#139 ちっちゃな生活③
「ちょっと暑いかもしれないけど肩まで浸かるんだよ〜」
結衣と一緒に湯船に入る。
まあ当たり前だけど結衣が本当に肩まで浸かろうとしたらずっと立ってないといけなくなっちゃうから、もちろん私の膝の上に座ってて、結衣は自分の頭を私の胸に乗っけてる
「ゆーちゃん湯船気持ちいい?」
「んっ!」
「よかった」
結衣はニコニコしながら頷いてくれる。
結衣の腕をにぎにぎしたり、ほっぺたをもちもちさせたり色々遊んでも結衣は「ふぇえ〜〜」と言いながら蕩けていくばっかりで一切嫌な雰囲気を出さない。
「ゆーちゃん、そろそろあったまってきたから頭洗おっか」
「あいっ!」
湯船を出て結衣用の椅子を置いて結衣に座らせる。
まずは体を洗う。すっかり体を洗う用のタオルを泡立てて体を洗う。
「こ〜ら、逃げないの!」
「きゃー♪くすぐったーい!」
結衣の体を洗いながら軽いスキンシップ(こちょこちょ)をすると逃げようと結衣を逃げられないように抑えて笑いながら体を洗う。
「ほら髪洗うから目つぶって〜」
そう言ってシャンプーを泡立てて髪を洗う。結衣の髪は元々肩よりも少し長いくらいまで伸びていたけど、背がちっちゃくなったせいで腰まではいかないけどそこら辺まで届いていた。
「おかーさんまだぁ〜?」
「ゆーちゃんあとちょっとだけ我慢してね〜」
「あ〜い」
「…………ほい、あわあわ流すから下向いて鼻で息吸ってね〜」
「すぅ〜……………んっ!」
結衣が息を止めたのを確認してシャワーで泡を流す。
そして泡を流し終わったらすぐにトリートメントをする。
「はい、終わったよ〜。じゃあお母さんも髪の毛洗うから湯船に入って待っててね」
湯船に中にさっきまで結衣が座ってた椅子を沈めてお母さんの膝の上に乗んなくても大丈夫なようにする。
結衣が湯船に浸かったのを確認して、今度は自分の体を洗い始める。
しばらくしてシャンプーをするタイミングで結衣が話しかけてきた。
「おかーさん、ゆーちゃんもおかーさんのお手伝いする!」
「あら、お手伝いしてくれるの?じゃあそうねぇ、一緒にあわあわで綺麗にしてくれる?」
「うん!」
そう言うと結衣はザバァ!と湯船から飛び出してこっちにやってきた。
結衣の手にシャンプーを乗せて泡立たせて
「じゃあお母さんの髪を綺麗にしてね」
「うん!」
そう言うと頭に二つのちっちゃい手が入ってきて頭をグッグッと押してくるのが感じた。ちっちゃいからはっきり言ってすごく弱く感じるのにどこか気持ち良くも感じる。
「おかーさんかゆいところないー?」
「ないよ〜」
「じゃあ流すねぇ〜」
そう言うと結衣は頭から手を引いてシャワーヘッドを持って泡を流し始めた。
少し時間はかかったけど結衣はしっかり泡を流してくれた。
「ありがとね、ゆーちゃん」
「えへへ〜どういたしましてっ!」
「じゃああとは湯船に浸かったらあがろっか。」
◇ ◇ ◇
結衣が私の膝の上でうとうとし始めたからお風呂から出た。
「ゆーちゃん体拭くからこっちおいで〜」
「あ〜い!」
バスタオルで結衣の体についてる水滴を拭き取ってパジャマを着させる。
結衣はお風呂であったまって眠くなったのか瞼が下がってきてて足取りも少し危なっかしい。
「ねぇゆーちゃん、もうおねんねする?」
「ん〜…………もうちょっと起きてる〜」
「そっか、じゃあ特別に…………アイス食べちゃおっか♪」
眠たそうに目を擦っている結衣にそう言うとついさっきまで眠たそうに目を細めてたのに「アイス」という単語を聞いた瞬間に目をカッと見開いて輝けせていた。
「ほんと!?」
「ほんとだよ〜。けどその前に髪の毛乾かしてからね」
「わかった!おかーさん早く早く!」
「はいはい」
ドライヤーを持って結衣を追いかける。結衣はちっちゃい足取りでリビングに走って行っていつも髪を乾かしてる定位置に座る。
「アイスまでちょっと我慢してね〜」
そう言って手短に、けどしっかり髪を乾かす。中途半端に乾かすと癖になっちゃうからね。
「はい出来たよ〜。じゃあ冷蔵庫から好きなアイス取ってきて良いよ」
「うん!」
そう言うと結衣はぴょんとソファーから飛び降りて冷蔵庫に向かう。そして冷蔵庫のアイスの入ってる所を開けて少し悩んで一袋に二つのアイスが入ってるチョココーヒー味のアイスを持ってきた。そして「一緒に食べよ!」と言って膝の上に座ってきた。
「ゆーちゃんそのアイス好きだよねぇ〜」
「うんっ!だっておかーさんと一緒に食べれるもん!」
結衣はそう言いながらアイスをちゅーちゅーと吸う。
結衣は一心不乱にアイスを吸ってて、脇とか髪の毛を触られても何も反応を示さない。
◇ ◇ ◇
「ゆーちゃん、そろそろベッド行こっか」
「ん…………」
アイスも食べ終わって歯も磨き終わった結衣をベッドに連れてく。結衣はもうかなり眠くなってて抱っこをしてベッドのに向かってる途中にもう目を閉じて夢の中に入りかけていた。
「おやすみ、ゆーちゃん。良い夢を見るんだよ」
結衣の頭をそっと撫でて部屋の電気を消して自分もベッドの中に入った。
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