#134 女子会
「あはは〜結衣ちゃんは可愛いね〜」
「あ、ありがとうございます………」
お酒に酔ったしーちゃんに結衣が若干引いてるけど、逃げはしてないから慣れてきたのかな。
それにしてもしーちゃんガンガンお酒飲むな〜そんなに飲んで大丈夫かなぁ。
「結衣ちゃんが着てるそのワンピースあーちゃんに買ってもらったのぉ〜?」
「………!はい!お姉ちゃんに買ってもらった大切なパジャマです!」
「ほぉ〜良いねぇ愛されてるねぇ〜」
「えへへ〜将来の相手、ですから〜」
「!?」
「ちょっ結衣!?」
いやまぁ約束したけど!?絶対にそんな事になるなんて思ってもなかったし、その頃になったら結衣も私に対して興味がなくなるだろうから全く気にしてなかったけど…………ここまで本気だったとは。
「あら〜あーちゃんも幸せね〜こ〜んな可愛い子に求婚されるなんて♪」
「いや、嬉しいけど……………結衣、人前でこういうのは言っちゃダメだよ」
今回はしーちゃん(知人)の前だったから良かったけど、こういう話はあんまり人前でするような物じゃない。気をつけてもらわないと。
「え…………?」
「うん?」
「もう学校のみんなに言っちゃった。「お姉ちゃんのお嫁さんになるー」って」
「…………………」
あ〜…………………私の人生終わったかもしれんわ。い、いや、誰もそんな事信じないでしょ。子供達同士だったら多少は面白いとか思うかもしれないけど、先生とかからしたら子供の面白い嘘だと思うだろうし。
「ねぇ〜結衣ちゃん、それ聞いたお友達とかはなんて言ってたの?」
「えっとね〜友達は「応援してるよ〜」って言ってくれて、先生は「あと4年は待たないといけませんね。あっ結婚式には呼んでください」って言ってた!」
「あ〜はっはっは!!!」「…………………」
ダメだ、あの学校にまともな教員がいない。なんで教員が子供と親の恋愛に何も言わないんだ、いや恋愛とか恋は人の自由って言うけどさ、これはダメじゃない、倫理的に………………いや、約束した私も人のこと言えないけどさ。
「あーちゃん結衣ちゃんのこと幸せにするんだよ〜、あっもちろん結婚式には呼んでね〜」
「…………はぁ、大変だわ」
「ふふっ結衣も手伝うから安心してね♪」
あぁ……………誰か私の相談に乗ってくれる人はいないだろうか。
◇ ◇ ◇
「結衣ちゃん、小学生の子はそろそろ寝る時間じゃないかしら?」
時計を見ると日付を超える前まで時間が経っていた。
楽しい時はすぐに時間が経っちゃうな〜。
「え〜もっと起きてたい〜」
「けど結衣…………さっきから目が眠そうにしてるよ?」
結衣はさっきから頭がカックンカックンと動いていて、目も最初の頃よりも閉じてきていて横になったらすぐに寝てしまいそうなくらいには閉じていた。
「じゃあお姉ちゃんと一緒に寝よっか」
しーちゃんのアタック
「ヤダ!」
即レス
「うわぁああああああん!!!」
しーちゃん号泣
ていうか人の子供と一緒に寝る前に自分の子供と一緒に寝てあげなよ、まだ幼稚園児なんだから。
けど確かにそろそろ寝ないと体に悪いし、小さいうちから夜更かしすることに慣れちゃうと悪い習慣が身についちゃうからなぁ、けど絶対に寝てくれないよねぇ。
「しょうがない、一緒にベッド行こっか。お姉ちゃんと一緒なら良いよね?」
「お姉ちゃんがそう言うなら…………」
結衣はそう言うと席を立っておぼつかない足取りでこっちに歩いてきてもたれ掛かってきた。
「あ、けど歯はちゃんと磨くからね!…………って聞こえてないし」
結衣はもうすでに限界近くまで眠気がいってたらしく、私に寄り掛かってすぐに寝息が聞こえてきた。確かによく考えたらお風呂に上がった時にはすでに眠そうだったし当たり前か。さてと、結衣はこのまま抱っこしてベッドまで運ぶのは良いんだけど…………
「うわぁああああああああ!!!!結衣ちゃんに嫌われたぁー!!!!」
酔っ払ったコイツをどうするかだな。流石にこの大きさを抱き抱えなんて無理だし結衣以外は抱っこしたくない。じゃあどうするか、歩かせるしかない。けどこんなデロンデロンに出来上がってるやつが歩けるとは到底思えない。かと言ってリビングで寝かせるわけにはいかないしな〜。
「しょうがない、先に結衣をベッドに運んでから奈那ちゃんが寝てる部屋に引きずってくか」
◇ ◇ ◇
「……………なんで?」
次の日の朝になって意識が覚醒して目を開けると右隣には結衣が、左隣にはなぜか奈那ちゃんがいて挟まれるように眠っていた。なんで奈那ちゃんがここにいるの?
まあいいか、朝ごはん作らなきゃね。
2人を起こさないようにそ〜っとベッドから抜け出してリビングに向かう。
キッチンに入って今日の朝ご飯の準備をする。今日の朝ごはんはあっさりとお茶漬けにして、足りなかったらまぁ…………コーンフレークとか食べてもらおう。
「ママぁ………?」
冷凍のご飯を電子レンジで解凍していると寝室の部屋から奈那ちゃんの声が聞こえてきた。奈那ちゃんは1人で朝起きれるのか、偉いなぁ。
「奈那ちゃん、どうしたの?」
「あっお姉さん、おはよーございます!」
「おはよう、ママはあっちの部屋にいるよ」
しーちゃんが寝てるであろう部屋を指差す。そして奈那ちゃんは指さされた部屋のドアを開けて「いないよー」という声が聞こえてきた。
「ほんと!?」
そして奈那ちゃんが言った通り部屋にはどこにもいなかった。
え…………どこ行った?まさか酔ってそのまま外に出たとか!?そしたら……………まあなんとかなりそうだから大丈夫か(薄情)
「少し待ってよっか」
「お姉さん、お願い………いい?」
「うん?いいけど」
「お姉さん…………抱っこ…………」
奈那ちゃんがなぜか泣きそうな顔になりながら足元に歩いてくる。私は奈那ちゃんをそのまま抱き上げて背中をポンポンとリズムよく叩く。そして少しして肩から小さな寝息が聞こえてきた。
「お姉ちゃん、おはよ〜」
「おはよう。顔洗ってきな〜」
「うん」
結衣も起きてきた。
それにしてもしーちゃんどこ行ったんだろう?家の中にはいるはずなんだけどなぁ〜。なんて奈那ちゃんの事を寝かせていると…………
「「きゃーーーーー!!!!!」」
「なに!?どうしたの!」
洗面所の方から2人の女の人の叫び声が聞こえてきて急いで叫び声が聞こえてきた方へ駆けつけるとトイレの前で腰を抜かしている結衣の姿があった。
「結衣、どうしたの!?」
「と、とと、トイレに……………」
そう言いながら結衣はトイレの中を指差す。そして私もトイレの中を見ると…………
「なにやってんだーー!!!!」
何故かトイレの中で寝落ちしているしーちゃんの姿があった。
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