#15
【午後6時】
……今何時!?窓を見ると夕陽が差し込んでる、って事は夕方か〜……寝過ぎたな。それに頭も痛い、水飲も。
(にしても体重いなぁ、今度からは寝すぎないようにしよ)
体を起こそうとするとお腹らへんに何かが巻き付いてるような感じがする。………どゆこと!?
急いで確認するとそこには俺のお腹を抱きしめて寝ている結衣の姿があった。
え、これどうすればいい、結衣が起きるまで待つ?今動いたら絶対に起こしちゃうよね。
少しずつ腕を外そうとしてやっと半分くらいどかすと
「ん〜行かないでぇ」
「………寝言か」
ギュッ
……外れかけてた腕がまた戻ってきた。もう一回外そうとする
「行っちゃヤダぁ」
…また戻ってきた。もう諦めるか、うん。
仕方ない、結衣が起きるまで待つか。
にしても、柔らかそうな顔だなぁ触っても大丈夫かな?ちょっとだけなら大丈夫だよね?結衣の頬をつつく。
プニプニ
おお!餅みたいに柔らかいぞ!次は摘んでみようかな
ムニムニ
おお!伸びた、凄い触り心地がいい、ずっと触ってたい!
「お姉ちゃん?何してるの?」
「ゆ、結衣!?起きてたの!?」
「うん」
やば、もしかしてプニプニした時には起きてたのか?
「お姉ちゃんがほっぺたをぷにぷにされた時に起きたの、けど…お姉ちゃんが気持ち良さそうにしてるから…その…面白くて」
…だよね〜普通自分の頬を触られてたら気づくよね〜。ていうか俺の顔そんなに面白かったの?
「ごめんね、起こしちゃって」
「ううん、もう治ったよ!」
見ると結衣の顔色はすっかり良くなっていた。しっかり寝て薬を飲んだおかげだな。よかったよかった。
「お姉ちゃん、ありがと!!」
「なにが?」
俺は特に結衣にやってあげた事は無いんだけどなぁ
「…なんでもないっ!それよりお腹すいた!ご飯何?」
「なに〜気になるなぁ。まあいっか、夜ご飯は…う〜ん何にしようかな」
「うどん食べたい!」
「うどんでいいの?」
俺としてはうどんは作るのが楽だから良いけど
「あったかいのがいいなぁ〜」
「そう、それじゃあ今日はうどんね。あ、そうだ結衣熱測っておいて、確認のために」
「わかった」
まあ元気そうだし大丈夫だと思うけど念のためにね。
〈ピンポーン〉
なんだ、また母さん来たのか?
インターホンを確認するとそこには誰もいなかった。いやホラー現場起きてるんですけど!?え、これ出た方が良いの!?
インターホンの前であたふたしてると
「お姉ちゃんどうしたの?」
結衣に心配された
「今ねインターホンが鳴ったから誰か来たのかなって思って見たけど誰もいないの!?これ出た方がいいと思う!?」
そう聞くと結衣は
「楓ちゃんじゃない?連絡帳頼んだんでしょ?」
「あ…」
そうだった、今日頼んだった。すっかり忘れてた。それに楓ちゃんだったら誰もいないのも納得だわ。(楓ちゃんは4年生にしては背が低い。しかもインターホンが高い位置にある)
納得してドアを開けるとそこにはやっぱり楓ちゃんがいた。
「結衣ちゃんのお母さん、連絡帳とプリント持ってきましたっ!!」
「ありがとう〜楓ちゃん助かったよ〜」
「いえ、大丈夫です!困った時はお互い様ですから」
あら、大人っぽい。
「そうだ、これお礼ね。家族で食べてね」
そう言って昼間買ってきたお菓子を渡す。
「良いんですか!ありがとうございます!」
「結衣明日からまた学校行けそうだからよろしくね」
「はい!」
「それじゃあね、楓ちゃん」
ドアを閉めようとすると結衣が玄関まで来ていた
「楓ちゃん!」
「結衣ちゃん!もう大丈夫なの?」
「うん!もう熱もないよ!」
「よかった〜」
そう言って二人が抱き合っている。めっちゃ可愛い!もうビデオで録画したいくらいには可愛い!けどもう遅いし寒くなってきてるし冷えちゃうと楓ちゃんまで風邪ひいちゃうかもしれないから早く帰ってもらわないと。それに結衣だってまだ完全に治った訳じゃないんだから!
「お二人さん、再会できて嬉しいのはわかるけどそろそろ寒くなって冷えちゃうから家に戻ろうね」
「そうだね、結衣ちゃん。また明日ね!」
「じゃあねバイバイ!また明日ね!」
よし早くご飯作って………仕事しないとなぁ
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