#140 ちっちゃな生活④ 公園に行く
「おはよ〜」
「すぅ………すぅ…………」
朝になって目を覚ます。隣には小さくなった結衣が親指をしゃぶりながら体を丸めて眠りについていた。結衣の行動はすっかりちっちゃい子そのものになっていた。可愛らしいからずっとこのままでも良いんだけどなぁ、なんて言ったら結衣は怒るかな。
さてと、朝ごはん作らないと。
そういえば寝る前に思い出したんだけど、昨日お買い物に行った時夜ご飯はオムライスにするって言ったのに結局お好み焼きにしちゃったんだよね。そのため今日の朝ごはんはミニオムライスになります。
◇ ◇ ◇
「おかーさーん!!!」
朝ごはんの準備も終わりに近づいてきた頃、寝室からお母さんを呼ぶ結衣の声が聞こえてきた。そうだよね〜ちっちゃい頃って朝起きたら親を呼ぶよね〜。私がちっちゃい頃は寝てる部屋が2階だったから朝起きたらまず親を呼んで1階まで運んでもらってたなぁ。
「はーい!今行くよー」
返事をして結衣が寝てる寝室に入ると結衣はなぜか涙目になって今にも泣きそうな顔でこっちに走ってきた。
「ゆーちゃんどうしたの?怖い夢でも見ちゃった?」
「……………うん」
「そっかぁ〜怖かったねぇ、けどもうお母さんいるから大丈夫だよ〜」
「……う゛ん」
結衣を抱き抱えて背中をポンポンと軽く叩いて気持ちを落ち着かせる。にしても、どうしても急に怖い夢なんて見るようになったんだろう?今までほとんど怖い夢見たなんて言った事なかったのに。これもちっちゃくなった影響なのかな。
「気分がスッキリするまで泣いてて良いからねぇ〜」
「……うん」
◇ ◇ ◇
「落ち着いたかな?」
「………ん」
あれからだいたい10分くらい泣き続けてやっと落ち着きを取り戻した。
結衣の目はすっかり真っ赤になっていて私の服の胸のところも涙でびしょびしょになっていた。
「じゃあご飯にしよっか。今日のご飯はゆーちゃんの食べたがってたオムライスだよ〜」
そう言いながら結衣の頭を撫でながらリビングに向かう。
結衣を椅子に座らせて作っておいたオムライス、サラダ、ヨーグルトをお皿に分けてテーブルに運ぶ。
「ゆーちゃん飲み物何が良いかなぁ、牛乳、ジュース?」
「ぎゅうにゅうがいい」
「わかった」
結衣の前に置かれたコップにトクトクと牛乳を注いでいく。結衣はその様子をジッと眺めていた。何が面白いんだろうなぁ。
「いただきます!!」
「召し上がれ」
結衣はお皿の盛られたミニオムライスを切って食べ始めた。
「あれ?なんかご飯違う………」
「そうだよ〜今日はガーリックライスにしてみたんだ〜」
今日のオムライスはケチャップライスじゃなくてガーリックライスにしてみた。最近見たテレビの特集でオムライス専門店をやってて、そのお店はケチャップライスとガーリックライスを選べるらしくて、美味しそうだったからやってみたんだけど、口に合うかな?
「おいしいね!」
「そっか、良かったぁ。あっ普通のケチャップライスもあるから食べたかったら言ってね♪」
「うん!」
◇ ◇ ◇
「ゆーちゃん、今日はお出かけしてみよっか♪」
朝ごはんを食べ終わってソファーでゴロゴロしている結衣に話しかける。
「どこ行くのぉ〜?」
「ふふ〜ん、それは着いてからのお楽しみだよ」
そう言って結衣にお着替えをさせて車に向かった。
そして車を走らせること30分、目的地に着いたのだが…………
「お、おかーさん、ここって……………」
「そう、公園だよ!」
そう、今日の目的地は公園なのだ。やっぱりちっちゃい子と遊ぶといったら公園でお砂遊びををしたり、同年代の子と鬼ごっこをしたりかくれんぼをしたりとかでしょ!!その為に今日はスマホの容量を減らしてきたんだから!!
「ゆーちゃん恥ずかしいかな?」
けどまぁ中身はお年頃の小学5年生だ、本人が嫌だって言うなら無理強いはしない。それに嫌だって言うなら別に考えてたコースがあるからね。
「う〜ん…………わかんないけど、行ってみる!」
「よかった!じゃあ行こっか!!」
そう言って結衣の頭に私が小さい頃使ってた麦わら帽子を被せて車の外に出る。麦わら帽子が案外綺麗に保存されててびっくりしたのはここだけの秘密だ。
「ゆーちゃん、今日は日差し強いから日焼け止め塗ろうね」
「んっ!」
結衣の顔、首筋、腕に日焼け止めを塗って公園に入る。
今日来た公園は私たちが住んでるところから結構離れてて、中にはアスレチック、水遊び場、親子で楽しめる場所がいっぱいある。
「ゆーちゃんまずどこ行きたい?」
「ん〜……………あっち!」
結衣が指差したのは水遊びゾーンだった。そこには小さな噴水だったり……………まぁ色々ある。
「じゃあ靴下脱いだら行ってきていいよ」
結衣の脱いだ靴下を預かって結衣を見送る。
最初は恐る恐る水に足を近づけて水が足につくとビクッとしたり、そこら中にいる小さな魚にびっくりしたり、まあ可愛らしかった。(遊ぶところを繋ぐ水路とかに小さな魚がいる不思議な水遊び場)
さらに、最初は1人で遊んでたのにいつの間にか近くで遊んでた同年代くらいの女の子や、お姉さん(中学生くらいかな?)と一緒になって楽しそうに遊んでいた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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