?俺が間違ってるの?いやけど、俺がここに引っ越してきた時は隣に挨拶に行った時部屋に入れてもらって色々話とかしたんだけどな。
「ひかりねぇ、せっかくおもてなししてくれるんだし入ろうよ?」
姉の後ろにいた妹(美少女)が口を開いて姉に助言をする。
「そ、それもそうね。それじゃあ失礼します」
◇
そうしてテーブルを挟んで俺は二人の美少女と対面している。
「え〜なんだ、何話せば良いんだ?わかんないからとりあえず自己紹介でいいか。私は…じゃなくて、俺は神崎葵だ。ここにはあと小学生の子と二人で住んでる。」
簡単に自己紹介を済ませる
「私は明星光って言います。高校生ですで。こっちが…」
「明星星空です」
明星姉妹か、光と名乗った方は銀髪を腰まで伸ばしていて顔はとても大人びていた。しかし…その……どこがとは言わないが…高校生とは思えないほど絶壁だった。
星空の方は髪は肩までに整えられていて顔にはまだまだ幼さが残っているが蒼い透き通った目にはどこか大人の雰囲気を醸し出している。しかし姉と違いあそこはとても立派に実っていた。……これ、逆じゃね?
「そうか、よろしくな!…ところで親御さんはどうしたんだ?流石に子供だけで暮らすわけじゃないんだろ?」
「あ〜お母さん達は……海外にいます」
「海外!?子供を残して!?」
まじか、子供を残して海外に行くとか、親としてどうなんだ。
「すみません、ちょっと言葉が足りませんでした。元々私達ロシアに住んでたんですけど、その、私の仕事の都合で日本に移住する事になったんです。妹はついでに付いて来ることになったんです」
「そうなのか、ていうか日本語上手だね、ロシアに住んでたのに」
光は日本にずっと住んでいたんじゃないかってくらい日本語がうまい。
「いや、実はロシアに移り住んだのは去年からなんですよね〜あと産まれも日本なので」
「あれ、それだったらなんでロシアに?」
「えっと…私達の母親がロシア人で父親が日本人なんですけど、母の仕事の手伝いをするために移住したんです。けどその時に私が有名になってどうしようかってなって私達だけ帰ることになったんです」
そうなのか、二人のお母さんはすごい美人なんだろうなぁ
「ところで…光さんはどんな仕事をやってるの?」
さっきから有名になったとか、仕事の都合とか。高校生には似合わない言葉が出てきていた。
「えっと…その、Vチューバーをやってます。この事はなるべく言わないようにお願いします」
「Vチューバーか〜」
……Vチューバーか、最近は高校生でもなれるんだな。
「それで今度色々あって妹もデビューする事になったんです。その為に日本に来たんですよ!」
「そうなんだ〜実は俺もVチューバーに関わってるんだよね」
「そうなんですか!?もしかして…ガワを描いてる人ですか?」
「おっよく分かったな〜。今新しく新人が入るって依頼が来て描いてるんだよね〜。そうだ!ちょっと見てくれない?」
自分の描いた絵を客観的に見て貰った方がより良いものが描けるからな。それに現役の人に見てもらえる事なんてほとんど無いからな。
「これなんだけどさ〜どうかな?」
「「おお〜」」
おっ良い反応だな。
「凄いですね。綺麗な蒼色の目に青と黄色のグラデ髪、それに服の色合いが綺麗です。それにこの星の髪飾りすごく可愛い!きっと人気者になれると思いますよ!」
姉の方からはすごい好評のようだ。
「……なんかこれひかりねぇに似てない?」
…え?
「そういえば……もしかして盗作ですか!?それは犯罪ですよ!!」
「ちょっ、ちょっとどういう事!俺盗作とかしてないんだけど!?」
そう言うと光はスマホを取り出し少し操作して画面を見せてきた。そこには
【綺羅星ヒカリ】のチャンネルが表示されていた。
「これ私のチャンネルなんですけど……私のを真似て作りましたよね!?」
「え!?これ本当に君のチャンネルなの?」
「そうですよ!」
もしかして…この美少女が俺の…子供ってことか!?ていうことはその隣にいる妹は俺の二人目の子供になるって事!?どんな奇跡が起きてんだよ!
「え〜ちなみに君のママはだれか教えてくれる?」
「ママですか?私のママは蒼崎ママですよ」
確定だな。
俺はスマホの画面を見せる
「俺の仕事用のアカウントだ。これで盗作じゃないってわかるだろ」
そう言って蒼崎神のプロフィール画面を見せる
「「え……ええぇぇぇぇえ!!」」
二人から驚きの声が響く
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